知る・考える 用語解説 国鉄闘争全国運動/被曝労働拒否闘争
週刊『前進』06頁(2696号05面06)(2015/09/07)
知る・考える 用語解説
国鉄闘争全国運動/被曝労働拒否闘争
国鉄闘争全国運動-労働運動甦らせる闘いの軸
国鉄分割・民営化で解雇された1047名の解雇撤回を軸に階級的労働運動を甦(よみがえ)らせるため闘う運動体。1987年の国鉄分割・民営化で、約40万人いた国鉄労働者のうち20万人が職場を追われた。最終的に解雇された1047人が解雇撤回闘争を続けてきた。国労は2010年4月9日、「二度と不当労働行為を争わない」という屈辱的条件で解雇撤回闘争を終わらせ、国鉄闘争を支援してきた100万人の陣形をも圧殺しようとした。他方、動労千葉は「国鉄闘争の火を消すな」を掲げて闘い続けた。この動労千葉の闘いを支えるため、同年6月13日に国鉄闘争全国運動が発足。国労本部の屈服方針を拒否した国労の被解雇者4人もこの運動に合流した。
動労千葉組合員9人の解雇撤回を求める訴訟では、解雇撤回・JR復帰判決を求める10万筆署名を呼びかけ、広範な労働者に分け入って10万筆の署名を達成した。その力が「JR不採用は不当労働行為」という判決を引き出した。
今年6月30日の最高裁の上告棄却決定で、不当労働行為を認定した判決は確定した。国鉄闘争全国運動は、これを武器にJRと対決し、外注化粉砕・非正規職撤廃の闘いの中で解雇撤回を実力でかちとるとともに、全産別で階級的労働運動を復権させる新たな挑戦を開始した。
被曝労働拒否闘争-動労水戸が世界で初の実践
政府・資本による被曝労働の強制に反対し、労働者と住民の命を守るために、動労水戸(国鉄水戸動力車労働組合)が2011年以来取り組んできた国際労働運動史上に例のない画期的闘争。11年3・11福島原発事故以来、JR常磐線は広野〜原ノ町間で不通となっていたが、JR東日本は「事故は収束した」と虚構をふりまく政府の手先となって運転再開を画策。同年10月、福島第一原発から20㌔圏内に放置されていた被曝車両の移送と検査・修繕業務を「安全」と偽って労働者に強制しようとした。
動労水戸はこれにストライキで立ち向かい、沿線住民とりわけ仮設住宅避難住民から圧倒的支持を得て、14年には楢葉町の「帰町宣言」を断念させた。この過程で青年労働者が次々と動労水戸に加盟した。15年には、被曝労働拒否を闘う労働運動の全国的拡大をめざして「動労水戸支援共闘」が結成された。さらには福島第一原発で命がけの収束作業にあたってきた原発労働者の中からも、動労水戸の闘いに熱烈に共感する声があがった。
被曝労働拒否は鉄道だけでなく、原発立地の自治体をはじめあらゆる職場・産別に共通する労働組合としての普遍的な闘争課題であり、同時に核・原発の廃絶という人類史的課題を労働者階級がなしとげるための不可欠な闘争である。