知る・考える 用語解説 「領土問題」/JR総連
週刊『前進』06頁(2700号05面04)(2015/10/05)
知る・考える 用語解説
「領土問題」/JR総連
「領土問題」-帝国主義が戦争あおる手段
「領土」とは、支配階級とその政府が国家間の対立を意図的につくりだし、労働者人民を戦争に動員する手段である。そもそも国際的に単一の階級である労働者階級には「祖国」も「国境」も「固有の領土」も存在しない。今日、地球上に引かれている「国境線」は、ブルジョア民族国家の形成以来、その土地に住む住民の意思とはほとんど無関係に、帝国主義やスターリン主義の国家によって得手勝手に作られたものにすぎない。
「わが国固有の領土を外国の侵略から守れ」という大宣伝は、帝国主義が労働者人民の間に排外主義をあおり、他民族への敵意を植え付け、その果てに市場・資源・勢力圏を分捕り合う戦争に労働者人民を動員しようと狙うものだ。今日、安倍政権は釣魚島(尖閣列島)および独島(竹島)の領有をめぐって中国、韓国との対立をあおり、それを利用して戦争・改憲を推し進めようとしている。だが釣魚島や独島は、戦前の日帝が日清戦争、日露戦争を通じてそれぞれ1895年、1905年に一方的に閣議決定して「日本の領土」と決め付けたもので、侵略戦争で強奪した「領土」である。
今日の戦争情勢下で、日帝・安倍と口をそろえて「日本の領土を守れ」と叫ぶ日本共産党のような立場は、安倍の戦争政治を後押しするものでしかない。
JR総連-国鉄分割・民営化の最先兵
1987年の国鉄分割・民営化を当時の中曽根政権と一体となって推進する中で誕生し、その後はJR資本の手先として存在し続けてきた、「労働組合」とは名ばかりのファシスト組合。87年当時、動労本部を握っていたカクマル最高幹部の松崎明が中心となって、御用組合の鉄労などとともに鉄道労連を結成し、JR発足後にJR総連となった。カクマル松崎は、職場での陰湿な脅しと暴力で40万人いた国鉄労働者の半分を退職に追い込み、200人の自殺者まで出した張本人である。国鉄からJRへの移行過程では分割・民営化に反対する動労千葉や国労の組合員の「首を切れ」と公然と要求し、JR採用名簿に載っていた組合員を名簿から削除させることまでした。動労千葉の闘いで、その不当労働行為性は確定した。JR発足後は資本の合理化、外注化・非正規職化に全面協力し、労働者の分断と団結破壊に手を貸してきた。JRのすさまじい安全崩壊は、JR資本とともに、資本のやりたい放題を支えたJR総連に最大の責任がある。
だが今や、動労千葉や動労水戸、動労総連合の闘いがJR資本とJR総連による労働者支配体制を突き崩し、JR総連は資本による使い捨ての危機の中で内部抗争を始めた。現場労働者の怒りでファシスト組合を最後的に葬り去る時だ。