西郡国賠闘争 人間のすることか! 島瀬さんが強制執行を弾劾

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週刊『前進』08頁(2702号06面03)(2015/10/19)


西郡国賠闘争
 人間のすることか!
 島瀬さんが強制執行を弾劾

(写真 裁判後、総括集会【9日 大阪】)


 西郡国賠闘争の第2回裁判が10月9日、大阪地裁第16民事部(森木田邦裕裁判長)で、京都、高槻、奈良の仲間、物販で関西に来ていた動労千葉の中村仁さんも参加して闘われた。
 89歳の気迫のこもった島瀨とよ子さんの意見陳述と傍聴団、弁護団が一つになり、国、裁判所を圧倒した。
 「一昨年に亡くなった息子・大北昌和の闘いを私が引き継いで闘っています」「8月26日、裁判所・八尾市・警察・荷物を運び出す業者ら50人ほどがぞろぞろとやって来ました」「私は『これが人間のすることか。顔を洗って出直してこい』と言ってやりました」
 島瀬さんの力強い陳述に傍聴席から「異議なし」の声と拍手がまき起こる。
 「強制執行から1年余り。国や八尾市は住宅から追い出して8家族を脅かせば、何とかなると思っていたかも知れませんが、何の効果もありません。こんなめちゃくちゃな強制執行は、青年を生きていけなくして戦争にひっぱり出す安倍首相の戦争法のゴリ押しと同じです。この仇(かたき)は絶対取ります。何があっても私たち8家族は後に下がることはしません。全国水平同盟西郡支部長の久原さんを先頭に国賠闘争で国や八尾市・裁判所を追いつめ、前へ前へと進んでいきます」
 裁判長は、5分の制限を超えて15分余り陳述する島瀬さんに圧倒され、何も言えなかった。
 8家族は訴状で、大阪地裁判決が理由も説明せずに住宅追い出しの仮執行宣言を付けた違法性、裁判官の「害意」(悪意)を問題にした。ところが国側は、仮執行宣言を付けた理由を説明せず「裁判に、是正されるべき瑕疵(かし=間違い)が存在し、違法な行為があったとしても国の損害賠償の責任はない」(答弁書)と開き直った。
 この態度に弁護団は怒りを爆発させ、「なぜ仮執行を付けたのか裁判官には判決に明示する義務があった。それがない以上、国は説明する義務がある」と国の責任を徹底追及した。裁判長も、仮執行を付けた理由の説明を拒否する国の不誠実な態度に、「仮執行を付けた理由について次回までに答えなさい」と言わざる得なかった。
 これは、前回裁判で、裁判長が佃文弘君(西郡支部青年部長)の意見陳述を制限しようとしたことに8家族と傍聴団が激しく抗議し粉砕した闘いが切り開いた勝利だ。
 国賠闘争は、人の生存にかかわる住宅から問答無用で追い出す国のあり方を根本から問う闘いとして発展している。全国で住宅追い出し、首切り・非正規職化に追い込まれている同じ境遇の労働者に、「国や行政に対し、〝生きさせろ!〟の闘いに立ち上がろう」と呼びかける号砲だ。
 国をひっくり返してすべてを奪い返そう。一切を11・1労働者総決起集会1万人結集にかけ、全力で闘おう。
(全国水平同盟西郡支部・植村清)

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西郡国賠闘争 大阪府八尾市西郡住宅の8家族が、強制執行による住宅からの追い出しに対し国家賠償請求訴訟で国と行政の責任を追及する闘い。八尾市が8家族を訴えた裁判の14年1月の一審判決は仮執行宣言を付け、8月に強制執行。9月の二審判決は仮執行宣言を取り消した。

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