八尾北労組が中軸担いNAZEN八尾を結成 杉井医師、照沼さんが報告
週刊『前進』06頁(2687号06面02)(2015/06/29)
八尾北労組が中軸担いNAZEN八尾を結成
杉井医師、照沼さんが報告
(写真 杉井医師の報告に熱心に聴き入る参加者【6月20日 八尾市】)
6月20日、八尾市プリズムホールに150人が結集し、NAZEN八尾の結成をかちとった。
「八尾北医療センターで甲状腺エコー検査を始める」にあたって末光道正院長と八尾北労組が集会を呼びかけた。ふくしま共同診療所の杉井吉彦医師と動労水戸の照沼靖功さんを迎えて開かれた集会は、開場と同時に満席となり、椅子が足りないほど盛況だった。
最初に杉井医師の報告を受けた。スライドを使い、「最大の問題は内部被曝だ。1本の放射線でも体内に入るとDNAに影響を及ぼす。何㍉シーベルト以下なら大丈夫などということは絶対にない。だから原則は避難そして保養、医療だ。募金診療所としてふくしま共同診療所ができた。甲状腺がん及び疑いのある子どもが127人もいるのに放射線の影響ではないと言い張る国や福島県は許せない。仮設住宅の健康相談で『めざせ、5年後の生きてる自分』という標語に出合った。すでに関連死が毎月20人、直接死を超えている。これは虐殺だ!」と訴えた。「何かしなければ」という思いで会場がひとつになった。
次に照沼さんが報告した。「2011年10月、被曝車両を動かす攻撃がかけられた。東労組は、何百何千人いても会社の理不尽な要求に闘えない。私はたった37人の動労水戸に移った。職場だけでは狭くて何も見えない。全国に行く中で、職場が違っても同じ攻撃だとつかみ、労働者も労働運動全体も成長していく。1年たらずで動労水戸に青年が1人、また1人と増えた。5月に原発労働者と交流した。『福島第一原発は今はただ水を入れ続けているだけ。次は大爆発になる。みんな非正規労働者だ。ここにこそ労働組合が必要だ』と。労働組合が受け入れられる時代だ。〈避難・保養・医療〉の原則に〈労働組合として闘う〉を付け加えたい」と訴えた。
八尾北労組の藤木好枝委員長が基調報告。①ついにエコー検査を始める②原発事故は終わっていない③労働者は労働組合を通じてすごい力を発揮する④八尾北労組を拠点にNAZEN八尾を発展させよう、と提起した。
そして末光院長が「患者から説明を求められても現場で即座に伝えず、2~3カ月後に郵送という福島県のマニュアルは許せない。八尾北は労組が中心になって民営化=廃院攻撃にうちかってきた。ゼネストこそ八尾北に常勤医師を見つけ出す道だ」とアピールした。
次に、「八尾北命と健康を守る会」が診療所と動労水戸にカンパを贈呈し、全国水平同盟西郡支部、関西合同労組大阪東部支部、婦民全国協八尾支部、NAZEN京都、大阪・星野文昭さんを取り戻す会 、全学連が会場から発言した。最後に、八尾北労組の青年がスローガンを読み上げ、一人ひとりが主体的に責任をとりきった。労働組合の基礎的団結を土台にして、それを階級的団結に転じる過程が始まった。
(八尾北医療センター労組員・青木麻季)