反戦ストを全国で 京大スト 戦争とめる歴史的行動

週刊『前進』06頁(2704号05面01)(2015/11/02)


反戦ストを全国で
 京大スト 戦争とめる歴史的行動

(写真 早朝、バリケード封鎖した京都大学吉田南1号館前でスト突入を訴えた【10月27日 京都市】)

(写真 昼休み集会に集まった京都大生と全国学生を前にスト成功の勝利宣言を発した)

 10月27日、京都大学同学会中央執行委員会が呼びかけた戦争反対のバリケードストライキが午前6時から正午まで敢行され、昼休みにスト貫徹集会が京大吉田南キャンパスで行われた。集会での斎藤郁真全学連委員長と作部羊平同学会委員長の発言を紹介します。(編集局)

大学の主人公は学生だ!
 全学連委員長 斎藤郁真

 バリケードストライキをやり抜いた仲間のみなさん、そして参加してくれた多くの京大生のみなさん。本日の闘いをやり抜いたことを本当にうれしく思います。
 法政大学では、政治的なビラをまいただけで処分される。私は、その法政大学のあり方に反対して学内で集会を開いたという理由で退学処分になりました。以来、こういう大学のあり方を許すわけにはいかない、そしてこういう大学が基盤となって社会全体がおかしくなっている、そう思って全学連の委員長として活動してきました。
 本日、京都大学同学会が示した決断と行動は歴史的なものです。安倍政権による戦争法が国会で強行採決される中、国会前で本当に多くの人たちが声を上げ、そして悔しい思いをしました。どうすればこの戦争政治を止められるのか。その答えが本日の行動の中に示されています。
 戦争は、安倍政権が勝手にやれるものでも、自衛隊だけでやれるものでもありません。軍事物資の生産や輸送、その研究、そして実際に戦場に行くのも、すべて私たち学生であり、労働者であり、この国で生きる99%の人たちです。本日のストライキは、「この社会の本当の主人公は誰なのか」ということを示しました。
 私は全学連の委員長として、この闘いをすべての大学でやることをめざします。京都大学の学生だけではなく、この闘いを日本全国の大学に広めていくために本当に努力していきたいと思います。東北大学、広島大学、沖縄大学、そして何よりも私の法政大学で、学生自治会をよみがえらせて、戦争協力、軍事研究、戦争を実力で止める。そういうストライキを日本全国で実現していく。そういう運動をつくり上げていきたいと思います。
 11月1日の全国労働者総決起集会は、戦争と貧困に反対し、国境を越えて新しい社会を自分たち自身の行動でつくり上げようとする人たちが集まります。この集会に私たち学生もみんなで集まりましょう。世界の新しい可能性は今、着々とつくられつつあります。
 私たちは大学から、この社会がどうあるべきか、大学の自治とは何なのか、そのことを議論し、もう一度問い返して、必ず全国大学でのストライキをかちとっていきたいと思います。
 ストライキは単なる手段ではありません。ストライキはそれ自体が「誰がこの社会の主人公なのかをはっきりさせる」ことです。その中に新しい社会の可能性がある。
 インドでは、1億5千万人がゼネラルストライキに立ち上がりました。私たち自身が決断すれば、今日この場で起きたようにストライキができるんです。京都大学のみなさん、全国から集まった多くの仲間のみなさん、労働者のみなさん。私たち全学連は今日の闘いを全国に広げて闘い抜きます。11月1日、東京・日比谷の全国労働者総決起集会に集まりましょう。

「静粛な環境」は戦争の道
 京都大学同学会委員長 作部羊平

 みなさん! 私たちは今日、1、2限のバリケードストライキを実際にやり抜いて、私たちが授業を止めようと思えば止められるということがはっきりしました。
 粛々(しゅくしゅく)と授業を受け、単位をとって卒業するだけの先に未来があるのか。就職難や非正規職化、奨学金を返せないから自衛隊に行くしかない、そして戦争動員や軍事研究が大学の中で始まる、こうした現状に対する私たちの回答がこのバリケードストライキです。これを全国、全世界に広めていく。そして私たちの力で社会をつくり上げていく。それが今日の闘いをもって始まったと思います。
 戦争はどうすれば止められるのか。私たちのバリケードは「粛々とした学習環境」を妨害したと言われる。しかし、そのまさに「粛々とした学習環境」で戦争が始まるんです。あの第2次世界大戦において、学生の自治が破壊され、戦争推進の産業報国会がつくられ、誰も声を上げることができないままに戦争が始まり、何千万人も殺されていった。そのことをもう一度考えよう。
 大学の中に公安警察が入り、軍事研究が始まり、「経済的徴兵制」が始まろうとしている。そして安倍が実際に戦争をやろうとしている。私たちは大学当局に対して、何度も何度も「戦争反対」という当たり前の立場を示してくれと要求しました。この必死の思いに対して、当局は何も応えなかったばかりか、話し合うことすらしなかった。「同学会は非公認だから」と申入書も受け付けない。「施設管理権」とか「静粛な学習環境」とかいった支配の論理をもって、ストライキに至った私たちの思いを見ようともしない。この大学のあり方は何なんだ!
 このバリケードストライキが正しかったのか、間違っていたのか。同学会中央執行委員会は、みなさん一人ひとりともう一度討論をしていきたい。3限の授業が始まった今になっても、ここには多くの人が集まっている。僕の訴えを聞いてくれている。多くの学生が真剣に考えている。ここから討論を開始していきましょう。
 次の方針は、すべての講義棟を封鎖する全学ストライキだと思っています。もし授業を受けたいなら先生を呼んで授業をやったらいい。しかし、そこに大学当局が介入して単位で縛りつけ、私たちを戦争に動員していくのは絶対に許せない。これを粉砕するのが全学ストライキです。
 今日のストライキは全国、全世界に発信され、拡大していきます。東北大学もストを準備しています。全世界の労働者、学生は実際ストライキに立ち上がっています。戦争を止めようと必死で闘っている人たちが、11月1日、東京・日比谷に集まります。ここに全学生の参加を呼びかけます。

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