国鉄集会かちとり11月1万人結集へ 日米同盟賛美と中国脅威論で安倍の戦争法尻押しする葛西 JR事故続発で支配階級は分裂

週刊『前進』08頁(2697号02面01)(2015/09/14)


国鉄集会かちとり11月1万人結集へ
 日米同盟賛美と中国脅威論で安倍の戦争法尻押しする葛西
 JR事故続発で支配階級は分裂


 戦争法案に対して激しく噴出する労働者人民の怒りの前に、安倍政権はぐらぐらになっている。加えて「中国ショック」を引き金に大恐慌がさらに深まる中で、アベノミクスも完全に破産した。この危機の中で、安倍を救うためにまたしても登場してきたのが、安倍の盟友、極右・反共主義者の葛西敬之(JR東海名誉会長)だ。

「憲法の前提だ」と集団的自衛権をデタラメに擁護

 葛西は、9月6日付日本経済新聞のインタビューで、戦争法案を必死に擁護する主張を行っている。その主張は、すでに完全に破産し、ただただ安倍政権がオウムのように繰り返している主張をそのまま言って安倍を賛美しているに過ぎない。
 いわく、「主権国家は自衛のために必要な限度において武力を行使できるというのが最高裁の判断である」「自衛権は集団的・個別的を問わず憲法の前提となっている」「(60年安保から)50年以上、日本は平和と繁栄を謳歌してきた。日米同盟の抑止力のおかげだ」「中国は潜在的脅威」「積極的平和主義は21世紀という時代の要請である」「いま与党がやろうとしていることが現時点でのベストだと考える」などなど。
 そこにあるのは、日米安保同盟の全面賛美であり、反共主義に凝り固まった「中国脅威論」であり、労働運動と労働者人民の闘いに対する恐怖と憎悪である。
 葛西は、戦争法案に対する人民の怒りと批判を「現実を見ない思考停止の議論だ」などとののしっている。また、「徴兵制に道を開く」という批判に対して、「兵員の養成には長期間の教育と経験を要する。徴兵制は役に立たず、復活はあり得ない」などと、まったく無責任な大うそをついて、安倍政権を必死に擁護している。
 「自衛権は集団的・個別的を問わず憲法の前提だ」、最高裁の判断もそれを認めているなどという主張は、この間、圧倒的多数の憲法学者や歴代の法制局長官まで含めて、批判され論破されつくしてきた虚偽の主張、デマゴギーである。この間行われてきたこうした批判と一切向き合わず、歴史的な経緯を平然と無視し、粉砕され尽くした主張を性懲りもなく繰り返しているその姿は、安倍と同様の卑劣漢、恥知らずそのものである。
 葛西にとっては、憲法など資本家の都合でどのようにねじまげても、ふみにじっても構わないものなのだ。葛西は根っからの極右反共主義者、労働者階級の敵である。葛西らが中曽根の先兵となって強行した1980年代の国鉄分割・民営化は、国鉄労働運動と日本労働運動を破壊するために、憲法を踏みにじり、労働者の団結権を踏みにじって、国家の総力を挙げて不当労働行為を繰り返した暴挙である。葛西はこれによって国鉄労働者20万人の首を切り、200人もの労働者を自殺に追い込んだのである。この悪行をブルジョアジーに認められて、のし上がってきたのが葛西なのだ。
 動労千葉、動労水戸はこれと真っ向から対決して、今日まで闘い続けてきたのである。

