大量解雇・非正規化と新基地建設に対決 基地労働者の決起を先頭に10万県民大会とゼネストへ 革共同沖縄県委員会

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週刊『前進』10頁(2692号03面01)(2015/08/03)


大量解雇・非正規化と新基地建設に対決
 基地労働者の決起を先頭に10万県民大会とゼネストへ
 革共同沖縄県委員会

(写真 5月16日に「非正規職撤廃」「ゼネスト」を掲げて那覇・国際通りをデモする労組交流センター)


 7月15、16日の安保関連法案の衆議院強行採決は、世界戦争=核戦争情勢をプロレタリア世界革命に転化する日本の労働者階級、とりわけ青年労働者と学生の生きるための新たな闘いの出発点となった。韓国・民主労総はゼネストで国際労働者階級の進むべき道を示している。日本の労働者階級は動労総連合を全国に建設し、ゼネストへと闘いを推し進めよう。この闘いの先駆けを担うのが沖縄の労働者階級による沖縄全島ゼネストだ。

戦争法案と対決する基地労働者の新たな闘い開始

 「復帰」43年5・15沖縄闘争は、安倍政権の戦争政治と辺野古新基地建設に対して燃え上がる怒りが沖縄全島ゼネストを切り開いていく団結を生み出した。加えて、5・15沖縄闘争と一体で開催された星野絵画展は、闘いの勝利の路線と方針を求める沖縄の労働者階級の魂をつかんだ。
 安保関連法案をめぐる攻防の鍵を握るのは、基地で働く労働者と自衛官(軍服を着た労働者)、原発労働者だ。安倍政権のもとで労働者の非正規職化は戦争情勢を促進し、安保関連法案=戦争攻撃は非正規職化と労働者の団結破壊に向かう。
 したがって基地労働者をめぐる攻防は、全労働者の未来をかけた最先端の闘いだ。その中で沖縄全島ゼネストの帰趨(きすう)を決する、基地で働く青年労働者の「非正規職撤廃!」の新たな決起が開始されている。
 全駐留軍労働組合(全駐労)は、AAFES(米陸軍・空軍エクスチェンジサービス)の定年後に再雇用される労働者がフルタイムからパートタイム(週40時間から30時間)に変えられて雇用されている現状に抗議して、6月17日に全国3カ所で基地前座り込みを行った。沖縄ではキャンプ瑞慶覧(ずけらん)・石平(いしんだ)ゲート前に120人の基地労働者が集まり終日闘われた。
 闘争に先立って配布された「全駐労中央闘争委員会」署名のビラは「AAFES非正規化進む」「目標はIHA全員非正規雇用?」という衝撃的な内容だった。いわく、「再雇用の問題だけではない。......現役従業員の未来まで奪っている。無関心でいればあなたのカントクも近い将来聞いてくるでしょう『非正規デ、ノコリマスカ? ソレトモ、辞メマスカ?』」「全駐労はあなたに問いかけます『見て見ぬふりをしていませんか? NGISも、MWRも、IHAだけでなく、影響はMLCにも表れていませんか?』」と。
 ことの発端は2011年1月21日に締結された新特別協定だ。いわゆる日米地位協定は「経費負担」として以下の一部または全部を日帝が負担すると規定している。それは①労務費、②水光熱費、③訓練移転費、の3項目とされている。新特別協定は①労務費に関して「日本側が負担する上限労働者数を現行の23055人から22625人に段階的に削減」としたのである。この430人分の人件費削減をもって、AAFESが再雇用の労働者を30時間のパートとし始めたのである。
 これに対して全駐労は、当該AAFESの労働者が多数加盟するズケラン支部を先頭に、12年7月13日に「在沖縄AAFES全従業員」を対象とした第1波24時間ストライキに突入した。このスト支援集会にズケラン支部以外の支部(マリン支部・空軍支部)の組合員が年休を行使して合流した。米軍はスト当日に年休を取得した労働者全員を、スト参加の有無にかかわらず無給とする対抗処置を通告し、実際に国も支払わなかった。全駐労はこれに対して裁判闘争を開始し、和解勧告を蹴って全面勝訴した。

体制内指導部を打倒し非正規職撤廃へ前進を!

