第2の郵政民営化許すな 11・1全国労働者集会に大結集し株式上場=総非正規職化を阻もう 革共同全逓委員会

週刊『前進』06頁(2701号03面04)(2015/10/12)


第2の郵政民営化許すな
 11・1全国労働者集会に大結集し株式上場=総非正規職化を阻もう
 革共同全逓委員会


 郵政民営化から8年、郵政職場は要員不足が深刻化し、郵便物の配達にも支障が出るほどだ。郵政民営化は完全に破綻した。11月4日に予定されている郵政3社の同時株式上場は、労働者を犠牲にすることで破綻をのりきろうとする「第2の郵政民営化」攻撃だ。全国の郵政労働者は11・1労働者集会に結集し、株式上場を粉砕しよう。

国会前と職場での闘争を一体で闘った

 8〜9月、安倍政権の戦争法攻撃に対し労働者人民は歴史的な闘いに立ち上がった。自らの人生と未来をかけ、100万人が国会前と全国で実力決起した。青年労働者と全学連はその先頭に立ち、〝ゼネストと国際連帯で戦争を阻止しよう〟と訴え、不当逮捕をはね返して闘いぬいた。
 郵政をはじめとする全国労組交流センターの労働者は国会前と職場の闘いを一体で闘いぬいた。そこでつかんだことは、労働者人民の「戦争法絶対反対!」「安倍辞めろ!」の怒りの行動が巨大な闘いをつくり出したということだ。大恐慌と戦争の時代への突入の中で、労働者階級が闘いの主体として立ち上がった。一人の闘いがもう一人の決起となり、団結が拡大し、100万人の闘いとなった。60年、70年を超えて、文字どおりの革命的決起が万余の労働者人民の実力行動として打ちぬかれた。
 法案が成立しても「闘いはこれからだ!」というのが労働者人民の声であり、次の闘いの方針を切実に待ち望んでいる。これに震え上がった国家権力・警視庁公安による全学連と革共同へのデッチあげ弾圧は、スパイ化攻撃という権力の不正義性を全社会的に明らかにし、全人民の怒りを解き放つだけだ。
 動労千葉―動労総連合は国会闘争の先頭に立つとともに、「戦争法絶対反対」「外注化阻止」「被曝労働拒否・帰還強制反対」を掲げストライキに立ち上がった。9月12日に動労連帯高崎、28日に動労水戸、そして10月1日に動労千葉がストライキを打ちぬいた。
 また米日帝の朝鮮侵略戦争の切迫情勢下、韓国民主労総は9月23日、パククネ政権による解雇と賃下げ・総非正規職化の攻撃に全国で5万人がストライキに立ち上がった。ソウルでは1万5千人がデモに決起した。

大恐慌で安倍政権の株上場破産は必至だ

 11月4日、日本郵政(親会社)と子会社であるゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社の同時株式上場が行われる。「親子同時上場」とは「詐欺的行為も可能」なことからあってはならないことであり、実際に東京証券取引所発足以来初めてのことだ。今回の上場は、東証関係者が「政界の圧力に屈した」と嘆くほど、あからさまな安倍の介入によって行われるものだ。破綻は必至だ。上海株バブルの崩壊=「中国ショック」は大恐慌を本格化させつつある。アベノミクスも完全に破産し、国家財政の破綻、日帝経済の破局は不可避だ。その中で郵政株式上場の破産は目に見えている。
 ゆうちょ銀行・かんぽ生命の資金は労働者人民が汗にまみれて自分たちの生活のために蓄えたものだ。それを株式上場し、「1%」の支配階級=資本家どもが盗もうというのだ。絶対に許すことはできない。
 2007年の郵政民営化以降、郵政職場で進んだことは、非正規職化・要員不足の深刻化であり、労働者はその犠牲にされてきた。初代社長・西川善文はゆうパックと日通ペリカン便の統合=JPEXの失敗と1千億円を超える赤字。2代目の齋藤次郎は「赤字解消のため」と4万人の非正規労働者の雇い止め解雇と正規労働者のボーナス削減。両者とも経営責任を放棄し、高額の退職金を手に逃亡した。

