非正規が闘って勝った! 生コン運転手たちの闘いの記録 団結し闘う労働組合の無限の力示した鈴コン

週刊『前進』06頁(2704号03面03)(2015/11/02)


非正規が闘って勝った!
 生コン運転手たちの闘いの記録
 団結し闘う労働組合の無限の力示した鈴コン

(写真 定価:1200円+税 発行:出版最前線)

◆絶望を希望に変える
 安倍による戦争法制定は〈外に向かっての侵略戦争、内に向かっての階級戦争〉の時代の始まりです。安倍は改悪派遣法を施行し、総非正規職化へと突き進んでいます。マスコミはこの時代を「絶望の非正規」(『東洋経済』10月17日号タイトル)と描き、非正規がまるで運命か宿命であるかのようにあおっています。「断じて否」です。
 労働者は、闘えば勝てる! この思いを込めて、東京西部ユニオンは本書を刊行しました。「鈴木コンクリート工業分会の闘いが初めてわかった」「非正規の思いをよく代弁してくれた」など、すでに読まれた方から共感の声が寄せられています。
◆非正規の闘いの教訓
 鈴コン分会は、3カ月雇用契約でモノも言えない生コン運転手の職場を変えるべく結成されました。分会三役が解雇されるも、3年間の解雇撤回の闘いで裁判闘争に勝利し、原職復帰。今年8月、亡くなった田口組合員の解雇無効を認める都労委命令をかちとりました。本書を読めば7年間の闘いが、生き生きとよみがえってきます。
 鈴コン分会の仲間たちは、あるがままの非正規労働者そのものです。鈴コンの職場はどこにでもあるようなひどい環境です。しかし首をかけ、団結して立ち上がった時、無限の可能性を発揮します。労働者自己解放―マルクス主義の神髄が全編に示されています。本書を読み終えた後、「鈴コンのような闘いはどこでもできるし、誰もがやれる」と感じるはずです。
 鈴コン闘争には、分会結成・団体交渉・労働委員会闘争・裁判闘争、36協定をめぐる闘い、分断・分裂との闘いなど、労働組合運動の普遍的教訓がギッシリと詰まっています。本書をめぐって討論・議論をまき起こすならば、合同・一般労組全国協建設運動の強力な力を引き出すはずです。
◆三労組共闘とともに
 鈴コン分会の闘いは日本の労働運動の血と汗の結晶でもあります。鈴コン闘争には常に関西地区生コン支部の存在と闘いがありました。80年代初頭、関生支部の産業別労働運動に対する国家権力の徹底した弾圧により、東京の生コン労働運動は消滅。09年の分会結成は、この大弾圧を打ち破る生コン運転手のうっ積した怒りの爆発そのものでした。
 三役解雇後の厳しい局面においても、30年間にわたる国鉄1047名闘争の教訓がいかんなく発揮されました。国鉄と鈴コンが一心同体で裁判所を圧倒し、東京地裁・白石判決(12年)を出させました。関生支部の物心両面にわたる連帯は、鈴コン支援共闘を拡大する起爆剤になりました。
 生コン労働者の荒々しい闘いと4・9政治和解を拒否して闘う国鉄闘争が結合し、ともに共鳴しあいながら、分裂攻撃や解雇攻撃などの資本の攻撃をはね返しました。そして、ついに正面から「勝った」と言える地平へ到達したのです。
◆韓国ゼネストに続く
 闘いはこれからです。鈴コン分会は、10・17ストをもって、新たな闘いを開始しました。会社は都労委命令を履行せよ! ストの持つ迫力が、会社を圧倒し、力関係を激変させています。ストライキのできる労働組合を全国に建設する挑戦をしましょう。ぜひ本書を活用してください。B6判256㌻。合同・一般労組全国協加盟の労働組合でも取り扱っています。
(東京西部ユニオン・日下部健)
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