石川さんと連帯し狭山集会

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週刊『前進』06頁(2683号04面03)(2015/06/01)


石川さんと連帯し狭山集会

(写真 水平同盟の支部を建設し狭山再審闘争に勝利しようと誓った【5月23日 東京・江東区】)

 5月23日、無実の部落民・石川一雄さんが不当逮捕されて52年を迎えた。これを糾弾し第3次再審闘争の勝利に向け、同日、各地で狭山集会が開催された。東京、大阪、広島からの報告です。(編集局)

東京
 不屈の闘い共に 水平同盟の支部建設を

 東京集会は部落解放東日本共闘会議が主催し、江東区亀戸文化センターで開催された。開始前の亀戸駅前街宣で集会を知った2人を含め95人が参加した。関西に続き東京・関東で全国水平同盟の支部を建設し、その力で狭山裁判の再審を実現する意欲と決意に満ちた集会としてかちとられた。
 連帯のあいさつを星野文昭さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の戸村裕実共同代表が行った。多くの証拠が開示されながら再審が開始されないことへの石川さんの思いを共有し、戦時司法への転換と対決し、ともに全証拠の開示、再審へ闘おうと呼びかけた。
 石川さんの5・23アピールが紹介された。「この間の再審事件を見れば、現在の裁判所は、真相を究明し、積極的に無辜(むこ=無実の人)の救済をしようとする姿勢を感じ取れない」「第三次再審こそ絶対に無罪を勝ち取らねばなりません」「全身全霊をかけて闘い続けて参る決意でいます」。日帝最高裁・寺田体制を弾劾し、不屈・非妥協で闘い勝利する石川さんの決意に参加者は拍手で応え、ともに闘うことを誓った。
 基調報告を岩本正治事務局長が行った。「戦争反対、非正規職撤廃の闘いと一体で狭山闘争を爆発させ、第3次再審闘争に勝利しよう。韓国・沖縄―全世界はゼネスト情勢にある。これと連帯する6・7国鉄集会に3千人を結集させ安倍を打倒しよう」と呼びかけた。
 6団体が闘いの報告と決意表明を行った。
 東京東部ユニオンの小泉義秀委員長は「東部では、東洋モスリン亀戸工場での争議のように、分断を越えてともに闘った歴史がある。労組建設と一体で水平同盟の支部をつくる」と言明した。
 動労千葉の川崎昌浩執行委員は、この間の組織拡大を報告し、解雇撤回10万筆署名の達成と6・7集会への組織化を訴えた。動労水戸の執行委員は、被曝労働を強制する常磐線全線開通阻止へ闘う決意を述べた。東京労組交流センターの佐藤賢一運営委員は「橋下打倒の根底には労働者の怒りがあった。出発点は一人の決起だ」と強調した。全学連の森幸一郎書記次長は「亀戸街宣で、社会の差別と職場での分断が密接に結びついていると再確認した」と語り、沖縄大と京都大での自治会選挙を闘い安倍を打倒する決意を述べた。
 全国水平同盟からは杉並支部の狩野正幸書記長が発言した。狭山闘争の階級的復権に向けて星野闘争との共同街宣、解放講座に取り組んできたと報告。「西郡支部の闘いから高槻支部結成へと組織を拡大してきた。階級的労働運動の推進役として水平同盟がある」と力を込めて語った。
 まとめと行動提起を全国水平同盟の田中れい子書記長が行った。「沖縄のように国家権力に屈しない石川さんの52年の闘いを私たちの闘いとして貫く」「生きるための合同労組の闘いが次の社会をつくる基本」であると訴え、東京高裁要請行動、7・19全国水平同盟第4回大会への参加を呼びかけた。
 最後に、大西文夫事務局次長の音頭で、団結ガンバローを行った。

大阪
 同じ土俵で闘う 西郡8家族、国賠闘争へ

(写真 関西集会で基調報告に聴き入る参加者【23日 大阪・八尾市】)

