知る・考える 用語解説 安倍の「積極的平和主義」/米・ILWU
週刊『前進』08頁(2682号05面05)(2015/05/25)
知る・考える 用語解説
安倍の「積極的平和主義」/米・ILWU
安倍の「積極的平和主義」―戦争を正当化する大ペテン
「国際社会の平和と安定に積極的に貢献する」という美名のもと、日本帝国主義が再び「戦争する国」として世界に登場することを憲法9条下で正当化するために、安倍政権が掲げたペテン的スローガンが「積極的平和主義」である。これまでも日帝は、「日本の平和と安全を守るため」と称して日米安保を強化し、そのもとで自衛隊の増強を進めてきた。だが安倍の「積極的平和主義」はその単なる延長ではない。「日本の安全」に加えて、新たに「国益を守る」「国際社会で責任を果たす」といった主張を前面に掲げ、自衛隊の海外派兵や武器輸出、他国との軍事同盟などをかつてない規模で推進するものだ。今日の大恐慌と米帝の没落・衰退という事態の中で、日帝は対米対抗性をも含んだ独自の安保・軍事戦略の展開を宣言したのである。その最大の転換点は、「国の存立を全うする」という口実で、集団的自衛権を含むあらゆる武力行使を「自衛の措置」の名で正当化・合法化することにある。
これら一切の戦争・軍事政策を「平和のため」と称して強行しようとするところに、安倍の「積極的平和主義」の許しがたいペテンがある。これは憲法9条を改悪し、その内容を180度変質させる改憲攻撃と一体である。労働者階級の怒りの決起で絶対に粉砕しよう。
米・ILWU―ゼネストから生まれた組合
ILWU(国際港湾倉庫労働組合)はアメリカ西海岸、カナダ、パナマの港湾荷役・倉庫・内国海運などの労働者を組織する組合である。この組合は、1934年の米西海岸港湾ストライキとサンフランシスコ・ゼネラルストライキから生まれた。
「組合はランク&ファイル(職場の一般組合員)のもの」「自分たちこそが自身の命運と方針を正しく判断する力を持っている」「労働者の団結・連帯が一切に優先する」というランク&ファイル主義をモットーにしている。その基盤になっているのが、組合員に選出された委員が日々の仕事を配分する〝ハイアリング・ホール〟である。
34年の大ストライキは、分断され差別されていた黒人労働者を積極的に港湾労組に招き入れ、ともに闘うことで勝利した。以来、「差別はボスの武器」をスローガンにし、人種・民族、そして国境を越えた団結を組織している。08年には、イラク反戦を掲げて西海岸全29港湾を封鎖した。これは、前年に動労千葉も参加した国際会議の「職場・生産点を握って帝国主義と闘い、国際的団結を組織する」という方針を貫く闘いだった。
日本での11月労働者集会には03年以来、ILWU誕生の地サンフランシスコなどの活動家が繰り返し参加している。