団交拒否は不当労働行為 郵政晴海局労働委闘争 都労委が資本に謝罪命令
週刊『前進』06頁(2711号03面03)(2015/12/21)
団交拒否は不当労働行為
郵政晴海局労働委闘争 都労委が資本に謝罪命令
郵政非正規ユニオンは12月10日、晴海郵便局のO組合員に対する雇い止め解雇と団体交渉拒否をめぐる闘いで、東京都労働委員会において日本郵政による団交拒否は不当労働行為であるとの認定をかちとった。都労委は会社に対し、組合に謝罪文書を提出するとともに、それを新聞紙2㌻大の紙に書いて晴海局に掲示することを命じた。まさにこれは画期的な勝利である。
雇い止め解雇の撤回要求は棄却
だが他方で都労委は、O組合員の解雇撤回と組合活動を妨害する支配介入に対する訴えを棄却した。命令は随所で「Oの職場復帰に至る経過及び職場復帰後の対応に配慮に欠ける点がある」「会社が組合を嫌悪しているとみられてもやむを得ないような対応もみられる」「会社が組合を嫌悪し、組合員を排除するために行った不利益取扱いであると組合が主張することも理解できないわけではない」などと動揺しつつも、何がなんでも不当労働行為ではないという結論だけを押し付けている。理不尽極まる。当該のO組合員を始め組合は、切り開いた勝利の大きさと、怒りも新たに解雇撤回まで闘いぬくことを確認した。そもそも日本郵政が労働委員会で不当労働行為を認定され、組合への謝罪を命令されることが前代未聞の事態だ。郵政資本は自分たちが負けるはずはないと高をくくっていた。会社の労務担当たちは都労委命令に顔面蒼白(そうはく)になり、すぐに会社に持ち帰ることもできず、労働委員会の廊下で額を寄せ合っている始末だった。
まさに齋藤裕介委員長が言うように「郵政の土手っ腹に大きな風穴をあけた」のである。それも株式上場したばかりのこの時期に、年末年始繁忙とマイナンバーが重なり全国の職場に怒りが渦巻いているこの時期にだ。
局に団交要求し中労委に再審査
都労委命令を受けて郵政非正規ユニオンは直ちに12月14日、意気高く晴海郵便局に団交を申し入れ、中央労働委員会に再審査を申し立てた。晴海局前で「不当労働行為が認められました」と声をかけながらビラを配布すると、受け取った労働者が「えっ、本当」「良かったね」と返す。管理職は誰一人姿を見せず、インターホンで総務の担当者を呼び出し団交申入書を受け取るように促しても出てこない。「都労委命令が出たのは分かっているだろう」と言っても「そういう事実は知りません」とうそでごまかす。起きた事態を象徴的に示す情景だ。
組合は晴海局前から直ちに中労委に赴き、雇い止め解雇撤回と組合破壊策動に対する再審査を求める申立書を提出した。
ここを反転攻勢の足がかりとし、「動労総連合を全国に」の闘いと一体で、郵政労働者とりわけ非正規労働者の総決起と総反乱を切り開くのだ。今こそ郵政非正規ユニオンが切り開いたものを郵政労働者に知らせる時だ。2016年新年の郵政職場全国一斉ビラ入れに総決起しよう。
(郵政非正規ユニオン・A)