郵政株式上場と闘う 現場からの決意② 職場から闘いののろしを 宮城 反合・安全闘争つくる
週刊『前進』08頁(2705号03面02)(2015/11/09)
郵政株式上場と闘う 現場からの決意②
職場から闘いののろしを
宮城 反合・安全闘争つくる
「おかしい」と管理者に抗議
日帝・安倍政権と郵政資本は、郵政3社(日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命)の株式上場で郵便現場を丸ごと外注化・非正規職化にたたき込もうとしています。民営化・外注化・非正規職化の新自由主義攻撃は、労働者が黙って従えば従うほど労働者の誇りを否定し、人間そのものを破壊する攻撃となります。しかし、そんな時代は終わりました。1千万人の労働者が生き方をかけて立ち上がる時代、革命の時代が始まっています。私たちはこの間、地区党を変革し、職場に革命の拠点を、地域にゼネストを組織する闘いに着手しました。とりわけ動労総連合を東北の地につくり出すことに全力を上げてきました。そしてついに、新潟、福島に動労総連合を結成しました。この闘いはJRのみならず、自分たち郵政の職場の闘いとひとつの闘いです。JR外注化、非正規職化、被曝労働反対=常磐線開通阻止の攻防と一体で、分断や団結破壊を打ち破って郵政労働者の闘いの狼煙(のろし)を上げよう。
私たちの職場では、今年4月から一部の配達用の赤バイクに、監視カメラであるドライブレコーダー(以下DR)が設置されました(本紙2690号参照)。そして当局はDRに記録された交通違反をあげつらい、労働者を局長室に呼び出して責め立て、一時停止違反1回で草むしり8時間をペナルティーとしてやらせたのです。
この攻撃に対して私たちが「草むしりでは事故やミスはなくならない! 要員不足が事故の原因だ! 去年、事故を起こして配達現場を外された仲間が辞めていったのは、労働者の誇りを奪った当局の責任だ!」と管理者に抗議したことが決定的でした。おかしいことに「おかしい!」と声を上げることが、職場の正規・非正規の思いをひとつにしたのです。私たちは一人の労働者ではなく、労働組合として監視労働とペナルティー攻撃を問題にしました。「草むしり、おかしいぞ!」の声は、職場の労働者の怒りの声、思いでした。これに管理者は逆ギレし「草むしりは業務命令だ」と言い放ちました。
ペナルティーはやめさせた
しかし職場での決定的な闘いによって、草むしりペナルティーを完全に止めました。局長室への呼び出しも止めました。DRペナルティーはやってはならないこととなったのです。「草むしりは業務命令だ」と言った管理者は、10月に他局へ異動となりました。また、DR付きバイクに乗った職場の仲間たちは、創意工夫をした抵抗をそれぞれでやっていたこともわかりました。
反合理化・安全闘争についての職場での一致した共通の考え方はまだ形成できていません。しかし、労働組合として資本の解雇や合理化攻撃と闘う中で必ずつくり出せると思います。
闘いの中で、私たちが職場で思っていることと、職場で働く圧倒的な仲間が思っていることは同じだということをつかみました。階級的労働運動の旗を立てようとする反合理化・運転保安闘争路線の実践は、労働者の労働を資本当局から奪い返す闘いです。
8月に行われたJP労組支部大会において、地本役員も支部役員も「職場は人が足りないし忙しい。組合活動までやっている時間がない」と言いました。これが職場の「仕方がない現実だ」と言うのです。JP労組執行部は、現場労働者を主体的な存在としてとらえません。資本家から労働と共同性を奪い返す闘いをやる主体として労働者を位置づけず、資本家に依拠しているからです。
集配区の再編もマイナンバー配達も年賀繁忙も、すべて攻撃を丸のみしているJP労組から労働者の分岐をつくり出し、資本と絶対反対で闘う本物の労働組合をつくろう。
(宮城・村上信一)