橋下が市職員2人を分限免職 解雇撤回へ全力で闘おう
週刊『前進』06頁(2703号05面04)(2015/10/26)
橋下が市職員2人を分限免職
解雇撤回へ全力で闘おう
9月30日、大阪市長・橋下徹は「能力不足」を口実に2人の仲間を解雇し、1人を降格しました。絶対に許すことはできません。これは全員に向かう解雇攻撃です。
追いつめられたのは橋下だ
職場では解雇への怒りがあふれる一方、「解雇された本人に問題があったのではないか」という議論もあります。しかし、解雇で何が解決するというのでしょうか? そもそも、職場が極端な要員不足や過重労働に追い込まれ、フォローしあう余裕も奪われているから、仲間であるはずの同僚に対して怒りが向いてしまうのです。この状況をつくりだしたのは橋下です。この4年間、橋下がやってきたことは何か。要員の大幅減、民営化・外注化、重処分、公募区長に公募校長など、現場を良くするどころか破壊することばかりやってきました。橋下の本当の狙いは「道州制」で自治体の労働組合と団結を根絶して労働者のほとんどを非正規職にたたきこむことにあります。2人への解雇はその攻撃の一環なのです。
橋下は今、崖っぷちに追い詰められています。若者が戦争法の採決強行に対して続々と国会前に集まり、そこに自治体労働者や教育労働者も結集し、全日建運輸連帯労組関西生コン支部や全港湾、動労千葉などがストライキを闘いました。橋下の労働組合解体攻撃が破綻した瞬間です。
橋下が維新の党を離党し、「おおさか維新の会」の結成で党の分裂を策しているのは、もう一度大阪市役所の労働組合つぶしに向かわざるを得なくなったからです。11月22日の府市ダブル選挙を前にして、解雇された2人は橋下の政治活動の餌食にされたのです。絶対に許せません。
11月選挙は、維新と自民が「都構想か総合区か」という対決を演出し、さらに共産党が自民党の候補を支援して労働組合絶滅攻撃として構えられようとしています。
しかし、そもそも橋下は現場労働者の絶対反対の闘いに追い詰められて何度も大阪市役所から逃げ出そうとした上に、5月の住民投票で敗北したのです。その根底には国鉄分割・民営化以来の労働組合つぶしに対する絶対反対の闘いの継続があります。そして橋下には「不当労働行為市長」の烙印(らくいん)がおされました。われわれは国鉄闘争と一体で闘って勝ってきたのです。この解雇攻撃に断固反撃し、橋下にとどめをさそう!
原則貫き闘う労働組合を!
今回の2人の解雇は、「評価制度反対」から「評価制度の確立」へと方針転換し、「指導研修制度」に対してまったく無方針という大阪市職本部の屈服によって引き出されています。労働者の相互批判は団結を生むことがありますが、評価制度のもとで「あいつのクビを切れ、賃金を下げろ」と言い合うことは分断しか生み出さないし、結局自分たちの首を絞めることになるのです。労働組合はやはり原則を貫くことでしか勝てないことがはっきりしました。
今一度考えなければならないのは、「労働とは何か」ということです。人間とは、生まれてから死ぬまで団結して生きる存在です。互いの足りない部分を補い合って労働し、この社会のすべてをつくりだしてきました。そこに「個人の能力」という物差しを持ち出してクビを切るということは「労働の破壊」「社会の破壊」にほかならないのです。ミスや事故に対して「一切の責任は当局にある」と労働組合が団結することが問われています。「能力が低いから解雇」など責任転嫁も甚だしい!
次の11月ダブル選挙を前にして大阪の労働者は今、方針を求めています。その方針は「自民党支持」「総合区推進」では絶対にない! ストライキで闘う労働組合と本物の労働者党をつくりだすことです。11・1労働者集会の1万人結集で、怒れる労働者階級に回答を示そう!
(大阪市職員組合員・A)