知る・考える 用語解説 血債主義/「オールジャパン」

週刊『前進』06頁(2684号05面04)(2015/06/08)


知る・考える 用語解説
 血債主義/「オールジャパン」

血債主義-労働者階級への絶望を組織

 帝国主義国である日本の労働者階級は被抑圧民族人民への排外主義・差別主義に侵されていて、革命の主体にはなれないとする思想。労働者階級への不信と絶望をあおり、「プロレタリア革命をやっても差別はなくならない」として、プロレタリア革命とマルクス主義そのものを否定する思想である。
 「血債」とは、「血の債務」という意味。「墨で書かれた虚言は血で書かれた事実を消すことはできない。血債は必ず同一物で返済されねばならない」という中国の文学者・魯迅の言葉によるもの。
 革共同は70年闘争の過程で、日帝による朝鮮・中国・アジア人民への侵略戦争と植民地支配の全歴史と、日本の労働者階級がこれを阻止できずに敗北したことへの自己批判的総括を行い、この日帝を必ずや打倒しぬくことによってアジア人民への階級的責任を果たすと決意して闘ってきた。だが血債主義者はこれを「日本の労働者は腐敗堕落している」という労働者階級への蔑視に転化し、帝国主義との闘いから逃亡する口実にした。
 「党の革命」は階級的労働運動路線への反対派を打倒するとともに、この血債主義をも最終的に打倒し、一掃した。今日の韓国・民主労総との国際連帯の巨大な発展は、血債主義の打倒の上にこそ切り開かれている。

「オールジャパン」-階級闘争圧殺のスローガン

 「オールジャパン」とは、「資本家も労働者も手を組み一丸となって」と言いなして、現にある階級対立とその非和解性を否定し、支配階級のもとへの総結集を求めるスローガン。労働者階級の闘いの圧殺が最大の目的。「オール沖縄」や「オール福島」なども同じである。
 経団連の2015年版経営労働政策委員会報告(経労委報告)は、「政府・企業・国民が危機感を共有しつつ、オールジャパンで日本再興に取り組む必要がある」として、労働組合の屈服と資本への協力を求めた。「オール沖縄」は、新基地への怒りが日米安保と戦争法絶対反対の闘いと結合し、全島ゼネストへと発展することを恐れた支配階級と既成政党、マスコミと腐敗した労組幹部らが掲げた。「オール福島」もまた、「復興のために力を合わせ」などとして、原発事故と放射能汚染をもたらし被曝と被曝労働を強制し続ける国や県、資本に向かう批判を黙らせ、「生きさせろ!」の闘いを押しつぶすものとして掲げられた。
 これらは「1%」の支配階級の利益のために「挙国一致」を掲げて全人民を戦争に動員し、反対する者を「非国民」として弾圧し排除する国家主義の攻撃に行き着く。これを打ち破るのは、労働者階級が労働組合によるゼネストを闘い、プロレタリア革命へと進むことである。
このエントリーをはてなブックマークに追加