 全関西狭山集会は、大阪・八尾市西郡第3集会所に、全関西から水平同盟、関西労組交流センターの労働者100人が結集してかちとられた。
 奈良市の自治体労働者、全学連の連帯のあいさつに続き、石川一雄さんのアピールが読み上げられた。石川さんの「現在の裁判所は、真相を究明し、積極的に無辜の救済をしようとする姿勢を感じ取れない」「第三次再審こそ絶対に無罪を勝ち取らねばなりませんし、今こそチャンス」という訴えに、参加者はあらためて再審勝利へ決意を固めた。
 基調報告に立った水平同盟西郡支部の久原正子支部長は、狭山差別裁判が60年安保闘争を闘った労働者階級への分断攻撃であったことを暴き、「国鉄決戦を軸にゼネスト情勢を切り開く闘いと一体で狭山闘争に総決起していこう」「労働者階級が自らの手で帝国主義を打倒し、社会の主人公になる時代が来た。韓国・民主労総の闘いに続き、全国水平同盟はゼネスト情勢の先頭で闘おう」と呼びかけた。
 続いて、京都のユニオン自立の労働者が「植木団地のビラを見て京都A地区で決起が始まり、A地区のビラを見てB地区で決起が始まった」と、ビラで闘いが広がっていることを報告。「高槻に続いて、部落解放運動を労働組合の階級的団結で闘いぬく」と述べた。
 水平同盟高槻支部員であり植木団地労組組合員の労働者は、植木団地から追い出すために高槻市が提訴したことを怒りを込めて弾劾し、6・26植木団地裁判への結集を訴えた。沖縄行動に参加した青年は「沖縄の団結の力を植木団地につくり出して闘う」と決意を語った。
 さらに住宅追い出しに対する国賠闘争を闘う西郡8家族が登壇した。佃文弘青年部長は、昨年の都知事選に決起する中で「悩んで悩んで、差別をなくすために建てさせた住宅論から労働者が生きるために建てさせた住宅論、労働者全体にかけられた問題へととらえ方を転換できた。8家族は、石川さんと同じ国家権力との闘いの土俵で闘えていることを実感し、国賠闘争に打って出る」と決意を語った。89歳の島瀬とよ子さんは「裁判所、警察、八尾市が私たちの荷物を全部奪ったけれども、何の効果もありません。これからも前へ前へと頑張ります」と不屈の戦闘宣言を発した。
 続いて関西合同労組大阪東部支部、大阪星野文昭さんを取り戻す会、動労西日本、八尾北医療センター労組が決意を表明した。取り戻す会は「星野闘争と一体で全証拠開示をかちとろう」、八尾北労組は「八尾北医療センターで甲状腺エコー検査を開始した。6・20NAZEN八尾結成集会へ結集しよう」と呼びかけた。最後に西郡支部の森本政二書記長のまとめで集会を終了した。
 6・7国鉄集会に全力で決起し、ゼネスト情勢の先頭で闘おう。地域・職場に水平同盟の旗を立て、7・19全国水平同盟第4回大会の成功をかちとろう。
(全国水平同盟西郡支部・植村清)

広島
 福島町に拠点を 絶対反対で団結つくる

(写真 広島集会で地域から次々発言【23日 広島市】)

 広島狭山集会は広島市西区福島町の旧隣保館で開催され、広島解放共闘に結集する広島連帯ユニオン、動労西日本、広島大学部落解放研などから30人が参加した。
 石川一雄さんのアピール読み上げに続いて、解放共闘事務局が基調提起を行い、4点を訴えた。
 ①大恐慌の世界戦争・核戦争への転化と韓国・沖縄のゼネスト情勢ゆえに激化する階級分断攻撃との闘いの最先端に狭山闘争がある、②分断を打ち破り階級的団結と人間的共同性を回復するゼネストを実現する過程で狭山闘争と星野闘争に勝利する、③八尾北・西郡を拠点とする住宅闘争が高槻・植木団地に、そしてさらに団結を拡大しているように、闘う労組拠点、地域拠点建設が決定的、④基軸的闘いは動労総連合建設だ。それと一体で福島町を始め地域に合同労組と水平同盟を建設しゼネスト情勢を開こう。
 地域からの発言で、広島連帯ユニオンの宮原亮青年部長が、学校統廃合、保育園や児童館の民営化問題なども集中する福島地区に闘う地域の拠点を建設しようと訴えた。広島連帯ユニオンに組織加入した高陽第一診療所労組は、新自由主義に屈した理事会が強行した高齢者複合施設「開所式」でビラを配ったことを報告し、医療・介護の民営化・外注化に絶対反対で闘い、地域拠点となる決意を述べた。草津病院支部は、数日前に地域のグループホームで起きた入居者死亡事故の責任が過重労働を強いられている青年労働者に押しつけられ逮捕されたことへの怒りを語り、地域の労働者の団結が求められていることを訴えた。
 職場の部落解放研で闘ってきた元郵政労働者は、国家権力ではなく労働者を糾弾の対象とする糾弾主義の誤りを指摘し、階級的団結で石川さんとともに闘おうと訴えた。動労西日本の大江照己委員長、岡崎昭夫組合員は組織拡大へ闘う決意を表明し、「国鉄闘争で石川さん、星野文昭さんは取り戻せる」と述べた。広島大学の部落研であり学生自治会の学生が沖縄闘争を報告し、学生自治会を拠点に闘うと表明。広島連帯ユニオン青年部が決意を語った。
 まとめで広島県労組交流センターの植野定雄代表が「絶対反対で闘う拠点建設の前進が広島でも地域の労働者を引き寄せ始めた。ゼネスト情勢を開く6・7国鉄集会へ総決起しよう」と訴え、団結ガンバローを行った。
(広島・H)

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狭山集会 1963年5月に埼玉県狭山市で起きた女子高生誘拐殺人事件(狭山事件)の犯人にデッチあげられた石川一雄さんの再審・無罪をかちとるための集会。

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