新自由主義医療と対決を 戦争と労組破壊の安倍打倒へ 医療・福祉労働者は団結しよう 革共同医療福祉労働者委員会
週刊『前進』06頁(2688号03面04)(2015/07/06)
新自由主義医療と対決を
戦争と労組破壊の安倍打倒へ
医療・福祉労働者は団結しよう
革共同医療福祉労働者委員会
国鉄闘争を基軸とするこの間の私たちの闘いは、戦争法案と労働法制改悪に突き進む安倍政権に対し、「こんな現実はもう我慢できない!」という労働者階級の壮大な怒りの決起をつくり出している。しかし、これはまだ闘いの始まりである。アベノミクスの最後的破産と日帝経済の破滅的危機の中で、70年安保闘争をこえる闘いが爆発することは確実だ。それは革命の勝利までやむことのない闘いである。だからこそ、いま私たちに求められていることは、労働者階級の怒りの決起を職場の団結に転化し、この社会全体を労働者階級の側に取り戻していくことである。革共同医療福祉労働者委員会の任務もここにある。
「命よりカネ」の新自由主義
医療・福祉の分野は、安倍の戦争政治の最大の焦点となっている。安倍政権は「持続できる制度の再構築」の名のもとに、社会保障の全面解体に踏み切った。「医療・介護総合法」と「地域包括ケア構想」で中小病院の解体=地域医療の解体を推し進め、利用者を大病院へ丸投げして、介護制度の実質上の解体を全面的に進めている。この4月からは、介護報酬が2・27%もカットされた。介護施設の現場では「もうやっていけない」という悲鳴が上がっている。連日報道される介護現場での「虐待」や「事故」は、介護現場の壮絶な現状を物語っている。
国鉄闘争や原発事故で明らかになったことは、「新自由主義は社会に一切責任を取らない」ということだ。どれだけ事故が起ころうと、どれだけ健康被害が出ようと、資本の金もうけのためなら仕方がないということだ。現在の医療・福祉の現場は「命よりカネ」の新自由主義医療そのものだ。
この新自由主義攻撃の核心は、声を上げる労働者階級への徹底した弾圧=団結破壊にこそあった。
2000年に介護保険制度が導入される中で、介護部門が民営化され、医療・福祉の現場では激しく団結が破壊されていった。これまで一定の戦闘性を発揮していた医療・福祉の労働者の組合組織率は、介護保険制度の導入の中で1割を切るレベルにまで下降し、14年度には6・9%にまで落ち込んだ。介護職に関しては、ほとんどが組合に加盟していない状態だ。
そうした状況の中で、医療・福祉の現場にはすさまじい強労働が吹き荒れていった。団結破壊こそが、新自由主義医療の核心的攻撃だ。
全国の病院で闘いが前進
しかしこれに対し、闘う医療・福祉労働者は真正面から団結を対置し闘いぬき勝利してきた。2000年から始まった八尾北医療センター民営化との闘いは、労働組合が地域の拠点となることで05年に大病院への売り渡しを粉砕し、八尾市の明け渡し攻撃を跳ね返し、地域医療の拠点として団結を守り抜いてきた。ふくしま共同診療所の闘いは、「被曝隠し」という新自由主義医療の極致ともいうべき攻撃と真っ向から対決し、福島に生きる労働者階級の心の拠りどころとなってきた。新自由主義医療を告発し続けるふくしま共同診療所の闘いは、医療のあり方そのものを問う闘いとして、福島県医師会をも揺り動かしている。
こうした闘いが、新自由主義医療を根本において破産させてきたのだ。
新自由主義が崩壊する時代はゼネストの時代でもある。安倍政権の戦争政治の中で、医療・福祉の現場からついに反乱が始まった!
東京のある病院では、職場での外注化攻撃に対し、正規・非正規を問わず組合に組織し、何波にもわたってストライキで闘いぬいてきた。この中で、地域の拠点として多くの労働者を組織し、団結を拡大し続けている。
大阪のある病院では、一人の労働者に対する解雇攻撃に労組執行部が立ち向かい、職場で必死に討論を重ねる中で、闘う団結がよみがえり始めた。不当な配転攻撃に現場の労働者が団結して闘い、これを撤回させた。
「低賃金で家族が養えない」「職場でのイジメがひどく、技術・技能の継承や指導が困難になっている」「新入職員が体調を崩し、退職者が続出している」――医療・福祉の現場では、怒りの声を聞かない日はない。だからこそ、「絶対反対」で団結する旗が立った時に、膨大な労働者が決起する時代である。
国鉄闘争軸に拠点の建設を
勝利の時代だからこそ、最も鋭く問われるのは路線をめぐる闘いである。現場からわき起こる怒りの決起に対して、最悪の妨害物となっているのが体制内勢力だ。極右・桜井よしこが絶賛するUAゼンセンは、資本の力を借りて介護労働者の組織化に全力をあげている。その中軸に座るのはイオングループ労働組合連合会であり、これと連動してイオングループが介護部門の事業拡大に乗り出した。体制内勢力と資本が手を組んで、医療・介護に押し寄せている。
また、ふくしま共同診療所にもっとも敵対してきたのが、「反原発」を叫ぶ体制内勢力であった。福島大学の副学長だった清水修二などは、「反原発に政治を持ち込むな」と、東電と政府に対する追及にすら制動をかけた。
こうした、おぞましい体制内派の裏切りこそ、新自由主義医療のもう一つの柱である。6・7国鉄集会はそのことをすべての労働者階級に鮮明にした。今こそ国鉄闘争を武器に、職場で路線論議を巻き起こし、全国に労組拠点をつくり上げよう! 動労総連合の建設に、医療福祉委員会こそが責任を取ろう!
「街」への不当な弾圧許すな
医療・福祉とは、人間社会の根幹にかかわる労働である。医療・福祉をめぐる攻防が前進すればするほど、日帝国家権力と非和解的な全面的激突になっていく。東京北部の「オープンスペース街(まち)」にかけられた不当弾圧はその最大の攻防となっている。「オープンスペース街」が20年間以上、障害者解放の拠点として維持され、その力が地域全体を獲得しつつあることに恐怖した日帝・安倍政権は、なんの根拠もないまま、苦しまぎれに「詐欺」をデッチあげ、前理事長の家まで強制捜索するという許しがたい不当弾圧に踏み切った。
安倍政権に反対する事業所は、警察を動員して弾圧する――これこそが、戦争政治そのものであり、新自由主義の真の姿だ。医療・福祉労働者の誇りをかけて、「街」への不当弾圧をはねのけよう!
韓国・保健医療労組の闘い
27万人が決起した4月第1次ゼネストを引き継ぎ、韓国・民主労総は7・15第2次ゼネストの巨大な爆発に向かって進んでいる。ソウル大学病院労組は4月23日から20日間のストライキで成果主義賃金の導入を阻止した。そして今、サムスンソウル病院を感染源として拡大したMERS(中東呼吸器症候群)感染の事態に対して、保健医療労組はパククネ政権とサムスン病院を糾弾して闘っている。保健医療労組は、「人員削減と非正規職拡大といった医療民営化政策が院内感染のリスクを高め、MERS拡大の原因となっている」と新自由主義医療を弾劾し、「患者の安全と国民生活のためには非正規職のない病院づくりが切実である」と述べて、なすすべを持たない保健当局に代わって労組が病院を動かそうとしている。
民主労総のパククネ政権打倒の7・15全国ゼネストと固く連帯して、私たち日本の医療・福祉労働者も、病院・施設を地域の絶対反対の拠点職場として打ち固め、ゼネスト情勢をわが手で切り開こう。