団結街道裁判 〝日付〟で市追及 廃道の違法性明らかに
週刊『前進』08頁(2697号05面03)(2015/09/14)
団結街道裁判
〝日付〟で市追及
廃道の違法性明らかに
9月8日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で、団結街道裁判の弁論が開かれた。
成田市は2010年、天神峰の市東孝雄さんが日常的に営農で使っていた団結街道を、暴力的に封鎖・廃止し、その土地をNAAに売り飛ばした。市は「代替道路を整備したから廃道の要件は満たした」というが、その暴挙が今回の裁判で一層浮き彫りとなった。
反対同盟側は前回、「被告・成田市は、道路法に基づく廃道の要件を満たしたのは3月19日だと言うが、市議会が廃止の件を議決したのは3月16日。廃道要件を満たすよりも前に、廃止を議決した。これは違法だ」と追及した。これに対し市は8月31日付の準備書面で、「16日の時点で、機能補償道路(代替道路)の工事は完了しており、道路廃止の実体的要件は充足していた」「3月19日は、形式的要件を満たした日付だ」という回答をしてきた。「実体」と「形式」を使い分けるこんなインチキな法律解釈は前代未聞だ!
「その解釈に法的根拠はあるのか」と弁護団が追及すると、市の代理人弁護士は、「実体的要件が具備されれば問題ない」などと最初は居直りの態度を示したが、それが法律家の資格を問われるほどのデタラメであることを指摘されると、次第に動揺を深め、最後は「整理して書面で提出する」と小声で答えるのが精いっぱいだった。傍聴席からは弾劾の声が次々と突きつけられた。
さらに今回、市側は、現に耕作している土地に隣接する道路を廃止にした前例は「ない」と書面で回答した。団結街道の廃止が違法・不当であることを自認したに等しい。次回期日を12月11日として閉廷した。
近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士が最初に発言に立ち、NAAの言いなりとなって廃止処分を行った成田市を弾劾した。さらに弁護団が次々と発言に立ち、当時市東さんをデッチあげ逮捕してまで強行した団結街道破壊の暴挙を今後徹底的に追及し、農地強奪攻撃を粉砕する決意を述べた。
動労千葉と関西実行委が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは、成田市での星野文昭さん絵画展の成功を報告し、「三里塚との労農連帯の闘いを地域でも広げ、この9〜10月、国会をめぐる戦争法阻止を歴史の分水嶺(ぶんすいれい)として闘おう。10・11三里塚に大結集しよう」と一同を激励した。