 しかし問題は、この新特別協定での人件費430人の削減を全駐労中央本部(体制内指導部)が容認したことである。AAFESの再雇用パート化は、とどまることなく労働者を直撃した。6月5日の大衆団交の場で沖縄の組合員は「特別協定による430名分の予算削減が重くのしかかっている。人を減らすばかりで補充せず、私は3人分の仕事をしており、有給休暇も取れない。強制的なパート化が全国規模となっている」と怒りを表明した。
 そしてこの新特別協定が来年3月31日で期限を迎える中、AAFESに関して、「現役の常用フルタイム従業員に対するパート化の動きや、企画立案部門の事務系従業員を除き、ほとんどすべての従業員を非正規雇用とする方針が打ち出されているとの情報も寄せられています」(2015年6月27日の全駐労2015年度第2回中央委員会)となってきたのだ。さらに在沖海兵隊は、基地内における労働組合活動を規制し始めた。
 われわれは米軍再編=辺野古新基地建設は基地労働者の大量解雇攻撃と一体であると訴えてきた。そのとおりの攻撃が具体化されようとしている。昨年5月末段階での沖縄の基地労働者は8913人、うちIHAは2712人(AAFESは1495人)だ。沖縄の基地労働者の3分の1はIHAであり、その半数はAAFESで働いているのである。さらにIHAは青年労働者と女性労働者が多数を占めている。これだけの数の労働者への非正規職化攻撃は、「3人に1人が首切り」とされた国鉄分割・民営化と同じ全駐労への全面的な団結破壊攻撃であり、基地労働者の総非正規職化攻撃の開始だ。
 しかしここに沖縄全島ゼネスト情勢の核心的なテーマがある。基地労働者の総非正規職化と全駐労破壊の先にある、「米軍再編で強化された、21世紀の100年も『基地の島』」=「総非正規職化された島」など断じて認められない。戦後70年=沖縄戦70年と「復帰」43年の革命的決着をかけた歴史的決戦の開始だ。

青年・学生とともにゼネスト指導部へと飛躍する

 沖縄の労働者階級の闘いの「原点」は絶対にあいまいにできない。
 「軍隊は住民を守らない」――日帝は沖縄を「帝国の南門」として位置づけ、「軍官民共生共死の一体化」のかけ声のもと沖縄戦に突入した、この歴史だ。今日、「離島防衛」を叫ぶ安倍政権は、宮古島・石垣島・与那国島などの先島諸島に自衛隊の配備を強行しようとしている。「離島防衛」「抑止力」とはかつての「帝国の南門」と同じ論理だ。
 さらに安倍政権は安保関連法案の強行とともに、この夏にも辺野古新基地建設へ埋め立て工事を開始しようとしている。しかし、140万沖縄県民の怒りに包囲されボーリング調査すら、3回工期を延長してもいまだに終わっていない。安倍政権へさらに怒りが燃え上がることは必至だ。
 「基地の島」「非正規職の島」、総じて新自由主義に対する根底的な怒りの決起が青年労働者を先頭に開始されている。安倍政権への怒りを全面的に解き放ち、5・17県民大会3万5千人結集を上回る10万県民大会を何度でも実現しよう。そして「オール沖縄」をのりこえ、沖縄全島ゼネストへと不退転の決意で闘いを前進させて安倍政権を打倒しよう!
 基地労働者を先頭に、何よりも非正規職の青年労働者は自らを沖縄の労働運動と階級闘争のゼネスト指導部として登場させよう。IJBS(日本IBMビジネスサービス)労組の闘いを発展させ、9月8日の第8回裁判への大結集を実現し、反動的な訴訟指揮を開き直る裁判長を打倒しよう。動労千葉・動労水戸―動労総連合の青年労働者の闘いと一体となりNTT、全駐労、JP、全産別に階級的労働運動派の拠点を打ち立てよう。140万沖縄県民に『前進』を持ち込もう!
 140万沖縄県民を率いて闘うゼネスト指導部への、革共同沖縄県委員会の飛躍と変革が鋭く求められている。われわれは革共同50年、沖縄県委員会40年の歴史をかけて、この飛躍と変革を沖縄の青年労働者・学生とともにやり抜く決意だ。沖縄の青年労働者と学生は革共同沖縄県委員会に結集し、ゼネスト指導部への飛躍をかけて激動の2015年決戦をともに闘おう!

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AAFES Army & Air Force Exchage Service、米国陸軍と空軍が共同運営する福利厚生組織。
IHA Indirect Hire Agreement、諸機関労務契約。諸機関とは地位協定第15条に規定する海軍販売所、PX(post exchange=売店)、社交クラブ、劇場など。
NGIS Navy Gateway Inns & Suites、海軍宿泊施設部。
MWR Morale, Welfare and Recreation、基地内の福利厚生などを担当している互助組織。
MLC Master Labor Contract、基本労務契約。

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