「街」弾圧うち破った勝利の核心 完全黙秘・非転向を貫き日帝の拠点つぶしを粉砕

週刊『前進』06頁(2695号06面02)(2015/08/31)


「街」弾圧うち破った勝利の核心
 完全黙秘・非転向を貫き日帝の拠点つぶしを粉砕


(写真 完全黙秘を貫き弾圧を粉砕して奪還された2人。8・23国鉄集会で勝利感にあふれ発言した【東京・千代田区】)

 8月14日、「給付金詐欺」をデッチあげられ不当逮捕・勾留されていた「オープンスペース街(まち)」の仲間への起訴攻撃を粉砕し、2人を奪還した。8月大攻防の頂点をなす大勝利だ。
 この弾圧は、7月安保・国鉄決戦に追いつめられた安倍と日帝国家権力―警視庁公安部の総力をあげた一大反動だった。6・30鉄建公団訴訟最高裁上告棄却決定と一体で、動労総連合建設をはじめとする階級的拠点の建設をつぶそうとする大弾圧だった。実際に、公安刑事は「これは中核派と公安との勝負だ。お前らの犯したどんな小さなことでも事件にしてやる」「『街』が存在していること自体が『詐欺』だ。許せない」と取り調べでわめいていた。
 これに対し6・1不当捜索以来、実に2カ月半にわたる大攻防を死力を尽くして闘い、ついに実力で奪還した。この勝利は、9月国会闘争の爆発と安倍打倒を決定的に引き寄せている。8・30国会闘争から9月決戦で安倍を打倒しよう。

仲間を守って団結発展させた

 「街」弾圧粉砕の勝利の総括点は何か。
 第一に、なんと言っても2人の仲間の完全黙秘・非転向の原則的な闘いである。19日間にわたる連日6〜8時間の「取り調べ」は苛烈(かれつ)をきわめ、拷問そのものだった。2人は病気を抱えながら真っ向から対決し、デッチあげを完全に粉砕した。公安刑事の向井・高橋らは「最後まで何もしゃべってくれなかったな」と消耗感を露わにし完敗を認めた。
 完全黙秘とは手段ではなく、国家暴力との非和解性を貫いた闘いだ。そして、仲間を守り団結を発展させる闘いだ。完黙・非転向こそ弾圧と闘う労働者階級人民の最大の武器であり、勝利する道だ。司法取引による刑事免責・取り調べ「可視化」など「新捜査手法」攻撃を粉砕しよう。
 第二に、闘う拠点「街」の破壊を、地域の障害者と労働者住民、北部地区委員会、東京都委員会の団結で打ち砕いたことである。
 逮捕当日からただちに「義勇兵」のボランティアが続々と駆けつけ、ローテーションを作って1日も欠かさず「街」を維持し運営しぬいた。住民は「現代の横浜事件だ」「これは安倍がやらせているのね。周りに広げるわ」と言い、炎天下で自主的に地域にビラをまいた。障害者の仲間は6・1不当捜索と同時に強行された「事情聴取」というつぶし攻撃に怒りを燃やして連日通ってきた。
 8月13日の勾留理由開示公判には「街」の利用者とボランティア、地域住民が結集した。地裁前での利用者の戦闘宣言は警察権力に壊滅的打撃を強制した。「『街』は2人がいる時以上に元気です。23年間、『街』の活動を見てきた地域の人たちは最初から公安のうそを見ぬいている。ここに真実がある。安倍と公安警察よ、お前たちに『街』をつぶすことなど絶対にできない!」
 「障害者をだまして集会に動員している」と見くびりさげすむ公安警察は、労働者階級人民の根底的怒りでノックアウトされたのだ。

1千万人と結びつく闘い始まる

 第三に、動―反動―動の攻防を通して1千万人と結びつく闘いが本格的に開始されたことである。8月冒頭から開始した東京都内250カ所の作業所訪問・釈放要求署名で、「生きさせろ!」の怒りと結合した。冤罪(えんざい)であることを説明するまでもなく、多くの作業所の労働者が「行政とのやりとりの頭越しに公安警察が出てくるなんて、ありえないことだ!」と声を上げ、署名に応じた。
 そこでつかんだことは、現在の作業所が障害者総合支援法という新自由主義のもとで激しい民営化攻撃にさらされている現実だ。民営化は、障害者に対して、さらに作業所に従事する労働者に「生きる寄る辺」を奪う攻撃として襲いかかっている。これと闘う以外に作業所を守ることも生きていくこともできない。闘わなければ国家・資本に隷属するしかない。「こんな弾圧はありえない」という叫びは、「生きさせろ」の叫びであり、国会闘争に立ち上がっている膨大な労働者階級人民の叫びだった。
 問題は、この1千万人の怒りと闘いとの分断を打ち破ることである。これこそが国鉄分割・民営化以降の新自由主義を打ち破る闘いの方向性でもある。今回の「街」弾圧粉砕闘争は、団結してゼネストをかちとり、社会をひっくり返すこと、すなわち国鉄決戦の路線と実践にこそ勝利の道があることを示した。
 新自由主義に対する作業所の怒りと圧倒的に結びつき、それを暴露した連日のビラに「今回、お前たちはなんでこんなに構えが違うんだ。毎日違うビラをまいているじゃないか」と公安警察は圧倒された。革命情勢の接近における宣伝・扇動戦の飛躍が実践的に開始された。

自治体労働者への加担攻撃破る

 第四に、弾圧を粉砕することで、自治体労働者の弾圧への加担と戦争動員をも打ち破った。障害者福祉事業をはじめとする民営化攻撃は、作業所とともに自治体本体に激しく襲いかかっている。今回の弾圧は戦争に向かって自治体労働者を公安警察に加担させ、区職労を解体する狙いとしてもあった。問われていることは「第2インターナショナルの崩壊」を打ち破る拠点建設である。
 第五に、「街」弾圧粉砕は、動労総連合建設をかちとる国鉄決戦と一体でかちとられた。02年5・27国労臨大闘争弾圧を粉砕した力が10年4・9政治和解を打ち破り、国鉄闘争全国運動の創設を切り開いた最深の原動力となったことを想起させる地平である。
 時代認識と路線で一致した地区党と東京都委員会の団結が弾圧粉砕の勝利を切り開いた。またこの勝利は8・23集会で発せられた「闘いはこれからだ」「動労総連合を全国につくろう」の呼びかけと一体となり、動労総連合・東京建設をかちとる力となっている。
 「街」弾圧粉砕の歴史的地平をもって真一文字に動労総連合・東京建設に突き進もう。9月決戦で安倍を倒そう。勝利はわれらのものだ。

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