11・1日比谷野音に1万人集めよう 動労千葉田中委員長が訴える 闘いはまさにこれから 今年の11月は本当の勝負

週刊『前進』06頁(2701号02面01)(2015/10/12)


11・1日比谷野音に1万人集めよう
 動労千葉田中委員長が訴える
 闘いはまさにこれから
 今年の11月は本当の勝負

 11・1労働者集会まであと3週間を切りました。動労千葉の田中康宏委員長が行った9月24日の11・1集会第2回実行委員会での提起と10月3日の東京西部国鉄集会での講演の要旨を紹介します。この提起を実践に移し1万人結集をなんとしても実現しましょう。(編集局)

怒りの声を結集し勝てる存在として歴史に登場しよう

 今年こそ11月集会1万人結集を実現し、この時代に勝てる存在として登場したいと思います。ようやく時は満ちました。怒りの声を結集する本当の勝負が始まります。
 戦争法案が通っても「闘いはこれからだ」と皆、思っています。これはかつてない情勢です。歴史が動き始めました。何よりも労働者の意識、価値観が変わろうとしている。戦争法の強行が留め金を全部外した。もう生きていけない社会の崩壊的現実が、すべての留め金を外しています。
 敵の側もそれは分かっているけれど、資本主義の危機をのりきるためにはこの道を突き進む以外にない。だから、人民の闘いを法律とか国会の枠内に抑え込む仕掛けをいっぱいつくっている。それが「過激派」宣伝であったり、「立憲主義の危機」という宣伝です。これは闘争を階級闘争にさせない反動です。
 この前テレビで、池上彰が「明治憲法と今の憲法とひとつだけ共通点がある。それは立憲主義だ」と言っていた。これを聞いて、立憲主義なるものが戦争を止めた歴史は一度もないことがよく分かりました。立憲主義と言った途端に、労働者一人ひとりの団結した力は、どこかに行ってしまう。結局、国会前に集まった怒りの声は、せいぜい「戦争法案を推進した議員を落選させよう」ということにしかならない。労働者一人ひとりの力が、選挙の一票でしかなくなってしまう。こういうところに流し込もうとしているのだとよく分かりました。
 階級的労働運動の力ある発展は、こうしたものとの激しい党派闘争によってしか生まれません。警察権力は、国会闘争の最先頭に立っていた全学連の仲間4人を不当逮捕した。こうした弾圧と対決し粉砕してこそ、実力闘争の思想は復権します。すでに、こうした反動を突き破って闘いが進み始めているのが、国会前の現実だと思います。
 戦争法は通ったが、何も終わっていません。数十万、数百万の労働者・学生が「次は何か」と待ち望んでいます。「次は何か」への回答は、「歴史をつくるのは労働者階級、労働者一人ひとりの力だ」「労働者の力を労働組合の復権を通して実現する」ということです。闘いを議会内だけに押し込もうとしていることに対して、「どうもいかがわしいぞ」と思っている人たちはいっぱいいる。「俺たちは国会闘争で本当に解放された気持ちになって自分たちの力を示したじゃないか」と皆、思っている。そういう声を11月集会に結集させたい。
 労働運動の後退の中で沈黙させられていた労働者・学生が、四十数年ぶりに実力を示し始めました。国鉄分割・民営化以来、日本の階級闘争は封じ込められてきました。実力闘争や「労働者は社会の主人公」ということに未来を見いだせない思想を植えつけられてきました。それが突き破られて、労働者が社会の本質に気づき始めた。
 問題は私たちです。労働者は何らかの行動、経験によってものごとの本質をつかみます。私たちが訴えてきた階級的労働運動の復権を、膨大な労働者が経験を通して「これが正しい」とつかんだ時に、歴史は動きます。
 戦争法が通っても闘いは終わっていない。国鉄闘争では、上告棄却でも闘いは終わっていない。時代の本質がそうさせています。

国鉄分割・民営化と30年間闘いぬいて今の情勢つくった

 国鉄1047名解雇撤回闘争は、法律的には最終判断が最高裁で6月30日に出て、普通なら「闘いはこれで終わり」となるけれど、動労千葉の組合員は誰しも「闘いはこれからだ」と思っています。社会が崩壊している現実そのものが「何も終わってない。俺たちが生きることができない現実は何も変わっていない。全部これからだ」という気持ちにさせています。
 今の情勢をつくった土台に、国鉄分割・民営化と30年闘ってきた私たちの闘いがあります。最高裁の上告棄却は、「国鉄闘争の継続はもう絶対に許さない」という攻撃です。これは国家権力の意思です。分割・民営化当時の首相・中曽根は「行革、国鉄分割・民営化でお座敷をきれいにして、立派な憲法を安置する」と言った。「社会が活力を取り戻し、労働者が豊かになるためには、全部民営化して競争させることが唯一の方法だ。小さな政府、活力ある社会」と言った。だから労働組合を再編し破壊する、つまり総評を解散させて連合を結成するということだったんです。
 この戦後最大の労働運動解体攻撃に対して動労千葉は真正面から闘って、労働組合の団結を維持できることを示してきました。そして、ぎりぎりのところで労働者の権利を守りぬいた。国鉄分割・民営化を過去の問題にさせなかったことが、一番大きかったと思います。こうして連合の完成を阻み、労働運動の崩壊を食い止めてきました。
 その結果、敵の側は新自由主義の崩壊過程に入ってからでなければ戦争・改憲に着手できないところに追い込まれた。