「老害経営者」と支配階級内部から葛西批判が噴出

 だが、その葛西も労働者階級の怒りと闘いによって、ついに安倍ともども打倒する、打倒できる情勢を迎えたのだ。安倍のピンチを救おうと極右的に突出する葛西の存在とその悪行は、今や日帝ブルジョアジーの亀裂と分裂をつくりだす一要因に転化している。
 ブルジョアジーの機関誌『選択』9月号は、「事故だらけの『JR』」と題する特集を掲載した。これはJRが事故を続発させていることに対して、支配階級の立場から危機感を表明し、「何とかしろ」と悲鳴を上げているものである。
 ここでは大変な危機感が表明されている。いわく「消えうせた鉄道の安心・安全」「世界一の正確さと安全性を誇ってきた鉄道への信頼が、がらがらと音を立てるように崩れている」「乗客の命を奪う大惨事が起きる可能性がいや増す」。そして結論はこうだ。「JRの列車はもはや『危険な乗り物』と化している」
 ここで注目すべきことは、JRの大事故続発は「葛西氏のような老害経営者がいつまでも君臨していることに起因する」とあからさまに書いていることである。
 『選択』は、事故多発の原因について、「JR各社は労組つぶしのために保線などの業務を一部外注化した経緯があるが、これが現場での情報共有をさらに難しくしてしまった。社内での情報伝達ミスは、事故に直結する深刻な問題だ」としている。そして、JR各社全体で事故情報や教訓を共有すべきなのに、葛西のような「老害経営者」がいるから、それがうまくいかないのだと葛西らを批判している。

30年間の動労千葉の闘いが安倍と葛西追いつめた

 だが国鉄分割・民営化という根本問題を避けたところで事故問題に言及しても、それはごまかしでしかない。
 この間の底が抜けたような鉄道事故の続発は、まさに国鉄分割・民営化による労組破壊と、その継続としての外注化・非正規職化攻撃がもたらしたものである。JRに40歳代の労働者が少なく、技術継承に失敗していることも、国鉄分割・民営化を前後して新規採用を停止したことが根本的な原因だ。
 ブルジョアジーの雑誌である『選択』は当然にも、この階級的な真実に言及することはできない。だから、真に事故原因を究明することもできないのだ。しかし、重要なことは、『選択』が、JRの事故多発を階級支配の危機として悲鳴を上げ、さらに安倍の盟友である葛西を「老害経営者」とののしり、早く辞めろといわんばかりに攻撃していることである。JR体制の危機と安全崩壊で支配階級の中に分裂・対立が生じているのである。
 動労千葉を先頭とする30年間の不屈の国鉄闘争が、6月30日の最高裁決定(国鉄分割・民営化における採用差別は不当労働行為であると確定)の地平の上に、じりじりと葛西と安倍、JRと日帝を追いつめ、打倒する展望を開いていることをしっかりと確認できる。

外注化・非正規職化こそがJRの安全崩壊を加速

 とりわけJR東日本の重大事故多発問題は、労働者階級の怒り、労働運動の爆発に火をつけてしまう問題として、ブルジョアジーの間でも大変な問題になっている。
 9月3日付日本経済新聞にも「JR東、トラブル頻発」「『ミドル欠落』技術継承に影」という記事が掲載された。2日には冨田哲郎社長が記者会見で事故続発を陳謝したという。まったくペテン的な陳謝である。
 同記事では、民営化後の採用抑制や「人員整理」による40歳代の欠落や技術継承の崩壊を、事故多発の原因と指摘している。8月4日の京浜東北線の架線切断事故について、停車禁止エリアに電車を止めたのは「考えられない基本的なミス」と私鉄関係者の声を伝えている。そこまでJRの技術継承と安全無視は深刻なのだ。そして「駅ビル事業などを加速する中、鉄道の現場では人手不足感が強まっている」と語っている。結果として事故は続発し、一切の矛盾は現場の労働者に押し付けられる。
 しかしこの記事でもJR本体の労働者をどんどん削って外注化・非正規職化を進めているJR東日本の基本政策を一言も批判していない。触れることすらできないのだ。それはJRと日帝の死活のかかった基本路線、延命策だからだ。
 冨田社長はそこをごまかして、対策として「安全意識や技術力の向上を図る」と述べているだけである。真の原因をごまかして現場労働者に一切の責任、矛盾を押し付けるやり方は本当に許すことができない。

戦争法阻止しストライキを闘う階級的労働運動を

 今こそ全国に動労総連合を建設して、JR体制を打倒しよう。事故続きのJRの中で、労働者は命を奪われかねない危険にさらされている。鉄道の安全は、労働組合が闘いによって資本に強制する以外に確保できない。動労千葉・動労水戸―動労総連合の外注化粉砕・非正規職撤廃、被曝労働絶対拒否の闘いは、反合理化・運転保安確立の闘いでもある。
 検修・構内業務の全面外注化から丸3年を迎える10月1日を前に、動労千葉はストライキも構えつつ外注化粉砕・非正規職撤廃の闘いに立っている。これは非正規職化の過程そのものと対決することによって、正規と非正規の団結というこれまでの労働運動が実現し得なかった地平を切り開く闘いだ。
 戦争法絶対阻止の9月国会決戦に職場から立とう。各地区国鉄集会を成功させ、階級的労働運動をよみがえらせて11・1全国労働者集会に攻め上ろう。

