総非正規職化許すな 丸ごと民営化への怒り結集しストライキで闘う労組権力を 革共同自治体労働者委員会
週刊『前進』06頁(2709号03面01)(2015/12/07)
総非正規職化許すな
丸ごと民営化への怒り結集しストライキで闘う労組権力を
革共同自治体労働者委員会
(写真 ストで闘うぞ! 11・12都庁モール集会に結集した2千人の都労連組合員。ストを倒した本部をのりこえ絶対反対で闘う組合が必要だ)
11・1集会と訪韓闘争はゼネストと国際連帯で戦争をとめる展望を示した。国鉄決戦を基軸に全面民営化・非正規職化との激突が全職場で本格化している。闘う自治体労働者は、動労総連合建設と一体で職場攻防を絶対反対のストで闘う労組拠点の建設・権力戦に全国で挑戦し、新地平を開いた。マイナンバー制問題と自治労横浜の権力戦の総括を中心に報告する。
マイナンバー制の危機に乗じ非正規大量導入
マイナンバー制をめぐって、自治体職場でも矛盾が火を噴き、今後さらに爆発していく。通知カードは郵送の遅れだけではなく、不在や受け取り拒否の続出で、11月26日時点で208万通が市町村に返送され、さらに増え続けている。
24日時点で北海道の自治体への返送は20万通。大阪市では連日、5千通(段ボール箱44箱!)が返送されて担当者25人で仕分けを行い、転居や死亡の有無を確認するが追いつかない。沖縄でも12月1日時点で10万通が返送。全国で破綻的状況となり全矛盾が現場に押しつけられている。来年1月の本格運用以降の事態は誰も予想できない。
これに対し当局は、担当者に限界を超えた超勤と休日出勤を強いるとともに、危機に乗じて非正規職を一気に拡大しようとしている。横浜市は200人の臨時職員。東京B区は特区連が秋闘ストを倒した翌日に、任期1年・更新最大4回の任期付職員の大量導入案を出してきた。当局は「任期付」とする理由を「この制度は3年たてば新しい状況になって職員がいらなくなる」と説明している。マイナンバー法改悪と丸ごと外注化をあらかじめ想定しているのだ。
マイナンバーは戦争のための「国民総背番号」であり、福祉削減、徴税の徹底と自治体丸ごとの民営化・総非正規職化の攻撃だ。当局は職員の個人番号の収集にあたって「番号を出さなければ給料も支払われない」など違法な暴言、デマまで言い出している。住民対応の矢面に立つのは自治体労働者だ。だから労働組合の闘いが決定的だ。職場から絶対反対の議論を巻き起こしマイナンバー制を廃止に追い込もう。
11・1集会の組織戦と一体で執行委選に挑戦
あらゆる職場攻防が民営化・総非正規職化との決戦を迎えている。求められているのは、体制内労働運動を打ち破り、絶対反対のストで闘う労組拠点の建設である。今秋、階級的労働運動派は自治労横浜(組合員4千人)の執行委員選挙にA同志を押し立て「民営化・非正規職化絶対反対で闘おう!」「ストライキで闘う労働組合をつくろう!」と訴えて闘った。結果は本部派3300票に対し470票もの支持が寄せられた。
われわれは、国鉄闘争、国際連帯闘争の発展とひとつになって組合選挙戦を闘いぬいた。自分の職場と市の全区役所に入り、ビラを配り、職場の仲間の怒りと正面から向き合い踏み込んでオルグし、11・1集会への新たな結集をかちとった。
階級的労働運動派が多数派へと飛躍する決断をもって、全組合員の前に真っ向から登場したことは、自治労横浜の体制内幹部に衝撃を与えた。
現場組合員は闘う労働組合と闘いの方針を求めて決起した。A同志への支持は、民営化・非正規職化、人員削減による殺人的な職場の状況に対する怒りの表明だ。人員削減も賃下げも非正規職の解雇も、現場の声を抑えつけて当局と妥結し協力してきた組合本部に対して強烈な批判と不信任をたたきつけたのだ。
国鉄決戦基軸に自治体決戦闘う