(写真 動労千葉は外注化阻止・出向延長弾劾を掲げストを貫徹した【10月1日 幕張車両センター前】)

国鉄闘争は新たな段階に

 国鉄分割・民営化の根幹にあたる部分が不当労働行為だったと最高裁に認めさせたことは、決定的だと思います。国鉄分割・民営化が戦後最大の労働運動解体攻撃になったのは、それが採用問題だったからです。それまでは、企業が実質的に変わらないで新会社に移行した時には、雇用を継承するのは当たり前でした。ところがそれを断ち切り、新規採用なんだから誰を採用しようが企業側の勝手だという形に、法律上してしまった。こういうやり方でやられたら、抵抗したら全員クビになると、他の組合は震え上がったわけです。
 9月9日に、「最高裁で不当労働行為が確定したのだから、採用手続きをやり直せ」とJR東日本に申し入れました。この申し入れは、全支部で綿密にオルグをした上で行いました。これは新しい闘いだと理解してほしかったからです。JRは申入書の受け取りを拒否するかと思ったけれど、受け取った。

外注化を打ち破る闘いは新自由主義の核心部との対決

 そういう力関係を私たちはつくっています。国鉄闘争は新しい段階に入りました。
 10月1日から2日の朝9時まで、動労千葉は外注化阻止・非正規職化粉砕のストライキを貫徹しました。これは動労千葉にとって大きな意味を持つストライキでした。車両の検査・修繕部門の外注化が3年前に強行され、組合員四十数人が下請け会社に強制出向させられました。出向の期限は3年間で、その期限が今年の10月1日でした。だけど外注先が独立して業務をやる体制はできていませんから、出向延長、つまり事実上の転籍を通告された。これへの抗議のストでした。10・1ストで多くの組合員が「外注化は絶対粉砕できる」という確信をつかみました。
 外注化で労働者を非正規職に突き落とす攻撃と闘えなかったら労働組合の存在価値はないという一念で十数年闘ってきて、3年前に外注化が強行され、現場はものすごく苦しみました。
 だけど、去年ぐらいから展望が見えてきた。外注化を本当に粉砕して闘いぬいた結果、それを見ていた下請け会社の労働者が動労千葉を本気で信頼してくれた。その過程で、私たちもJR本体のことだけではなくて、グループ会社の労働条件などに本気になって取り組み始めた。そして、まだ十数人ですが、下請け会社の労働者が動労千葉に加入してくれました。
 今、JRは1日に50万人が乗降する秋葉原駅を丸ごと外注化しようとしています。千葉では百数十駅のうち直営は50駅くらいです。あと1〜2年で別会社にし、雇用のあり方、資本のあり方のすべてを変える。これまでの次元を超えた外注化が進もうとしています。
 外注化阻止・非正規職撤廃は、新自由主義の核心を打ち砕く闘いです。9月28日には動労水戸もストに立ちました。

動労総連合を全国につくる

 JRの外注化攻撃に他労組は何も声を上げていません。その中で、動労総連合は、全体の怒りに火をつけるためにストを打ちぬきました。
 私たちがこの間、「動労総連合を全国に」と言っているのも、国鉄闘争の当事者である私たちがまず、これまでのあり方を脱却しなければならないと思ったからです。国労共闘の仲間は、身を切る思いで国労と決別しました。何十年も国労再生で闘ってきて、人生そのものが国労再生だったけれど、この時代に勝負すると決断し、動労総連合に結集しました。
 各地で動労総連合結成集会が感動的にかちとられています。時代とかみ合う、一人ひとりの決然たる決起が始まっています。動労千葉もこれまでのあり方を脱却して、階級的労働運動の再生にかけたいと思います。

国際連帯の発展で朝鮮半島での戦争絶対に阻止しよう

 9月23日、民主労総はゼネストを前倒しにして闘いに立ちました。韓国の闘いも新段階に入っています。
 その直前、韓国労総は政労使委員会に入り、パククネの進める労働市場構造改革を全部のむ歴史的裏切りを演じました。しかし、それを決める中央執行委員会で、反対する金属労連の委員長が焚身(ふんしん)抗議をした。パククネの攻撃は民主労総をつぶすためですが、起きたのは韓国労総の分裂でした。これは歴史にないことです。22日の闘争本部の宣言は「集まろうソウルへ、行こう青瓦台へ、ひっくり返そう世の中を」と言っています。国家保安法がある中で、革命のスローガンを掲げている。
 国際連帯は大きく発展しています。民主労総ソウル地域本部だけでなく鉄道労組ソウル地本や公務員労組の代表も11・1集会に参加します。ドイツ、スイス、トルコ、アメリカからも労働者が結集しようとしています。
 戦争が切迫しています。その焦点は東アジア、朝鮮半島です。その時に、労働者が国際的に団結して闘うことができたら戦争を阻止できます。その闘いを実現できる条件を私たちはつくってきた。問題は私たちにまだ力が足りないことだけです。労働組合が本当に力を取り戻したら、その闘いを実現できる。だから今度の11月集会は絶対に勝負です。

数週間で情勢変える闘いを

 11月集会の課題の一つ目は、ストライキで階級的労働運動を発展させゼネストで戦争を阻止する出発点を築くことです。
 二つ目は、最高裁の上告棄却に対し、断固、国鉄闘争の旗を掲げ続けると宣言することです。
 第三に、戦争を止めるための絶対不可欠の課題として、国際連帯をさらに発展させることです。
 11・1までの数週間、私たち自身の力で情勢を塗り替え、1万人の結集をなんとしても実現しましょう。

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