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生きさせろ!戦争と民営化の安倍政権を倒せ!
闘う労働組合を全国の職場に!
11・1全国労働者集会
国鉄1047名解雇撤回/外注化阻止/非正規職撤廃/戦争法案をとめろ/労働法制改悪阻止/被曝労働拒否/全原発を廃炉に/ストライキに立ち上がろう/動労総連合を全国へ
 11月1日(日)正午
 東京・日比谷野外音楽堂
 (集会後、銀座デモ)
※ゼネストで闘う韓国・民主労総、アメリカ、ドイツ、トルコをはじめ、世界から闘う労働者が大挙参加します。
(呼びかけ)全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部/全国金属機械労組港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動

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各地の国鉄集会スケジュール

◆東北
 青森/青森市 10月3日(土)午後3時 青森市民ホール
    八戸市 10月4日(日)午後3時 八戸市福祉公民館
 宮城/仙台市 10月9日(金)午後6時30分 エルパーク仙台スタジオホール
    塩竃(しおがま)市 9月16日(水)午後6時30分 塩竃市エスプ学習室
 秋田/秋田市 10月4日(日)午後2時 県民会館ジョイナス2F
◆関東・信越
 茨城/土浦市 9月27日(日)午後1時30分 土浦亀城プラザ
 栃木/宇都宮市 10月4日(日)午後1時30分 宇都宮東コミュニティセンター
 群馬/高崎市 10月3日(土)午後1時30分 高崎市労使会館
 埼玉/さいたま市 9月27日(日)午後1時30分 与野本町コミュニティセンター
    越谷市 10月2日(金)午後6時30分 越谷市中央市民会館
    熊谷市 9月18日(金)午後6時30分 熊谷市荒川公民館
 千葉/千葉市 10月4日(日)午後1時 DC会館
 神奈川/横浜市 10月3日(土)午後6時30分 開港記念会館講堂
    相模原市 9月25日(金)午後6時30分 プロミティふちのべ
 山梨/甲府市 10月3日(土)午後2時 甲府市ぴゅあ総合
 長野/長野市 10月4日(日)午後1時 トイーゴ
 新潟/新潟市 9月19日(土)午後2時 新潟駅前カルチャーセンター9階大ホール
◆東京
 品川区 9月27日(日)午後1時 大崎第1地域センター
 港区 10月2日(金)午後6時30分 新橋ばるーん
 杉並区 10月3日(土)午後6時30分 阿佐谷地域区民センター
 豊島区 10月2日(金)午後6時30分 豊島生活産業プラザ多目的ホール
 江東区 10月2日(金)午後6時30分 亀戸文化センター5F
 八王子市 9月29日(火)午後6時30分 八王子労政会館
◆北陸
 石川/金沢市 9月27日(日)午後1時 石川県文教会館403号室
◆東海
 静岡/沼津市 9月19日(土)午後6時 沼津労政会館
 愛知/名古屋市 10月3日(土)午後1時30分 名古屋市熱田生涯学習センター
 三重/津市 10月4日(日)午後1時30分 アスト津
◆近畿
 大阪 10月2日(金)午後6時30分 大阪市立浪速区民センター
◆中国
 鳥取/米子市 9月23日(水・休日)午後1時 米子市文化ホール2F研修室
 岡山/岡山市 9月27日(日)午後2時 奉還町りぶら(岡山駅西口奉還町商店街)
 広島/広島市 9月27日(日)午後2時30分 広島市西区民センター大会議室
◆四国
 徳島/徳島市 9月18日(金)午後6時30分 とくぎんトモニプラザ
 香川/高松市 10月4日(日)午後1時 香川県社会福祉総合センター
◆九州
 福岡/福岡市 10月18日(日)午後1時30分 ももちパレス
◆沖縄
 那覇市 10月18日(日)午後2時 JAおきなわ真和志支店2F会議室

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