市の追い出し許さない 京都・崇仁で住宅裁判始まる
市の追い出し許さない
京都・崇仁で住宅裁判始まる
安倍が戦争と外注化・非正規職化・民営化攻撃に突っこんでいるが、敵の危機は新たな運動と組織を生み出す。京都の崇仁(すうじん)・東三条の闘いはまさにそうだ。
ユニオン自立が定期的ビラ入れ
この間、大阪で西郡から高槻に広がった闘いを日本三大部落の一つと言われ更地化攻撃が進む京都の崇仁にも伝え、全国水平同盟の旗を打ち立てようと、地元の労働組合・ユニオン自立が定期的にビラを入れてきた。
そのビラを見て、京都市から改良住宅の「名義変更の手続きをしていない」という理由で追い出しをかけられているAさんが連絡してきた。Aさんはすぐに水平同盟に加盟し、追い出し反対の闘いを始めた。
崇仁での4月29日の追い出し絶対反対集会には西郡、高槻植木団地をはじめ100人近くの仲間が駆けつけた。ついに公然と崇仁の地で水平同盟の旗が打ち立てられた。Aさんは、自分への攻撃は個人ではなく崇仁全体の更地化攻撃であり、市営浴場の民営化、家賃値上げなどすべての攻撃と一体であることをつかんだ。
崇仁支部準備会結成し市に抗議
また、崇仁集会に向けたビラを東三条でもまいたところ、同じ攻撃をかけられているBさんがこの集会に合流した。Bさんは親子で力を合わせて京都市相手に自力で裁判を闘っていた。崇仁と東三条の団結で水平同盟の支部建設が具体性を持ち始めた。ここに新たに更地化絶対反対と支部建設の展望をかけた裁判闘争が始まった。
5月には崇仁支部準備会を結成して市役所への抗議行動を行い、崇仁での懇談会を開いた。更地化反対の署名運動を地域と労組で集め始めた。追い詰められた京都市は5月市議会でAさんへの明け渡し訴訟を承認し、異例の速さで提訴した。
しかしAさんをはじめ誰もひるまなかった。東三条裁判と併せて、条例と要綱を勝手に変えて居住権を奪い労働者をたたき出すやり方に絶対反対で闘うことを決意した。
Aさんが陳述で不屈の戦闘宣言
8月18日、崇仁住宅裁判の第1回口頭弁論が京都地裁(第1民事部・齋木稔久裁判長)で行われた。裁判に先立ち、この間集めた署名約千筆を市長秘書課にたたきつけた。多くの自治体労働者が署名をしているのが決定的だ。続いて住宅管理課に東三条のBさんへの住宅退去勧告に対して抗議を行った。
午後からの裁判を50人が傍聴した。西郡と同じく崇仁でも「敗戦後からの衣食住を確保する闘いが労働者階級の『生きさせろ!』の激しい闘いとして発展して、公営住宅建設をかちとってきました」「市の脅しやうそにはけっして屈しません」――Aさんの堂々とした意見陳述に誰もが感動し、水平同盟の路線の正しさを確信した。住宅と就労は一体だ。現業労働者が多いのは「与えられた」のではなく、闘ってかちとった成果だ。
京都市は既成の部落解放運動の屈服をテコに現業廃止と一体で更地化を一気に進めている。住宅追い出しとの闘いは自治体労働者との団結をかけた闘いでもある。Bさんの裁判では、絶対反対の団結で弁論打ち切り攻撃を打ち破り、弁論再開をかちとった! 支部建設に弾みがついた。ビラ1枚で労働者人民が決起する時代に入った。あらためてゼネスト情勢の到来を実感した。
(京都・朝霧広巳)