被曝労働拒否の闘う団結で伊方原発再稼働絶対阻止を 佐田岬半島で避難は不可能

週刊『前進』06頁(2684号04面02)(2015/06/08)


被曝労働拒否の闘う団結で伊方原発再稼働絶対阻止を
 佐田岬半島で避難は不可能



(写真 労働者市民が集まり、愛媛県庁前で毎週行われている「伊方原発再稼働反対!」金曜行動)


 原子力規制委員会は5月20日の定例会合で、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、再稼働の前提となる審査の合格証の原案に当たる「審査書案」を了承した。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)と並行して進められている伊方原発の再稼働策動を絶対に許さない。国鉄闘争全国運動6・7全国集会の大成功を引き継ぎ、闘う労働組合の団結の力で核武装のための再稼働を阻止し、全原発廃炉へ闘う決意である。

中央構造線断層が半島数㌔沖合を平行に走る

 2013年9月の関西電力大飯原発4号機(福井県)の停止以来2年8カ月、労働者階級の団結した力は一つの原発の再稼働も許さない力関係を築き上げてきた。再稼働阻止!全原発廃炉へ、いまこそゼネスト情勢をさらに大きく発展させ、「被曝労働拒否」を貫く労働者の壮大な決起をつくりだそう!
 伊方原発3号機はプルトニウム・ウラン混合燃料(MOX燃料)を使うプルサーマル原発であり、他の原発以上に危険だ。
 さらに、伊方原発は「日本一細長い」(40㌔メートル)佐田岬半島の付け根にある。沖合数㌔のところを半島と平行に日本最大の断層「中央構造線」が走っている。現在予想されている「南海トラフ地震」では震度7が確実とされる。伊方原発で事故が起これば、半島に住む5千人以上の人びとは放置され、被曝を強制されるのである。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、審査書案の了承後に開いた記者会見で次のように語った。「(重大事故の際)5㌔圏内は避難で5㌔圏外は屋内退避が基本」「慌てて避難行動をとるのが良いことではないと福島第一原発事故の経験で分かった」(愛媛新聞5・21付)。事故が起これば避難は不可能と知りながら、再稼働へのゴーサインを出したのだ。

事故が起これば労働者は被曝労働強制される

 そして同日、規制委員会は原発の過酷事故の収束作業に当たる労働者らの被曝放射線量の限度に関する法令の「改正」案をまとめた。現行の年間上限100㍉シーベルトを250㍉シーベルトに引き上げるというのである。本当に怒りなしには聞けない。
 この「改正」が実施されれば、原発労働者への被曝強制はさらに過酷になる。同時に、事故が起こった際に、自治体労働者、交通運輸労働者、医療・介護労働者に対し「250㍉シーベルトにはならないのだから、現場に行け」という職務命令、業務命令が出され、まさに被曝労働が強制されるのである。
  「3・11」を経験し「原発と人類は共存できない」ことを確信した労働者階級は、再稼働阻止・全原発廃炉のために自分たちに何ができるのか、その方針を心から待ち望んでいる。「全労働者の被曝労働拒否のゼネスト決起で原発を廃炉に!」という行動方針を真正面から持ち込み、組織化を前進させよう。
  「自分への、そして働く仲間への被曝労働強制を許さない! だから原発を再稼働させるな」という声を全労働者の声にしていくことが再稼働を阻止する決定的な力となる。それは「ストライキの威嚇(いかく)」という労働者の団結の力で職務命令、業務命令をぶっ飛ばす闘いそのものだ。

フクシマの怒りと結び原発廃炉のゼネストへ

  「動労水戸は、すべての労働者に対する団結破壊、権利破壊、雇用破壊に対して団結を守って30年間頑張りぬいた。また、被曝労働拒否という誰も否定できないけれども、誰もが実現したことのない闘いを示した。自分の職場からストライキで原発に反対して闘うことがいかに困難なことか。しかしここに真実があるのです」「闘う労働組合、労働者の団結した力がこの社会も歴史も動かすんだということを、一人ひとりの労働者が実感としてつかみきったとき、労働者はものすごい力を発揮できるのです」(3月15日、動労水戸支援共闘結成集会での田中康宏・動労千葉委員長の発言)
 原発再稼働阻止・全原発廃炉の闘いの方針はまさにここにある。闘う労働組合が被曝労働拒否を掲げて立ち上がること、そして拠点労組を軸に地域に「被曝労働絶対反対」の闘う団結をつくりだすことだ。
 愛媛県職労は一貫して組合として被曝労働の強制に反対し「原子力災害にかかる業務についての申し入れ」で「『原子力災害対策業務』に関し、愛媛県は職員に危険な業務命令を発令しないこととしており、被ばくの避けられない『原子力災害対策業務』には従事することはできないから、伊方原子力発電所の再稼働に関する同意を行わず、廃炉としたうえで安全に管理していくよう、四国電力に要請すること」という組合要求を掲げて闘っている。この愛媛県職労が「被曝労働絶対反対」で団結をさらに強化するとともに、「地域の闘う労働者の拠点」として労働組合を組織して闘うことが伊方原発の再稼働を阻止し、廃炉を実現する力となる。
  「動労総連合を全国に」の大方針のもと、地域での合同一般労組の組織化と公務員決戦を一体で闘ってゼネスト情勢をたぐり寄せることの中に原発廃炉を実現する路線がある。
 愛媛県では6月7日、「伊方原発を止める会」が呼びかけた伊方原発再稼働反対の3千人集会が大成功した。東京での反原発金曜行動と連帯した「伊方原発再稼働反対! 愛媛県庁前金曜行動」は毎週金曜日に必ず行われ、6月5日で150回を数えた。毎回の行動の先頭にNAZEN愛媛の仲間が立ち、行動を牽引(けんいん)してきた。この行動は愛媛県職労の闘いと一体で、県庁の労働者に毎週、再稼働阻止を訴え、再稼働を狙う中村時広・愛媛県知事を直撃する決定的な闘いだ。
 闘う労働組合の拠点建設を推し進め、原発とその再稼働に反対する広範な声と結びついて、再稼働阻止!原発廃炉のストライキ決起をなんとしても実現しよう。被曝労働拒否をたたかう動労水戸支援共闘に入ろう。「動労総連合を全国に」の大方針を実現し、自治体・合同労組の拠点建設を進めることこそが再稼働阻止!全原発廃炉の運動を大きく発展させる。その原動力として地区党を強固に建設しよう。
 安倍政権の安保関連法制定攻撃粉砕の闘いと一体で、フクシマの怒りと固く連帯し、全原発廃炉のゼネストへ向かってともに総決起しよう。
〔革共同愛媛県委員会〕

このエントリーをはてなブックマークに追加