全国に動労総連合を打ち立て第2の分割・民営化攻撃粉砕を 国鉄決戦勝利でゼネスト―革命へ 革共同中央労働者組織委員会
週刊『前進』08頁(2693号02面01)(2015/08/17)
全国に動労総連合を打ち立て第2の分割・民営化攻撃粉砕を
国鉄決戦勝利でゼネスト―革命へ
革共同中央労働者組織委員会
安倍とJR東海名誉会長の葛西敬之は一体となり、JRでの第2の分割・民営化攻撃を本格的にかけてきた。これとの闘いは解雇撤回闘争であり、外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の闘いである。それを実践する動労総連合の建設こそ、攻防の最大の焦点だ。9月は戦争法案粉砕の国会決戦であるとともに、検修業務外注化による強制出向から3年目の10・1を前にした国鉄決戦である。国鉄決戦の勝利でゼネスト―革命の扉をこじ開けよう。
「階級協調」を拒否して闘い戦争法案粉砕・安倍打倒へ
7・15〜16の戦争法案粉砕の闘いは、国会前での10万人決起をつくり出した。全国各地で無数の集会・デモが行われた。日本の労働者階級人民の広大な怒りの決起がつくり出された。60年、70年安保闘争以来の歴史的怒りが解き放たれた。戦争・改憲をめぐって労働者人民と国家・資本との非和解的対決に入ったのである。戦争法案をめぐる攻防は何ひとつ決着がついていない。そればかりか、強行採決は労働者階級人民の怒りに火をつけ、革命に向かってやむことのない陸続とした決起を生み出した。墓穴を掘ったのは安倍である。
とりわけ全学連は、6・15への決起以来、日本共産党スターリン主義、SEALDs指導部を始めあらゆる反動と制動をのりこえ国会決戦に登場している。新しい活動家を獲得し、60年、70年を超える学生運動をつくり出している。
安倍は追い詰められ、「朝鮮半島有事」を持ち出し、排外主義・国家主義で国会内野党を組み伏せ、日共スターリン主義の裏切りを引き出そうとしている。1914年の第1次大戦突入時に、当時の労働者階級の国際組織であった第2インターナショナルが戦争反対の立場を投げ捨てて戦争に協力していった歴史を繰り返してはならない。
レーニンは「第2インターナショナルの崩壊」で、社会排外主義の根底にあるのは「階級協調の思想」であると言っている。実際に戦争に突入した時、職場・生産点で階級協調を拒否して絶対反対で資本と非和解的に闘い、「自国政府打倒」を掲げて革命に向けて闘わなければ、「自国防衛」の名で強行される帝国主義戦争に加担する結果になってしまう。階級的労働運動の前進と、職場・生産点でのストライキ―ゼネストこそが戦争を止めることができる。
動労千葉を先頭とする階級的労働運動派は、解雇撤回を基軸に国鉄分割・民営化反対闘争を闘いぬいてきた。それが、「労働組合を解体できなければ戦争もできない」階級的力関係を日帝に強制してきたのだ。安倍はこの階級的力関係に追い詰められ、6・30最高裁決定で国鉄解雇撤回闘争を終わらせ、改憲と徴兵制支持を大会決定しているUAゼンセンを先兵に連合を産業報国会化することを狙っている。
戦争法案粉砕・安倍打倒の8〜9月国会闘争に立とう。全学連を先頭に階級的労働運動派が全力で登場しよう。ストライキ―ゼネストに立ち上がろうとする労働者・労働組合の前にストライキ圧殺者として登場してきた日共スターリン主義の敵対を粉砕しよう。安倍「戦後70年談話」を粉砕し、ストライキ―ゼネストへ総決起しよう。
この情勢の中で、6月30日の最高裁による上告棄却決定が下された。
不当労働行為の認定武器に〝JRに戻せ〟と迫る闘いを
最高裁は国鉄1047名解雇撤回裁判(動労千葉9人)で組合側・鉄道運輸機構側双方の上告を棄却した。怒りを込めて弾劾する。だがこの決定で13年9月25日の東京高裁判決が確定した。この6・30最高裁決定は、7・15〜16の戦争法案強行採決と一体の動労千葉破壊攻撃である。しかし、それは安倍と最高裁の追い詰められた姿を示した。12年6月29日の東京地裁判決に続き、東京高裁判決も、「87年2月に国鉄当局が策定したJR採用候補者名簿の不記載基準(不採用基準)は不当労働行為」と断定した。それは動労千葉弁護団声明が言うように、「国鉄分割・民営化関係裁判で唯一の画期的判決」だ。そして最高裁も、不採用基準は不当労働行為と認めざるをえなかったのだ。
