11・29星野全国集会・デモへ③ 異議審で絶対に勝利を 11人の目撃者調書を開示させよう

週刊『前進』06頁(2706号06面02)(2015/11/16)


11・29星野全国集会・デモへ③
 異議審で絶対に勝利を
 11人の目撃者調書を開示させよう


 星野文昭同志は、沖縄闘争(1971年)を闘い、獄中41年を不屈に闘っている。星野同志は、死亡した機動隊員を「鉄パイプで殴打した」「火炎びんを投げるよう指示した」と、殺人の「実行犯」にデッチあげられ、無期懲役刑を下された。しかし、星野同志は無実である。デモ隊のリーダーとして闘ったが、機動隊員の死亡にはまったく関与していない。当然にも物的証拠は一切ない。唯一の「証拠」は、デモに参加した学生のデッチあげられた供述調書だけだ。
 今年3月、弁護団は、千葉大学の三宅洋一名誉教授の「鑑定意見書」を東京高裁に提出した。一郎丸写真を鑑定し、星野同志が持つ鉄パイプには殴打の痕跡など一切ないことを明らかにしたもので、星野同志の殴打を否定する新証拠である。

服の色の違いでウソの供述崩壊

 星野同志に無期懲役刑を下した確定判決(1983年、東京高裁・草場良八裁判長)は、「機動隊員殴打」についてはKr供述調書を、「火炎びん投てき指示」についてはAo、Ar供述調書を核心的証拠としている。
 Kr供述は、わざわざ「顔は見ていないが」と断った上で、きつね色の服を着た殴打者を星野同志だと特定している。ところが、第1次再審請求の特別抗告審で最高裁は、星野同志の服の色は薄青色だと認めた。服の色が違えば別人ではないか。これによってKr供述は決定的に崩壊した。だが、最高裁は、「服の色に関しては記憶違いに過ぎない」とし、Krは殴打者が星野だと「後ろ姿で分かった」「声で分かった」と、検察官すら主張していないことを強弁して再審請求を棄却した。これは国家権力の暴力そのものだ。しかし、ボロボロになったKr供述調書を正しいと言い張る以外にないところまで裁判所を追い詰めているのである。
 確定判決は、「具体的且(か)つ詳細」に述べているから「供述は十分信用するに足りる」としている。だが、第2次再審請求において日本大学の厳島行雄教授は、2カ月半も前の出来事が、あまりにも具体的かつ詳細に述べられていることを指摘して、Kr供述はねつ造されたものであることを証明した。Kr氏本人も公判廷でAo、Ar氏などと同様に、供述調書は長時間の取り調べで、強制と誘導により強いられたウソであると真実を証言している。
 現在、星野再審闘争は、再審請求棄却に対する異議申し立て(異議審)闘争の渦中にある。

高裁は三者協議を直ちに行え!

 弁護団は現場目撃者11人の供述調書の開示を求め、東京高裁に対して三者協議を行うよう迫っている。
 12年3月30日、東京高裁第11刑事部・若原正樹裁判長は、「捜査官による誘導も......有効な記憶喚起の方法になる」と、信じられない暴論を展開して、第2次再審請求を棄却した。若原は、科学を真っ向から否定し、長時間の拷問的取り調べを容認し、取り調べにおける誘導を「有効な記憶喚起の方法」と賛美した。若原決定を絶対に打ち破ろう。その鍵が、現場目撃証人11人の供述調書の開示なのである。
 2011年から13年にかけて再審無罪をかちとった足利事件、布川事件、東電女性社員殺害事件では、いずれも再審開始に直結した新証拠はすべて検察が隠し持っていた。無実の証拠を隠し、無実の人びとに殺人犯の汚名を着せ、十数年〜二十数年間も自由を奪い獄に閉じ込めてきた。この国家犯罪を断じて許さない。11人の供述調書を絶対に開示させよう。

高裁・高検追い詰める都心デモへ

 星野同志は無実で獄中41年を強いられている。階級的怒りの爆発で星野同志を奪還しよう。星野同志の闘いは、今年50カ所を超えて開催された絵画展を通して、総計1万人の人びとを獲得した。100万人民との結合はまったく可能だ。確信も固く、「全証拠開示・再審開始」100万人署名運動に猛然と打って出よう。再審闘争の前進と一体で、都心デモに決起し、東京高裁・高検を追い詰めよう。11・29星野全国集会に結集しよう。

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一郎丸写真 公安刑事・一郎丸角治がビルの屋上から、殴打現場を通過後のデモ隊を撮影した写真。その中に右手に鉄パイプを持つ星野同志が写っている。

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