京大バリストの勝利 全国300万学生は京大生に続き反戦ストライキに決起しよう 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』08頁(2705号05面01)(2015/11/09)


京大バリストの勝利
 全国300万学生は京大生に続き反戦ストライキに決起しよう
 革共同中央学生組織委員会

(写真 京都大学当局のスト破壊策動を徹底的に弾劾・撃退し、バリケードを防衛する同学会中央執行委員会【10月27日 京大吉田南キャンパス】)

(写真 11・1集会で京大バリストの勝利を報告し、意気高くデモに出る全学連【東京・千代田区】)


 11・1労働者集会は「世界革命の現実性」を示す圧倒的な感動でかちとられた。労働者の国境を越えた国際連帯と階級的労働運動・学生運動の大発展で安倍政権を打倒できる確信が会場に満ちた。全学連は「監禁致傷」デッチあげで不当逮捕された4同志を10月19〜20日に奪還し、10・21国際反戦デーを成功させ、ついに10月27日に京都大学同学会中央執行委員会の仲間と京大反戦バリケードストライキを打ち抜いた。その豊かな教訓を広く共有したい。

新自由主義大学下で15年ぶりのストを打ち抜いた

 10・27京大ストは、2000年11月の「国立大学法人化反対」の東北大スト以来、実に15年ぶりの決起だ。04年4月の国立大学法人化以降初のストであり、「新自由主義大学でストはできる」ことを示し、ストに至る全過程で強力な団結をキャンパスにつくり出した。
 9月全学連大会で「今秋の反戦ストライキ方針」が真っ向から呼びかけられた。全学連は大会後ただちに戦争法粉砕の国会決戦に決起し、労働者人民とともに国会前路上占拠も含めた激突をやり抜いて巨大な高揚を実現した。そのうねりがキャンパスに還流することを恐れた国家権力・警視庁公安部は9月末、全学連4同志を福島大学スパイ摘発に関して「監禁致傷」をデッチあげて不当逮捕したが、完全黙秘・非転向の闘いと救援運動の大爆発で粉砕された。その勝利がストレートに京大ストに結実した。
 「国会決戦―弾圧粉砕―京大スト」、全学連の9〜10月の「三つの大勝利」は11・1集会大結集へ結実し、2016〜17年の全国学生運動の大前進の展望を開いた。それは一つに、戦争絶対反対で闘う中で学生の団結をよみがえらせ、二つに、国家権力・警察権力と非和解で闘って戦争を止める道を示し、三つに、ストを始め「実力闘争の復権」が心の底から待ち望まれていることを示した。
 「〝どうすればこの戦争政治を止められるのか〟、その答えが本日のストライキの中に示されています。軍事物資の生産や輸送、研究、そして実際に戦場に行くのも私たち学生・労働者であり、この国で生きる99%の人たちです。本日のストは『この社会の本当の主人公は誰なのか』を示しました」(10・27スト貫徹集会での斎藤郁真全学連委員長の発言)。戦争を止めるために大学を学生・労働者の手に実力で奪い返す実践として10・27ストはあった。
 同学会中執は10・1開講以降、「スト決起」を鮮明に全京大生に提起して闘ってきた。10・27ストを受け、昨年11月の公安警察摘発事件をはるかに超える規模と質で、京大生からの支持と賛意が寄せられている。スト決起という革命的選択肢が提示されたことで「今度は京大全学ストをやってほしい!」「自分の大学でもストをやりたい!」という欲求が一気に噴き出してきている。
 06年3・14の法大闘争開始からまもなく10年。新自由主義大学のど真ん中からの「絶対反対」と「団結」を掲げた学生反乱は、ついに学生自治会建設から反戦スト決起にまで到達した。このためにこそ12年6月に京大同学会は再建されたのだ。

