動労水戸支援共闘を拡大し常磐線全線開通絶対阻止を 支援共闘呼びかけ人代表国労秋田闘争団 小玉忠憲さんの訴え

週刊『前進』06頁(2691号02面04)(2015/07/27)


動労水戸支援共闘を拡大し常磐線全線開通絶対阻止を
 支援共闘呼びかけ人代表国労秋田闘争団
 小玉忠憲さんの訴え

動労総連合建設しゼネストへ!

 戦争法案の強行採決、派遣法など労働法の大改悪、さらには新捜査手法の導入と、安倍政権はきわめて凶暴かつ絶望的にあがいています。しかし日本の労働者階級人民は韓国・民主労総の巨大なゼネスト闘争と連帯し、安倍打倒へ連日、数万人が国会に押しかけ、全国で数十万人が根底的怒りを爆発させています。
 一方、JR資本は7月から駅業務の全面外注化を開始し、転籍の強要など青年労働者すべてを非正規職にたたき込み、「労働者は死んでも構わない」というすさまじい攻撃を開始しました。
 「戦争か革命か」という大情勢に対し、われわれはどんな困難があろうと日本でのゼネストを闘いとるため、動労総連合を全国に建設・拡大し、労働現場から徹底抗戦する路線と方針を打ち立てました。動労千葉とともに動労水戸の存在と闘い―動労水戸支援共闘の存在とこれからの闘いは決定的な位置にあります。

再稼働と帰還の強制は許せない

 6月25日に電力各社の株主総会が開かれ、性懲りもなくどの経営陣も原発再稼働方針だけは明確にしました。全原発稼働停止中でも電力は足りている現実から逃げ、「再稼働で低料金」と大うそをつき、あくまで核武装に突き進もうとしているのです。
 一方、国土交通省は常磐線開通を宣言し、JR東日本は4月から工事に着手しました。自民党復興加速化本部は17年3月までに避難指示を解除する方針を打ち出し、福島県当局は住宅の無償提供を打ち切ると決定しました。避難を強いられている人びとは死んでも構わないという攻撃です。
 常磐線開通工事についてのJR水戸支社の作業指示には、「箇所長は作業者に対し、放射性物質を吸入摂取・経口摂取するおそれのある作業場で、喫煙または飲食することを禁止し、その旨を作業者に周知する」とあります。猛暑の中での被曝労働を強いながら、タバコを吸うな、ものを食べるな、水も飲むなとはいったい何なのだ!
 安倍政権は2020年オリンピックに向けて、何が何でも帰還を押しつけ、福島復興の仮象づくりを被曝労働の強制を通してやろうとしているのです。絶対に粉砕しなければなりません。

原発労働者と団結し希望創る

 動労水戸は、ふくしま共同診療所と一体化しながら、常磐線の現地調査を行い、団体交渉で徹底追及してこの情勢と対決しています。原発労働者との信頼関係を築き上げ、原発労働者の講演会を開催し、このたびパンフレットを発行しました。そこでは、廃炉のためには原発労働者が労働組合をつくり、労働者の団結でその意志を資本に強制するしかないというきわめて重要な内容が提起されています。「フクイチ」という漫画のレベルではありません。あらゆる機会をつくり学習会や読み合わせをしてほしいと思います。
 避難している浪江町や南相馬の住民が新たな集団訴訟に立ち上がりました。「国や東電は加害者のくせに、被害者に被曝してもそこで生活しろと言う。おまえらに何ひとつ発言権はないんだ」という叫びです。被曝との闘いはこれからが正念場です。この怒りと固く結合し、労働組合がその先頭に立つ時に、絶望ではなく希望が生まれ展望が見えてくるのです。

被曝労働拒否を訴え労組オルグ

 この間、福島県を中心に40近くの労働組合オルグをしています。
 A労組三役と動労水戸の被曝労働拒否闘争記録ビデオを一緒に見て、1時間くらい討論しました。彼らも被曝労働拒否の闘いをしていて、「運ばれてきたものはものすごく汚染されているから、自分たちで一つひとつ線量計で測定し、危険なものは持って帰れとやっている」「国道6号線や常磐道を通ってきたものは全部積み下ろしを拒否する」「動労水戸の闘いはよくわかる。おれたち自身の闘いです」と語ってくれました。
 県教組本部では3時間以上話し合い、結成報告のパンフレットもたくさん購入してもらいました。「教育現場でも子どもや教師の被曝は深刻であり、それとの闘いは重要だというのはわかる」「しかし具体的にどうやったらいいのか」という試行錯誤の渦中にありました。労働運動の新たな大転換を創造する意識的格闘が求められていると思いました。
 かつて国鉄分割・民営化に賛成し、オルグで訪ねた時に「出て行け」と言われたことがあるC労組本部を訪問しました。あれから30年たちますが、「最近、書記長になりました」という方は、「自分たちトラック運転手も、国道6号や常磐道の通行は労働組合が了解しない限りやらせない」と言っていました。被曝労働との闘いはあらゆる労働現場の労働問題そのものです。動労水戸の具体的闘争を真っ向から提起することを通して、初めて「そうなんだ」となる感触をつかみました。
 常磐線開通の工事が行われている小高駅などの周辺の現地調査も行いました。線路の砕石(バラスト)交換作業をしていましたが、JR下請けのD建設が請け負い、実際に作業しているのはさらにその下請けのE工業という東京都内の会社です。すぐ近くで行われている除染作業の作業員は形式的にマスクだけはしていますが、線路作業員は誰一人マスクもしていない驚くべき状況です。
 被曝労働との闘いは徹底非和解であり、「労働条件の改善うんぬん」という話ではありません。田も畑も住居の周りも、汚染されたままの草がぼうぼうに生えています。山野はまったく除染もされず水も使えない。こんなところに住むことは絶対にできません。
 現場で被曝労働を強いられる彼らが立ち上がることは、生易しいことではありません。少しでも声を上げたらすぐに雇い止めです。動労水戸や支援共闘の労働者が絶対反対で激突して闘っている具体的な姿を見ることを通してのみ、初めて可能性が見えてくるのです。

動労水戸と交流深め陣形強化を

 支援共闘の会員数はようやく500口を超えました。姿・形の見える闘争や運動づくりはまだまだですが、動労水戸と団結し、いわき現地闘争や常磐線開通を許さない闘いなど、避難者住民の怒りと結合する行動を創造したいと考えています。
 福島の闘う労働者は「被曝自体を問題にしなければ反原発といってもインチキ。動労水戸のような闘いが最も求められている」と語っています。全国の仲間の皆さん。夏〜秋の過程で、動労水戸との交流会・学習会・講演会など、各地で積極的に取り組んでほしい。その積み上げの中から新たな陣形の拡大やもっと具体的な方針も見えてくると確信します。
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