国鉄決戦=外注化阻止・非正規職撤廃は自治体決戦そのものだ。今回の労組権力戦は、動労千葉を支援する会が物資販売闘争や国鉄解雇撤回10万筆署名を通して職場とつながってきたことなしにありえなかった。動労千葉は、国鉄分割・民営化が不当労働行為であったことを確定させた6・30最高裁決定を引き出して、解雇撤回・JR復帰に向かって進撃し、外注化阻止・非正規職撤廃を闘いぬいている。動労水戸の被曝労働拒否の闘いは、全国の原発立地自治体労組の再稼働阻止・全原発廃炉の闘いに発展している。そして動労神奈川の結成、JR子会社の非正規職の青年の決起は自治労横浜の権力戦に力を与え、階級的労働運動派の結集軸を打ち立てたのである。
時代認識と路線が職場の怒りと一つになった
安倍の戦争と民営化・総非正規職化の新自由主義攻撃で、自治体職場は崩壊している。正規職員は「やってもやっても仕事が終わらない」「このままでは自分も倒れるかもしれない」と悲鳴を上げ、嘱託職員からは「私たちの仕事抜きに職場は回らないのに、生活保護基準と同じ額の給与っておかしい」と怒りの声が上がっている。攻撃は青年労働者に集中して襲いかかっている。一昨年、横浜の区役所の青年が失踪したのに続き、9月には別の青年が自殺に追い込まれた。多くの仲間がメンタル疾患で休職を余儀なくされている。当局と組合本部は、青年の命も人生も奪って見殺しにしているのだ。絶対に許せない!
この現実に対し、労組権力戦に打って出たことが自治労横浜の流動と分岐をつくりだした。現場組合員が歓声を上げた。選挙広報に注目して「この人(A同志)に○(信任)するね」と言ってきた組合員もいる。10月末の定期大会でわが代議員たちは「ストライキで闘う労働組合をつくろう」「組合員は全員11・1労働者集会に結集しよう」と訴え本部を圧倒した。会場から拍手と「そうだ!」という声が上がった。発言の後、ガッツポーズで応えてくれたり、「感動した。上司からパワハラを受けて死のうかと考えたことがあった。自分の思いを代弁してくれた」と涙ぐんで話しかけてくる組合員もいた。
わが階級的労働運動派の時代認識と路線が、職場の現状に怒り闘いの方針を求める組合員とひとつになった。本部は大会答弁で、「2年前の賃下げ攻撃には本部はストライキ指令を下ろし体制も取った」(13年4・26自治労全国ストのこと)とぶざまな言いわけをしつつ「ストライキは腹が立ったというだけでするものじゃない」と居直ってスト圧殺の意思を表明した。11・1集会結集の訴えについても無視できず「意見としてうかがっておく」と言わざるをえなかった。動労千葉派は大会での闘いを通して、「本部を打倒できる!」という確信をつかんだ。
職場で地をはう闘い進め主流へ
これまで動労千葉派は税務の外注化を狙うセンター集約化、国民健康保険の地区担当員制度廃止・雇い止め、青年労働者の失踪問題などに対し、民営化・非正規職化絶対反対で闘い、現場の声と結びついてきた。そして昨年来、絶対反対派の旗を立てて闘う飛躍をかけて組合権力戦に打って出ることを表明してきた。だが実際に選挙戦に突入するなかで、細胞での時代認識と路線をめぐって徹底討論し一致する根底的な転換と飛躍が求められた。
闘いの獲得目標は細胞の団結形成であることをはっきりさせて議論を積み重ね、職場で組合員一人ひとりに11・1集会への結集と一体でA候補への支持を訴える踏み込んだ路線オルグ・宣伝戦を進めた。そうすることで「労働者が立ち上がるために一番重要なのは現場だ」とつかみ、「やれるんだ!」という自信と確信を持つことができた。
主流派となり多数派となって労組拠点を建設する展望を切り開くのは、細胞と地区党の強固な団結と指導部建設だ。
国鉄分割・民営化、さらに4・9政治和解によって国労とともに自治労本部・体制内幹部もまた新自由主義に最後的に屈服した。そして自治体労働者を戦争の担い手にしていく産業報国会の道を突き進もうとしている。全国の公務員秋闘の許しがたい状況は、職場の怒りと結びついて地をはう闘いを進め、ストで闘う労働組合を本気でつくり出すことを突き出した。
職場で機関紙活動を進め、国鉄決戦を基軸に主流派に躍り出る2016年決戦の先頭で闘おう。