星野奪還9・6徳島刑務所デモへ ③ 星野同志の無実は明白だ 検察は隠し持つ全証拠を開示せよ 冤罪を居直る高検の意見書

週刊『前進』08頁(2693号06面02)(2015/08/17)


星野奪還9・6徳島刑務所デモへ ③
 星野同志の無実は明白だ
 検察は隠し持つ全証拠を開示せよ
 冤罪を居直る高検の意見書

(写真 8・6ヒロシマ大行動で意気高くデモ行進する全国の星野救援会の隊列【8月6日 広島市】)


 星野文昭同志の再審闘争で、東京高等検察庁は8月7日、弁護団が3月13日に出した意見書に5カ月も経ってようやく反論の意見書を出した。デッチあげ維持のための極悪の文書である。
 弁護団は3月13日付意見書で、三宅洋一千葉大学名誉教授の「鑑定意見書」を新証拠として、星野同志の無実をあらためて明らかにするとともに、11人の現場目撃者の供述調書の開示を要求した。三宅鑑定意見書は、「一郎丸写真」(後述)を鑑定し、写っている星野同志が右手に持つ鉄パイプの表面には、第2次再審棄却決定(2012年)が言うような「損傷らしき痕跡」などはなく、それは「一定幅の環状の線」であることを明らかにした。
 これに対して東京高検は反論の意見書で、 三宅鑑定意見書の「画像はモノクロ写真であり、画質の面からも、物体の明確な同定は困難であった」という記載だけを大写しにし、「紙や鉄パイプ等の折れ、くぼみの可能性等も排除されていない」と主張する。これは白を黒と言いくるめる、断じて許せない主張である。「一定幅の環状の線」とは「損傷らしき痕跡」を真っ向から否定する科学者の表現である。
 また東京高検は、異議審の「審理の対象は原決定の適否である」「再審請求においては、請求人側に再審理由を基礎づける証拠を提出することが義務づけられて」いるとして、11人の現場目撃者の供述調書の開示を拒否した。断じて許せない。無実で獄中41年を強いられている星野同志には、デッチあげを暴き自由を取り戻すために、すべての証拠を見る権利があるのだ。
 1971年11月14日、沖縄返還協定批准阻止闘争をデモ隊のリーダーとして闘った星野同志は、闘争過程で死亡した機動隊員に対する「殺人の実行犯」として無期懲役刑を受けている。確定判決(1983年、東京高裁・草場良八裁判長)は、デモ参加学生6人のデッチあげ「供述調書」を唯一の証拠としており、物的証拠は一切ない。典型的な冤罪(えんざい)の証拠構造である。

開示の写真が示す星野無実

 星野同志の機動隊員「殴打」の認定は、Kr供述調書が核心証拠とされている。Kr供述調書は服の色で、殴打者を星野同志と特定している。
 第1次再審請求闘争でついに最高裁に核心証拠であるKr供述の服の色の誤りを認めさせた。服装が違えば別人である。殴打者は星野同志ではない。だが、最高裁はKrは殴打者が星野だと「声で分かった」「後ろ姿で分かった」と特別抗告を棄却した(08年)。この許し難い棄却決定は、しかし、核心証拠であるKr供述調書の信用性を決定的に揺るがした。
 第2次再審闘争では闘争現場写真の開示をかちとった。その中に、殴打現場を通過後に撮影された星野同志の写真(一郎丸写真)があり、手に持つ鉄パイプは真っ白で殴打の痕跡は一切なかった。三宅鑑定意見書は、第2次再審を棄却した東京高裁の「不鮮明ながら損傷らしき痕跡」などというけちつけを粉砕し、一郎丸写真を星野同志の殴打を否定する決定的証拠としてつきつけた。
 このことでKr供述調書の信用性はさらに失墜し、11人の現場目撃者の供述調書の開示の必要性が一段と高まった。再審闘争の現局面の最大の攻防点がここにある。「11人の供述調書」を開示させ、これを突破口に全証拠開示に攻め上ろう。
 無実の証拠は検察庁の倉庫にある。証拠を独占しながら、再審請求人に「証拠提出の義務がある」とは、強盗の居直りそのものだ。満身の怒りをこめて弾劾する。東京高検は直ちに「現場目撃者11人の供述調書」を開示せよ! 隠し持つすべての証拠を開示せよ!

証拠の紛失=隠滅を許すな

 再審弁護団が、沖縄闘争当日のテレビニュースを録画した証拠のビデオテープ2巻を検証しようとしていた矢先に、これの「紛失」が露見した。弁護団は、「証拠紛失」を弾劾する「ビデオ国賠」を提訴した。
 一審判決は星野同志の証拠へのアクセス権を認めたが、今年5月、控訴審で奥田正昭裁判長は、「ビデオテープの保管者はそれが重要な証拠となることを知らなかったから」と、星野同志が再審でこれを利用する権利を否定し、また裁判所・警視庁公安部の「紛失」責任を問わないという判決を下した。
 これは警視庁公安部や検察庁に、「証拠隠滅」をそそのかすものであり、絶対に容認できない。上告審で、東京高裁・奥田裁判長の極悪の判決を打ち砕こう。
 連鎖集会・絵画展の大成功が示す運動の前進と、再審闘争の前進で東京高裁・高検を追い詰めよう。9・6徳島刑務所包囲デモに総力で決起し、星野同志を絶対に奪還しよう。

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星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議2015年総会
 9月5日(土)午後1時開場、2時開会 とくぎんトモニプラザ
 徳島市徳島町城内2―1 裁判所向かい
 電話088―625―3852

9・6徳島刑務所デモ
●街宣 9月6日(日)午前10時
 徳島駅前
●集会 午後1時
 鮎喰川春日橋たもと河川敷
●デモ 午後2時〜3時
◎集会会場への「星野希望バス」(往復)
 ①徳島駅前、②徳島空港に午前11時集合
 帰りのバスは駅、空港とも午後4時に到着

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