焦点 共産党「国民連合政府」の正体 ゼネストと革命の圧殺狙う

週刊『前進』06頁(2701号05面02)(2015/10/12)


焦点
 共産党「国民連合政府」の正体
 ゼネストと革命の圧殺狙う


●「階級協調」は戦争への道だ
 日本共産党は9月19日、「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府の実現を呼びかけます」という提案文書を発表し、あわせて志位委員長が記者会見を行った。その内容は「すべての政党・団体・個人が......政治的立場の違いを乗り越えて力をあわせ」、衆参両院選での選挙協力によって戦争法廃止派で多数を獲得し、「国会で廃止の議決を行おう」というものである。
 まるで日本共産党が戦争法廃止の先頭に立っているかのごとき振る舞いだが、その中身は労働者階級の闘いに真っ向から敵対し、1930年代のスターリン主義の裏切りを再び繰り返すものである。革命を圧殺し帝国主義の戦争に屈服・協力していく、断じて許せない代物だ。日本共産党は「戦争法許すな!安倍倒せ!」の闘いの空前の大高揚、革命的情勢の到来に反革命スターリン主義として恐怖し、労働者階級の闘いがゼネスト―革命に発展することを全力で阻止しようとしているのである。
 第一に、全文約2800字の「呼びかけ」には「労働者、労働者階級、労働組合、労働運動、ストライキ、デモ」という言葉が、ただのひとつも登場しない。日本共産党が最も恐れているものだ。ここに「提案」の反動性が集中的に表れている。
 第二に、「国民連合」という言葉に示される愛国主義、階級協調の思想の反動性である。これは、戦争法を廃止するどころか労働者階級を戦争に引きずり込むものである。志位委員長は街頭演説で「オールジャパンで世直しを」とか、「日米安保破棄は留保・凍結」「天皇制とは共存。心配いらない」(10月3日付日経新聞)と語っている。これは労働者階級と資本家階級の非和解的対立や、現に職場で激しく闘われている階級闘争を否定し、〝労働者は資本家と闘うな。日本国民として一つになって日本を救え〟という主張である。戦争の危機が迫れば、「日本の国家・国益・国民を守れ」という日帝・安倍政権の戦争(侵略戦争)に積極的に協力し加担していくものだ。
 資本主義国家の戦争は、一握りの資本家階級の利益のために労働者階級・兵士を殺し合わせるものだ。日本共産党の主張は、この国家と戦争の階級的性格をあいまいにし、「オールジャパン」=階級協調を呼びかけることで労働者人民を戦争に引き込むものだ。
 第三に、ブルジョア民主主義、議会主義を絶対化し、これに全面的に屈服している。議会とは資本家階級による支配の道具である。低賃金労働者や非正規労働者の代表は議会から排除されている。ところが日本共産党は「立憲主義と民主主義、法の支配を取り戻そう」などとブルジョア議会を超階級的な機関として神聖化・絶対化し、労働者の闘いをこの枠の中に抑え込もうとしている。日本共産党が無条件で美化する「立憲主義」とは、労働者階級の革命権を否定するものである。「立憲主義」が戦争の歯止めにならないことは、明治憲法のもとで日帝が侵略戦争に突き進んでいった歴史を見れば明らかだ。
 第四に、選挙協力の超反動性である。日本共産党は来年夏の参院選で、協力合意のできた他政党、たとえば民主党などと統一候補を立てるか、あるいは選挙区によっては民主党などの候補者を推すとしている。
 09年から3年間、民主党政権がどれほど労働者人民を裏切り、踏みにじった揚げ句に大破産したことか。労働者階級はすでに体験済みだ。つい先日も、民主党と維新の党が「国家公務員賃金の2割削減」を来年参院選の共通公約にすることで合意したばかりだ! こんな反人民的な政党との協力で、一体何が前進するというのか!
●30年代「人民戦線」の反革命
 第五に、これは1930年代にスターリン主義が主導した「人民戦線」の現代版であり、大恐慌と戦争の時代にプロレタリア革命の前進に襲いかかるものである。さきの国会闘争で日共がシールズや警察と一緒になって「革命派排除」を策動したことはその始まりである。
 戦争を阻む唯一の道は、国境をこえた労働者の国際的団結とゼネストを実現することだ。その闘いは力強く前進している。これこそ、安倍政権と日本共産党への革命的回答だ。

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