鉄道に続いて海外展開の破産も不可避

 この民営化の破綻の上に、安倍の懇願(こんがん)で社長の座についたのが西室泰三だ。西室は安倍政権の意向に沿って株式上場し、海外戦略と徹底した合理化・総非正規職化・賃金引き下げ・労働強化で危機を打開しようと狙っている。
 西室が株式上場のために打ち出したのが「中期経営計画~新郵政ネットワーク創造プラン2017~」だ。これは、JRが鉄道事業を投げ捨てて「エキナカ」で利益を上げようとしているのと同様、郵便事業を放り出し、「不動産活用」なるものでもうけを画策している。その上で特に重大なのは、JRと同様、海外戦略での延命をたくらんでいることだ。アジア企業の買収で安倍政権を支え、アジア市場で日帝の生き残りを策しているということだ。日帝の基軸資本として、葛西敬之(JR東海名誉会長)とともに西室・日本郵政が日帝の危機を救い安倍の戦争政治に積極的に加担しようとしている。
 だが、争闘戦の敗北で日帝の新幹線輸出戦略が頓挫(とんざ)したのと同様、郵政の海外戦略も破綻は不可避だ。西室は海外戦略の突破口として今年5月、オーストラリアの物流会社・トール社を買収し、国際物流に乗り出そうとしている。だが、国際物流は米物流大手UPSなど3強がほぼ制圧しており、敗退を免れることはできない。
 結局、西室の攻撃の核心は子会社化・外注化、非正規職化を極限的に進め、すべての矛盾を現場労働者に押し付け、危機をのりきることだ。
 そもそも郵政においては民営化後の8年間で、日本郵政グループ全体で正社員23万人に対し非正規労働者は20万人、非正規率は約5割だ。全産別の平均38%という、断じて許せない実態さえ上回っている。さらに郵便事業に限れば正社員9万8千人に対し非正規労働者14万人、非正規率は約6割となっている。この職場の現実が民営化そのものだ。
 その上に、株式上場で郵便内務労働者を削減し、日本郵便会社(郵便事業)を中心に正社員を非正規労働者に置き換えて総非正規職化を推進しようとしている。それはさらなる労働強化と賃金引き下げであり、職場の団結を破壊し、労働組合の解体を狙うものだ。許すことはできない!

反合・安全闘争で拠点職場を全国につくる

 今回の株式上場にもろ手をあげて賛成しているのがJP労組本部だ。本部はJPEXの統合の際も出向を認め、あげくの果ては大破産の片棒をかついだ。非正規職化の推進、新人事・給与制度と新一般職導入での賃金引き下げに協力してきたのが、企業防衛主義と労資一体のJP労組本部だ。
 今こそJP労組本部の支配を打ち破り、職場の団結をつくり出そう。超勤の常態化やパワハラなど職場の耐え難い現状と安倍政権の戦争攻撃に、郵政職場においても怒りが充満している。8〜9月国会前では、戦争法案に怒り立ち上がった多くの郵政労働者との出会いが実現した。
 とりわけ、非正規職が多数を占める郵政職場において非正規労働者の組織化が重要だ。非正規労働者は日々郵便事業を中軸で担い支えている。非正規労働者は〝救済の対象〟などではなく、資本と闘い新自由主義を打ち倒していく誇りある主体だ。郵政非正規ユニオンや各地の合同労組とも連携し、非正規労働者の組織化を全力で進めよう。5年目の闘いに入った郵政非正規ユニオンの本格的発展を実現しよう。
 職場ビラの粘り強い配布活動を土台に、『前進』読者を拡大し定期購読者に組織し、読者会の開催に結び付けよう。全国に動労総連合をつくる先頭に郵政労働者が立とう。それと一体で、外注化・子会社化阻止・非正規職撤廃、反合理化・安全闘争を職場で闘い、ストライキで闘う拠点職場を全国につくり出そう。
 郵政の株式上場を打ち砕き、安倍政権の戦争への突進を阻止するために、すべての郵政労働者は11月労働者集会に総結集しよう!

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