権力の手先=岸宏一らによる三里塚闘争破壊を許さない 脱落派と一坪再共有化を全面賛美
週刊『前進』06頁(2700号05面03)(2015/10/05)
権力の手先=岸宏一らによる三里塚闘争破壊を許さない
脱落派と一坪再共有化を全面賛美
この夏、岸宏一、水谷保孝、藤本芳樹ら反革命スパイ分子が三里塚現地に潜入し、闘争破壊を試みた(本紙2696号参照)。満腔(まんこう)の怒りで弾劾する。このとき彼らが持参した反革命本『革共同政治局の敗北』は、全編が彼らの反革命的な変節と腐敗、権力のスパイへの転落の現状をつづったものだが、とりわけ三里塚闘争の83年「3・8分裂」を語った箇所は許しがたい。
3・8分裂をめぐる大変節
3・8分裂は三里塚闘争の路線をめぐる選択だった。80年代に本格化した新自由主義攻撃の重大な環、成田空港二期工事を前にして三里塚闘争は、農地死守を貫き勝利するまで徹底的に闘うのか、空港建設と妥協し共存共生していくのかという路線選択を巡り鋭く対立した。後者を主張する連中は農地を金に換える「一坪再共有化運動」を強行し分裂・脱落した。岸は反革命本で言う。「一坪再共有化を担おうとする人たちは、土地登記という形で三里塚闘争支援の意志をもつ人たちである」「土地を売り飛ばすうんぬんは、三里塚闘争をたたかう人たちを信用していないということ」「批判のための批判という自覚は当時からあった」
なんという言い草か。岸は、一坪再共有化は革共同による三里塚闘争の「政治的利用主義」に反対する農民のやむにやまれぬ行動だったと描く。当時の自分の立場を百八十度ひっくり返して、一坪再共有化は正しかったなどと言い始めたのだ。
しかし誰がなんと言おうと一坪再共有化は農地を売って金に換える運動だ。「大地共有委員会」は当時、1坪を10口に分筆し、1口1万円で何百、何千人に共有してもらい、1億円で共有地に憩いのコミュニティをつくるなどと幻想をあおっていた。「面積を分けるのではなく、支持の厚みを分ける」などとへ理屈をこねていたが、一坪再共有化は農地死守の原則への完全な裏切りだ。
農地死守闘争に全面的敵対
岸は分裂について言う。「『最後まで反対闘争を続ける側』にたいする『農民の生活と営農の主体性を軸に三里塚闘争の転換を検討する側』からの分裂である。……革共同による闘争だけの押し付けに反対し、天神峰反対同盟と革共同を運動から排除するための方針であった」「一坪再共有化運動と3・8分裂の根底にある問題は、革共同が一九七八年以来、政治課題の第一に三里塚闘争をすえ、農民の生活の視点に立たずに『絶対反対』を押しつけたことである」これは、石井新二や相川勝重(現芝山町長)ら脱落派の当時の主張そのものだ。岸は反対同盟から脱落した彼らの側が正しかったと今になって言っているのだ。
だがどちらが正しいかは明らかだ。一坪再共有化で農地を切り売りした脱落派は闘争をやめ、成田市とNAA(成田空港会社)の手先になり下がっている。一坪共有地もその多くがNAAに買収されている。
他方、市東家、萩原家は、農地を耕し、作物を実らせ、生きる糧を作り出して、法と暴力による農地強奪を阻んでいる。「農地死守」とはそういうことなのだ。
市東さんが天神峰で耕す畑の地籍はただの一件、しかも賃借権=耕作権のみだ。しかし市東家がそこに生き、作物が青々と茂るかぎり、その農地をNAAも国も裁判所も取り上げることができない。三里塚闘争50年の大義がここにある。
岸よ。「最後まで反対闘争を続ける側」とはよく言った。萩原家、市東家に対する最大級の愚弄(ぐろう)ではないか。
三里塚現闘の同志を侮辱
岸は恥ずかしげもなく言う。「岸自身が政治局員による三里塚闘争の政治的利用主義に染まっていたのである」「三・八分裂以降、革共同も産直運動を本格的に始めた。……反対同盟の生活と闘争をともに同値として支援することにした」岸は、農民の生活を顧みないで闘争に引き回してきたが、脱落派のワンパックに学んで闘争だけでなく農民の生活にも関与するようになったと革共同現闘の闘いを描いている。そうではない。産直運動が始まる前も後も、革共同現闘は反対同盟農民を援農で支えてきた。労働者や学生が三里塚に住み、寝食をともにし、一緒に耕し、人生を三里塚闘争の勝利にかけてきた。これが生きた労農連帯だ。援農はさらに産直に発展し、農作業だけでなく発送から販路維持・拡大にまで労農連帯の精神が貫かれている。こうした現闘の闘いが闘争と生活を一つにしているのだ。反革命本は、岸が当時も今も現闘の同志たちの血と汗の苦闘を一顧だにせず、闘いといかに無縁であるかを示している。
10・11三里塚に大結集を!
三里塚闘争は3・8分裂という試練をくぐりぬけ、80年代の2期工事を迎え撃ち、今日まで天神峰の農地取り上げを阻み続けている。三里塚闘争は、農地強奪、軍事空港化を許さず、戦争と改憲を阻む全人民の砦(とりで)だ。動労千葉はジェット燃料輸送阻止闘争、国鉄分割・民営化反対ストを闘い、階級的労働運動と国際連帯を発展させている。反対同盟と動労千葉の労農連帯は同じ試練をのりこえてきた者同士の揺るぎない絆だ。反革命本で三里塚闘争破壊の狙いをあけすけに語る岸・水谷・岩本を絶対に許さない。10・11三里塚全国集会への大結集をかちとろう。
(投稿/井山 裕)