大阪府・大阪市ダブル選挙の結果が示すもの 戦争・革命情勢で敵階級が分裂 橋下維新は民営化・改憲の先兵

週刊『前進』06頁(2709号06面01)(2015/12/07)


大阪府・大阪市ダブル選挙の結果が示すもの
 戦争・革命情勢で敵階級が分裂
 橋下維新は民営化・改憲の先兵


 11月22日投開票の大阪府知事・大阪市長のダブル選挙において、いずれも「大阪維新の会」候補が″圧勝〟した。実質的な国政選挙であり16年参院選そのものとしてあったこの選挙では、自民党の各候補には民主党や日本共産党が相乗りし、「オール大阪」を掲げて登場したが惨敗した。
 この選挙を革命党としてどうとらえ、総括するのか。問われているのは、労働者階級が本格的な朝鮮侵略戦争情勢下でいかにゼネストを組織し、革命に向かって突き進むのか、という立場からの主体的総括である。

都構想は完全に吹き飛んでいる

 労働者階級が「維新か、自民党か」というとんでもない政治選択に置かれた状況をどうとらえるのか。
 これは暗黒の道であり、「大政翼賛会」の進行に労働者階級が追いつめられている、という問題なのか。断じて否! 何よりこの構図こそ国鉄決戦を軸とした階級闘争の前進の中で支配階級の大分裂を生み出しているということだ。さらに日本共産党を含めあらゆる反動的諸潮流や体制内勢力がいかなる意味でも「労働者の味方」面することもできなくなり、ゼネスト決起に向かう労働者階級にむき出しで襲いかかることしかできなくなっているということだ。革命情勢がついにここまで成熟しているのである。まさにこの構図こそ、真の労働者階級の利害を貫く政党を自分たちの力で登場させる以外に、労働者はいかなる意味でも選挙に臨むことなどできないことを示している。
 そもそも「ダブル選挙の争点は都構想」だったのか。違う! そもそも橋下徹の掲げてきた「都構想」などすでに完全にぶっ飛ばされている。新たに市長となった「大阪維新の会」の吉村洋文は「3年間で都構想をやりたい」などと打ち出しているが、これ自身が橋下のもとでまったく労働組合をつぶせていないこと、労働者の階級的背骨を折ることもできていないことの敗北宣言である。朝鮮侵略戦争情勢の切迫の中で、「3年間で」などという悠長なことは支配階級にとって通用するはずがないではないか。
 今回の選挙を前に強行された市職労働者2人への分限免職攻撃も「これから暗黒の解雇攻撃が始まる」のではなく、労働者階級の本格的な革命的反乱の始まりなのだ。橋下はそもそも三けたにものぼる労働者を評価制度や指導研修によって自主退職に追い込もうとしていた。その破産したあり方こそが今回の分限免職攻撃だ。橋下による労働組合破壊も自民党による労働組合つぶしも、国鉄決戦を軸とした闘いがこれを打ち砕き、2010年の4・9反革命(国労本部などによる国鉄闘争の反動的政治和解)を打ち砕いて前進しているのだ。

階級的団結強化が一切の総括軸

 選挙の真の争点は「ブルジョアジーのどの勢力が労働組合を解体し、戦争情勢下で革命に突き進む労働者階級を圧殺するのか」ということにあった。この選挙の構図自身が労働者階級に絶望を組織し、階級的団結を解体するものとしてあったのだ。だからこそ労働者階級がこの選挙の総括にあたっては、階級的団結の強化を一切の総括軸にすえなければならない。
 市職本部や市教組本部は、現場労働者の怒りを恐れ、民主党も相乗りだった今回の選挙で実質的には方針すら提起できなかった。現場労働者は「戦争政治を進める安倍・自民党になぜ投票しなければいけないのか」と激しく怒っている。
 体制内労組幹部は、もはや労働者階級の闘いを圧殺する中身も迫力もなくなっている。とりわけ自民党候補への支持運動に血道をあげた日本共産党スターリン主義の歴史的裏切りはここに極まった。「国民連合政府」なるものは、すでに労働者階級の怒りによって破産の烙印(らくいん)が押されている。

参院選決戦で労働者党登場を

 今回の選挙に対する労働者階級の本当の回答は11月労働者集会の打ちぬきの中にこそある。労働者集会と韓国・民主労総のゼネスト決起―11・14労働者大会への15万人決起に結実した15年決戦の巨大な前進こそ労働者階級の根底的回答なのだ。
 日本と世界の労働者階級が「戦争か、革命か」をかけて階級的労働運動の激しい実践に挑戦している。国鉄闘争を軸とした国際連帯の闘いの決定的前進が世界革命を切り開くものとして発展している。動労総連合の本格的建設をもってゼネストをこじ開ける闘いは、開始された革命情勢を革命の勝利に転化する最大の軸である。
 16年決戦、とりわけ参院選決戦で真の労働者党を登場させよう。世界が戦争情勢に突入し、新自由主義の崩壊が進んでいる。この時代に参院選決戦の挑戦権を得ている地平は、階級的労働運動の前進と国鉄決戦が切り開いてきたものだ。
 橋下と「大阪維新の会」を先兵とする民営化・改憲攻撃を粉砕しよう。労働組合をめぐる激しい党派闘争に勝ちぬき、拠点建設と党建設を階級の未来をかけてやりぬこう。その一切の原動力は地区党における路線議論の中にある。動労総連合の建設を地区党の正面課題としてすえ、中期階級決戦の爆発でゼネスト情勢を切り開こう。
(革共同大阪市委員会)
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