1047名闘争の当該は、これをかちとるために闘ったのだ。しかし国労の協会派や革同指導部、日本共産党は「1047名が闘い続けることは無理」と言って4・9和解の裏切りに走った。その時、4・9和解派は動労千葉に「玉砕主義だ」と悪罵を投げつけた。
これに対して動労千葉―動労総連合は、4・9政治和解を拒否して国鉄闘争全国運動を呼びかけた。解雇撤回の原則を掲げて闘いぬき、解雇撤回・JR復帰10万筆署名を呼びかけて、それも達成した。この署名には青年労働者が次々と協力した。青年労働者には解雇・首切りへの関心が高く、怒りが強い。10万筆を達成した力関係が、最高裁に国家的不当労働行為を認定させたのだ。「和解路線か解雇撤回路線か」の決着はついた。
6・30最高裁決定は「国鉄改革」の正当性を根底から揺るがすものだ。国鉄分割・民営化は、国鉄改革法により国鉄労働者をいったん全員解雇―選別再雇用(新規採用)とすることで戦後最大の労働運動解体攻撃になった。その採用候補者名簿自体が不当労働行為意思のもとに作られたことを最高裁も認めるほかになかったのだ。
動労千葉は「不採用基準」が井手・葛西ら当時の国鉄幹部とJR設立委員長で経団連会長の斎藤英四郎が共謀して作ったことを、「井手文書」として最高裁に突きつけた。最高裁はこれを完全に無視した。なぜなら「不採用の責任はJRに及ばない」「国鉄とJRに同一性はない」という国家的不当労働行為の根幹が全面崩壊するからだ。そうまでしなければならないほど、国鉄改革法体制は崩壊している。
国鉄分割・民営化強行時の中曽根政権は、「国鉄労働運動をつぶして改憲をやる」と公言して攻撃をかけてきた。動労千葉は85年と86年、2波のストに決起し、団結を守りぬいた。そして90年の84時間ストを中心に数波のストを打ちぬき1047名闘争を生み出した。国鉄分割・民営化反対闘争の継続としての1047名闘争は、100万人の支援陣形を生み出して連合の完成=改憲勢力化を阻止してきた。この力が戦争法案粉砕の闘いを根底で支えている。
今、国会では戦争法案と同時に派遣法改悪案、過労死強制・残業代ゼロ法案などの攻撃が繰り出されている。さらに安倍は解雇の金銭解決(解雇自由)の導入を狙っている。解雇・雇い止めとの闘いは革命に直結する。JR資本に対して「不当労働行為を最高裁が認めた。JRに戻せ」と迫る闘いに全力を挙げよう。最高裁棄却弾劾の8・23集会に総結集しよう。
今こそ国鉄闘争全国運動の新たな発展をかちとろう。革命情勢の接近の中でストライキ―ゼネストを実現できる労働組合を全国につくり出すことが求められている。動労総連合建設こそその鍵である。動労神奈川、動労総連合・新潟の結成に続き、東京を始め全国に動労総連合を建設しよう。
外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の9月大決戦
日帝の新自由主義攻撃は80年代の国鉄分割・民営化攻撃から始まった。それによって社会も家族も職場も地域も労働もすべての共同性が破壊され、労働者はばらばらに分断された。JRでの第2の分割・民営化攻撃、社会丸ごと民営化の攻撃はそれをさらに推し進めるものだ。国鉄分割・民営化は完全に破綻した。それを象徴的に示すのが重大事故の相次ぐJR北海道だ。この6月、「JR北海道再生推進会議」は「9割の路線が採算ラインを下回る」「選択と集中が必要」「聖域なき検討を」とする報告書を出した。JR北海道の破綻を公然と宣言し、9割の路線の廃線化を明らかにした。
JR東日本の連日の事故が示すように、これはJR全体の問題だ。JRすべてが「896自治体の消滅」が言われる中で地方の全面切り捨て―廃線化に突き進んでいる。