「戦争絶対反対!」を訴え権力・当局の敵対を粉砕

 京大ストの教訓をより深めれば、第一に、「戦争絶対反対のストライキ」として貫徹したことが決定的に重要だ。
 「戦争情勢の中で『粛々と静かに行われている授業』が1秒たりとも許せない!」(スト貫徹集会での京大生発言)、これが10・27ストの魂だ。戦争法成立と一体で朝鮮侵略戦争が切迫する中、動労総連合はストライキに立ち上がり、韓国・民主労総はパククネ政権の大弾圧―指導部の指名手配、巨額の損害賠償攻撃をはね返して敢然とゼネストを打ち抜いている。ここに戦争を止める道があり、連帯すべき仲間がいる。言葉だけでなく実践が求められている。帝国主義戦争に絶対反対を貫き、職場・キャンパスの反戦ストライキの嵐で自国政府を打倒しよう! これこそ最も訴えたかったことだ。
 第二に、それは「大学・教育とは何か」「誰のためのものか」を根底的に問うものだった。
 戦争法成立と10月1日の防衛装備庁発足と軌を一にして、「大学の戦争協力」が始まっている。防衛省が初めて兵器研究に直接資金を分配する公募制度で、9月25日に東京工業大など4大学を含む9件が採択された。財務省は10月26日、国立大の学費(現在約53万円)を今後16年間で40万円引き上げる方針をうち出した。今年6月の文部科学省通知を受け、すでに26大学が人文社会系学部の「見直し」方針を公表している。軍事研究を強化し、文科系科目を切り捨て、ますます労働者家族から高い学費を収奪して「経済的徴兵制」への道を敷こうとしている。大学自身が巨大な搾取・抑圧機関と化し、「戦争拠点」となっている。新自由主義大学は粉砕・破壊し尽くすしかない。そして帝国主義を打倒し、労働者・学生の手に教育を実力で取り戻そう。
 第三に、組織的団結と指導部の屹立(きつりつ)こそが一切の力の源泉だった。京大スト決起の中核には、京大生への深い信頼にもとづいた同学会中執の団結、そしてマル学同京大支部の揺るぎない一致があった。バリケードストという巨大な挑戦の中、一人ひとりが「ゼネストのリーダー」として急速に成長した。9月国会闘争の高揚と全学連4同志の不起訴奪還の大勝利を受けて情勢は一変した。戦争の切迫は同時に、安倍政権の危機の裏返しでもあると見抜いた。全員が「決然と立つのは今しかない」と決意を固めていった。かつて戦後革命期の高揚を受け、全国大学ストの中から全学連は1948年に誕生したが、今次京大ストは全国300万学生の反戦スト決起の号砲を打ち鳴らした。
 第四に、国家権力、京大当局およびすべての既成潮流がバリスト決起に大打撃を受け、凶暴化している。ストの激しさが、資本主義の枠内でしか物事を見ることのできない勢力の正体を暴き、「本物」と「ニセモノ」の分岐が膨大な学生を巻き込みながら始まった。
 最も醜態をさらしているのは京大当局・山極総長体制だ。学内への公安侵入を容認し、度重なる学生寮への家宅捜索に協力し、原発・戦争御用学者を大量に抱え込みながらも「リベラル」「自由な学風」を気取ってきた連中が、ストに顔面蒼白(そうはく)になって「違法だ」「警察に告訴する」とわめいている。それは逆に自らの打撃感と消耗感をさらすだけだ。全学連への弾圧に警察権力の立場から喝采を送っていたやからは、すべからく京大ストをののしっている。まさに本性見たりだ。京大生との団結を深く広く拡大し、さらに全学・全講義棟を巻き込む第2波ストをたたきつけてやろう。
 第五に、われわれは今回の京大ストを決定的な出発点に、反戦ストを東北大、広島大、沖縄大で、そして全国で波状的にたたきつけていく。とりわけ、日帝の学生支配の中枢である法大と東京大でストライキの火柱を打ち立てる。これが決意であり結論だ。

自治会運動の大衆的発展かちとり活動家つくろう

 11〜12月、京大ストと11・1集会の高揚を生き生きと伝える『前進』を万の規模でキャンパスで大胆に持ち込もう。誰もが躍動的なスト報告を待ち望んでいる。「国会闘争の次は何か?」の回答と展望を欲している。それに断固応える『前進』を拡大しよう。
 京大ストをうち抜いた地平であらためて全学連運動の原点をはっきりさせ、各大学での自治会運動の大衆的発展と活動家形成をかちとろう。
 全学連運動は一つに、帝国主義戦争に絶対反対で闘う300万学生の団結体だ。二つに、国境を越えた労働者階級との連帯に依拠して闘う。三つに、法大を先頭に国家権力の弾圧を絶対非和解の闘いではね返す。四つに、全国大学に学生自治会を建設し反戦ストのうねりを巻き起こす。五つに、労働者階級自己解放のマルクス主義に立脚し、現代世界の根底的変革を目指して闘う。いよいよ全学連運動の本格的飛躍の時だ。
 最後に、あらためてすべての学友にマルクス主義学生同盟中核派への結集を訴えたい。全国大学反戦ストの嵐の中でこそ、鍛え抜かれた青年・学生指導部の結集する強固な革命党をつくり出そう。2017年で「ロシア革命100年」、日本革命―世界革命の実現へともに闘おう!

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