橋下のあがきにトドメを 労働者の怒りに追いつめられ 戦争法と派遣法で安倍と野合
橋下のあがきにトドメを
労働者の怒りに追いつめられ 戦争法と派遣法で安倍と野合
安倍政権は、日々燃え広がる労働者人民の怒りに追いつめられ、戦争法制定のために9月27日までの国会会期延長を決めた。この安倍に手を貸し、戦争法と労働者派遣法改悪の強行突破に動いているのが維新の党、大阪市長の橋下徹だ。橋下はすでに打倒されている。第2の分割・民営化阻止決戦を基軸に1000万人の怒りと結合し、安倍もろとも橋下に最後のとどめをさそう。
橋下・維新を取り込み法案の強行を狙う安倍
5月17日、橋下は現場労働者の絶対反対の闘いのうえに「大阪都構想」住民投票に敗れ、打倒された。維新の党代表を辞任して最高顧問となった橋下は、「政界引退」表明の舌の根も乾かない6月14日に安倍と会談し、派遣法改悪と戦争法制定の強行突破、改憲に向けた謀議を行った(写真は会談後の両者)。
安倍政権は絶望的危機に突入している。朝日新聞の6月21、22日付世論調査では安倍政権の支持率は39%に急落し、「戦争法反対」は53%に達した。共同通信の調査でも「反対」が5月から11・1ポイント上昇し58・7%となった。日を追うごとに怒りが満ちている。労働者・学生、学者や文化人を始め、戦争法絶対反対・安倍打倒の声が高まっている。恐れおののく安倍は橋下を取り込み、橋下は自らの「復活」をもかけたおぞましい悪あがきを始めた。
橋下は安倍との会談の翌日、6月15日から民主党攻撃を始め、「内閣における憲法の有権解釈者は総理大臣。憲法解釈が時代とともに変遷するのは当然のこと」などと主張して、集団的自衛権の憲法解釈を変更した安倍の擁護に全力を挙げ出した。戦争法案をめぐる与党との修正協議に「応じるつもりはまったくない」としていた維新の党執行部を軌道修正させ、対案を出すことで採決強行に手を貸そうとうごめいている。
安倍と橋下の憎むべき謀議の結果、6月19日に労働者派遣法改悪案が衆院を通過した。全派遣労働者に「生涯派遣」と一斉雇い止めを強制し全労働者の非正規職化を狙う派遣法改悪に怒りが燃え上がり、国会審議も立ち往生していた。維新の党が柔軟姿勢に転じることで衆院採決の道を開いたのだ。絶対に許せない。
しかし、橋下の手を借りるほかないほど安倍の危機は絶望的だ。経済の破滅も刻々と迫っている。延長された国会会期の全過程が労働者人民の巨大な階級的覚醒(かくせい)を生み出し、怒りを極点まで燃え上がらせていく。60年、70年を超える戦後最大の階級決戦が始まっているのだ。
民営化・労組つぶしとの8年の闘いが橋下倒す
5月17日、沖縄県民大会が大高揚したその日、民営化に絶対反対する現場の闘いが大阪都構想を粉砕し橋下を打倒する大勝利がかちとられた。
08年大阪府知事としての橋下の登場以来、足かけ8年、動労千葉派は、09年3・6道州制粉砕・橋下打倒闘争を突破口に「橋下を打倒する力は闘う労働組合にこそある」と訴え、国鉄闘争を基軸に、一切を階級的団結をめぐる攻防として闘いぬいてきた。360万公務員全員解雇攻撃との闘いを鮮明にさせ、闘う労働者に対する「保育事故」のデッチあげや「君が代不起立」「入れ墨調査拒否」などを口実としたあらゆる処分攻撃に対して絶対反対で闘ってきた。団結破壊を狙ういかなる職務命令も不当労働行為であるとして、団結権を貫いて闘ってきた。そうした現場労働者の不屈・非妥協の闘いが大阪の全労働者人民の怒りと結合して、橋下の都構想を粉砕し打倒したのだ。
都構想は、安倍の戦争と改憲、第2の分割・民営化の最先端の攻撃だ。大阪丸ごと民営化による公務員全員解雇・総非正規職化と労組つぶしであり、上下水道や地下鉄・バス、清掃、病院、学校、保育所などあらゆる自治体施設と都市機能を民営化し、統廃合し、大規模再開発で地域を破壊して大阪を根こそぎ更地化し巨大資本に投げ与えるすさまじい攻撃だ。
慶応大学教授で大阪府・大阪市特別顧問の上山信一(うえやま・しんいち)は5月11日付日経ビジネスで以下のように公言している。
「都構想が目指す大阪市役所の分割と民営化、そして大阪都への再編は、大阪のローカルな事件にとどまらない。『国鉄』、『郵政』に次いで......巨大で非効率な公共事業体が〝分割民営化〟される大改革の始まりを意味する」「都市の大改造が大阪で始まる。全国の自治体の先頭を切って地下鉄、バス、ごみ収集、上下水道が民営化される。......そのうねりは明治以来の中央集権国家の解体や道州制の導入につながる」。89年東西ドイツ統一後のベルリン再開発を例に出して「大阪市は市域の26%もの土地を所有する。......これらの資産も売却、あるいは企業に貸せば(無償でもよい)有効活用され、都市の成長と雇用創出につながる」。まさに究極の新自由主義攻撃だ。
世界はゼネスト情勢だ1千万の怒りで倒そう
現場の絶対反対の闘いが、体制内労組幹部の屈服をのりこえ、橋下が狙った水道、地下鉄・バスの民営化などをことごとく破綻させてきた。土俵際まで追いつめられた橋下は、公務員の政治活動を禁止し数億もの金を使って都構想住民投票に賭けた。改憲国民投票の先取りだ。それをも、現場の怒りが粉砕したのだ。
もはや安倍も橋下もボロボロだ。国会内の議席の数合わせでなんとかなるような問題ではない。
日帝経済は国債暴落と株バブルの崩壊、破滅に向かって突進している。階級矛盾が根底から爆発し、ゼネストとプロレタリア革命の情勢が急速に成熟してきている。
安倍の戦争法・改憲と民営化・首切り、派遣法改悪と労働基準法解体、社会保障解体に怒りを爆発させ、労働組合旗、大学自治会旗を押し立てて数万の労働者・学生が国会に押し寄せている。桜井よしこが「自治労や日教組が前面に立って、いまだに反基地、改憲反対運動をやっている」「官公労と決別し、連合を分裂させよ」と危機感をむき出しに絶叫し、労組解体と産業報国会化に望みを託す日帝・支配階級にとっての悪夢のような激動が始まっているのだ。
7・15民主労総ゼネストと連帯し、第2の分割・民営化阻止決戦に突入した国鉄決戦を基軸に絶対反対の職場闘争が全産別で繰り広げられ、動労総連合と階級的労組拠点の建設が進んでいる。全島ゼネストに突き進む沖縄の怒り、動労水戸の被曝労働拒否の闘いと結合した福島の怒り、反原発闘争の前進を見よ。
職場生産点から総決起しよう。戦争法阻止!7・5大集会に結集し、戦争絶対反対・改憲阻止の1000万人署名を進めよう。7・1―7・15国会闘争に決起しよう。「自衛戦争」を承認し、闘いをあくまで資本主義体制の枠内に押しとどめようとする日共スターリン主義や体制内労組幹部の制動を打ち破り、階級的労働運動の爆発で安倍・橋下にとどめをさそう。
(大迫達志)