これに対して動労千葉は今春3・14ダイヤ改定―特急廃止に反対してストライキに決起し、銚子集会、館山集会を成功させ、住民の怒りの先頭に立って闘いぬいた。
また、JR体制は安倍・葛西のもとで国策の柱となっている。国際争闘戦に勝ちぬくために鉄道・新幹線輸出の侵略政策に突き進むとともに、どんなに絶望的であろうとリニア中央新幹線建設を推し進めている。
このJRが動労千葉・動労水戸―動労総連合の解体攻撃を強めている。
これらを背景に安倍・葛西は第2の分割・民営化攻撃をかけている。これとの闘いは解雇撤回闘争であり、外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の闘いである。
6・30最高裁決定をも武器にJR資本に原職復帰を迫る闘いに全力を挙げることである。解雇・雇い止め撤回の闘いは階級的労働運動の柱であり、非正規職撤廃闘争と一体であり、ゼネストを切り開き革命まで行き着く闘いだ。そして外注化阻止・非正規職撤廃闘争は、第2の分割・民営化反対闘争の軸である。
外注化阻止なくして非正規職撤廃はない。また外注化阻止闘争は絶対反対路線でなければ闘えない。外注化に協力する「シニア協定」を当局と結んでしまった国労の対極で、動労千葉は15年間、外注化阻止闘争を闘い続けている。動労千葉の闘いはJRの外注化計画を10年遅らせてきた。
非正規職撤廃闘争は、正規と非正規をともに闘う主体とし、資本と闘うことをとおして階級的団結をつくり出す闘いだ。動労千葉は非正規と正規が階級的に団結する新しい挑戦を開始している。
今、動労千葉は11・1千葉運転区廃止・運輸区新設反対の闘いを組織破壊攻撃との攻防と位置づけ全力で闘っている。11・1労働者集会に向けて全国で網の目のように国鉄集会をかちとろう。
動労水戸の被曝労働拒否の闘いは、路線性と大衆性をもった画期的闘いである。それは原発労働者を組織化し、自治体労働者、教育労働者に闘う展望を示している。
安倍は福島県内の避難指示区域を楢葉町を先頭に17年3月までに解除しようとしている。何よりも常磐線全線開通をとおして被曝労働を強制する恐るべき攻撃だ。動労水戸は8・29いわき闘争を突破口に大闘争に突入しようとしている。
9月は外注化阻止・非正規職撤廃闘争の大決戦である。それは転籍を許すか否かをかけて闘われる。動労千葉や動労水戸は「仕事も労働者もJRに戻せ」を掲げて10・1決戦を闘いぬく。
国鉄決戦は、韓国、アメリカ、ドイツなどとの国際連帯の闘いをつくり出してきた。そして今、韓国・民主労総ゼネストとの連帯闘争に発展している。6・7国鉄集会への韓国鉄道労組の参加と日韓鉄道労働者の民営化反対の共同声明は、歴史的到達地平である。韓国・民主労総が非正規職撤廃闘争を路線的柱と位置づけ、正規と非正規の階級的団結をつくり出していることに学ぶことは多い。相互に学び合う国際連帯闘争の発展をつくり出そう。
ゼネストを指導できる地区党に
地区党建設を原則的・本格的にかちとることにゼネストからプロレタリア革命へ向かう勝利の道がある。地区党の原則的・本格的建設とは、労働者の自己解放的決起を出発点に、地区党を形成する労働者細胞の無限の可能性をつくり出すことである。自己解放的決起とは、人間的共同性と階級的団結を日常的細胞活動と細胞的討論の中で育み、培うことによって生まれる。細胞の実践活動と細胞的討論をとおして、時代認識と路線の一致は生み出される。地区党は、中央委員会と細胞を一体的に建設することをとおして産別委員会とも一体的に発展し、全戦線の課題を内包したものとして建設される。
地区・産別、地区・戦線双方からの一致を意識的・一体的にかちとっていくことである。1千万人の獲得とは、それだけの規模の拠点と、ゼネストを実現できる指導部を建設することで実現される。党と労働組合の一体的建設の決定的飛躍が求められている。機関紙こそがその中軸に座る。財政闘争を細胞活動の中心に位置づけよう。地区党の団結を基礎に9月決戦に躍り込もう。