杉並 児童館全廃阻止へ 6・7国鉄全国集会に集まろう
週刊『前進』06頁(2683号03面02)(2015/06/01)
杉並 児童館全廃阻止へ
6・7国鉄全国集会に集まろう
(写真 児童館署名3600筆を区に提出/杉並区議会初日、東京西部ユニオンが児童館なくすな署名3600筆を杉並区議会議長に提出した【5月28日】)
「荻窪北児童館廃止は絶対に反対」「計画を白紙撤回しろ」――5月22日の杉並区の説明会はヤジと怒号に包まれた。荻窪北児童館や集会室などを含む施設「あんさんぶる荻窪」を廃止して税務署に土地を明け渡し、税務署跡地に特養ホームと併設する予定の「天沼3丁目複合施設」なるものをめぐる説明会だ。
「複合施設をめぐる要望に限り、他の発言はするな」とあんさんぶる荻窪の廃止を前提に説明会を進める高圧的な区の態度に、住民・労働者の怒りが爆発した。町内会を代表して「このまま住民を無視するならば署名運動を開始する」という戦闘宣言もたたきつけられた。児童館全廃を突破口とした杉並区丸ごと民営化計画である区立施設再編整備計画との闘いは激しく火を噴いている。
4月の杉並区議選で北島邦彦候補を先頭に進めた闘いは第2ラウンドに入った。勝敗を決するのは民営化絶対反対で闘う労働組合をつくれるか否かだ。6・7国鉄集会に集まり、闘う労働組合をともにつくろう。
民営化と労組解体が狙いだ
国鉄分割・民営化から28年、1047名解雇撤回闘争を継続する国鉄闘争と、杉並における児童館全廃攻撃との闘いは、本当に一つの闘いだ。第一に、児童館全廃攻撃の核心は民営化攻撃だ。児童館を廃止して行われるのは、学童クラブの小学校内への移転と民間委託であり、それを突破口とした「道路・橋りょうを除く」596施設(学校・保育所・清掃事務所・老人ホーム……)すべてを対象とした杉並の丸ごと民営化だ。
労働者は毎日汗を流して仲間と働き、職場の安全を後輩へと受け継いでいる。この安全原則を当局・資本に守らせることが労働組合の闘いの軸であり、代々守り積み上げてきた継承性のもとに仲間と働くことに労働者の誇りがある。民営化はこれを断ち切り、まったくノウハウを持たない民間に丸投げし、労働者を非正規労働者に置き換えて解雇し続ける。労働者の誇りを奪い、労働組合を解体する攻撃だ。
国鉄分割・民営化は戦争と改憲、原発や労働組合解体など新自由主義の核心的攻撃であり、突破口である。国鉄闘争はこの国鉄分割・民営化に対して、今も反対を貫いている。民営化絶対反対の労働運動がここにある。
地域丸ごとの切り捨て攻撃
第二に、民営化は地域丸ごと切り捨てであり、労働組合を軸に住民丸ごとのゼネストを組織して打ち砕くべき攻撃だ。民営化の先にあるのは、地域丸ごとの切り捨てと「命より金」の新自由主義だ。杉並区は荻窪駅を始めとして各JR駅前の再開発を何度も狙ってきた。その内容は「半径500㍍」の再開発と金もうけであり、その外側はすべて切り捨てだ。学童クラブも保育所も民間に放り投げ、その会社が撤退しようが知ったことではない。区長や「無所属区民派」はこれを「機能は維持・発展される」などと大うそをついている。「待機児童問題」「特養待機問題」の深刻さを盾に「民間でも増やせ」と民営化を推進している。日本共産党は「質を落とすな」と民営化に反対かのように体裁をとっているが、実は「ワーカーズコープ」という独自の委託事業で、すさまじい労働強化と非正規職化を強制している民営化利権団体だ。
労働組合がとるべき道は民営化絶対反対だ。待機児童を抱える住民(つまりは青年労働者だ)にも、この民営化反対闘争にともに立ち上がろうと訴え獲得していくことだ。この攻防が全労働者を獲得する闘いだからこそ、ゼネストの展望をはらんでいるのだ。
正規・非正規の解雇阻止へ
第三に、民営化をめぐる攻防は、正規職・非正規職の解雇を阻止する闘いにかかっている。今年度での廃止と「子どもセンター」化が狙われる和泉児童館では、すでに乳幼児一時預かり保育の外注化が決まった。どこまでも児童館労働者の職を奪い、職場を廃止する攻撃だ。同じく今年度での廃止が狙われる科学館では、指導員の配転によって事実上の廃館状態が強制され、退職強要が行われている。逆に言えば、労働者が解雇や任用替えを拒否して闘えば、職場廃止を阻止できる。国鉄闘争は、だからこそ1047名の解雇をめぐって闘われてきた。東京西部ユニオンは鈴コン分会に続いて、アメリカン・アパレル分会長の解雇撤回と6月職場復帰をかちとった。西部ユニオンに結集し、職場廃止と解雇に真正面から闘おう。特にパートや嘱託(しょくたく)、アルバイトの非正規労働者に対する「雇い止めされても仕方がない」といった価値観は絶対に許せない。断固正規職化を求めて闘おう。
6・7国鉄闘争全国集会に集まり、闘う労働組合を職場につくろう。
(東京西部ユニオン・織田陽介)