国際連帯で核戦争阻止しよう 核武装狙う原発再稼働許すな 韓国ゼネスト連帯、8・6―8・9へ

週刊『前進』10頁(2680号03面01)(2015/05/04)


国際連帯で核戦争阻止しよう 核武装狙う原発再稼働許すな
 韓国ゼネスト連帯、8・6―8・9へ


 大恐慌下で米欧帝国主義の核軍拡と核重圧が強まる中、3月にはロシア・プーチンが核兵器準備発言を行い、核戦争の危機が衝撃的に明らかになった。日帝・安倍政権も、戦争・改憲攻撃、核武装のための原発再稼働に必死になっている。「3・11反原発福島行動'15」は、フクシマ圧殺を許さず、再稼働阻止・全原発廃炉へ不退転の地平を切り開いた。また3・15動労水戸支援共闘の結成は、福島を始め全国の労働者に被曝労働拒否の闘いを広げつつある。これらと一体で、これらを本当に発展させるためにも、核戦争危機と日帝の核武装策動に怒りを爆発させ、原発再稼働を絶対許さず、8・6広島―8・9長崎へ突き進もう。

米帝は核に年間4兆円ロシアは世界戦争想定

 核戦争の危機は、没落する米帝の側から仕掛けられたものである。米帝オバマは1月のCNNインタビューで、「われわれは、ウクライナで権力を移行する裏取引を取り計らった」と述べた。14年2月の親ロ派ヤヌコビッチ政権の転覆が、米帝の介入によるものだったと明かしたのだ。
 これに対しプーチンは、1年前にウクライナ争奪をめぐって「核戦力を戦闘準備態勢に置く用意があった」と明言した。これは偶発的な発言ではない。さらに4月中旬、プーチンは「われわれは核大国だ。米国と比肩(ひけん)しうる強大な核のポテンシャルがある」と繰り返した。ロシア軍は、ウクライナ争奪戦争が欧州規模、世界規模の核戦争にエスカレートする可能性までも想定し、演習をしているという。
 核という点で「米国は新型の弾道ミサイル原潜や長距離爆撃機、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の導入を検討、核爆弾の精密誘導化なども進める。議会予算局は、15〜24年の10年間で米核戦力の維持や近代化に約3480億㌦(約41兆4180億円)が必要と推計」(毎日新聞4・22付)。日本の防衛費は15年度に過去最高の約5兆円だが、米帝は核兵器だけで年平均4兆円も使う計画だ。
 14年にはジェフリー・ラーセンNATO国防大学研究部長が『21世紀の限定核戦争』という本を出し、世界中で核戦争の現実味が再検討され始めた(毎日新聞3・23付)。欧州配備の米軍の戦術核は約200発。「ドイツは発射要請権を持っており、アメリカが同意すれば実際に使用される」(『ニューズウィーク』3・31号)。韓国にも沖縄にも、米核兵器が常備されているのは確実だ。
 今や核使用が現実的になっている。そもそも、核兵器は広島・長崎で実際に使われたという厳然たる事実がある。その時から核は帝国主義の世界支配・階級支配の武器となり、外交・軍事の基本手段となってきた。戦後、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、アフガニスタン・イラク侵略戦争など、何度も核使用寸前まで行った。

核使うまでに帝国主義・大国間争闘戦が激化

 しかし今はその延長線上にはない。大恐慌が戦争に転化し始め、帝国主義間・大国間の争闘戦は核すら使うまでに非妥協化している。その典型が、アジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐる合従連衡(がっしょうれんこう)だ。戦後に米帝と同盟関係にあった英国は、中国主導のAIIBに先進7カ国(G7)メンバーとして初めて参加表明した。米高官は英国に「常に中国に気にいられようとしている」と激高している。
 さらに新自由主義的帝国主義の破滅性は核使用に直結する。新自由主義は世界の何億人の労働者を非正規職化し生きていけなくさせて、資本の延命を図っている。そういう「命より金」の新自由主義的帝国主義が、核戦争に突っ込むのになんの敷居もない。
 現に私たちは3・11以降、福島の放射能汚染地域から住民を避難させず、逆に帰還を強制し虐待・虐殺するという資本家階級の正体を見てきた。何百万人の人民の命すら露ほども顧みない帝国主義者どもは、これと同じように平然と核兵器を使うに違いないのだ。
 しかし、核戦争の現実性は帝国主義の末期的な危機に起因しており、核戦争を止めることは必ずできる。労働者が国際的に連帯して資本家階級と闘えばいいのだ。この労働者的原則を破壊し、帝国主義の核に自国の核をもって対抗したスターリン主義の長年の裏切りを粉砕し、全世界の労働者が団結する時が来た。
 第1次大戦は第2インターナショナルの屈服と崩壊、第2次大戦はスターリン主義の裏切りで戦争が引き起こされた。階級主体の側の敗北が世界戦争を招いてしまったのだ。だから国際連帯を貫きさえすれば、世界戦争を阻止し世界革命に転化できる。韓国ゼネスト・沖縄全島ゼネスト情勢に連帯し、日本の労働者人民が決起することは歴史的意味を持つ。

「戦後レジームの脱却」は改憲と核武装の道だ

 日帝・安倍政権はこうした核戦争の危機の中で、核武装のための原発再稼働に必死だ。
 第2次大戦後の日帝は、核武装の偽装形態として原発を推進してきた。核が外交・軍事の基本手段となる中で、敗戦帝国主義として核を保有できない日帝は、原発推進を核武装に限りなく近いものとして位置づけてきた。そのために、軍事用プルトニウムを確保する核燃料サイクルに固執し続けてきた。
 しかし今の動向はこれとは次元を画する。核戦争危機が強まる中、核なき帝国主義は外交・軍事で敗退する時代が始まっているのだ。安倍の言う「戦後レジームからの脱却」には、敗戦帝国主義として核保有できない制約を突破する狙いもある。日本の資本家階級にとって、戦後憲法体制の全面的転覆と核武装策動とは表裏一体である。
 歴代自民党政権は「自衛のための核保有は合憲」としてきたが、12年の原子力基本法の改悪で「(原子力利用は)我が国の安全保障に資する」と明記し、核武装を合法化した。安倍は極右の核武装論者だ。安倍がどんなに無理をしてでも再稼働を強行しようとしているのは、核武装の本意をあえて国際的に見せつけるためである。
 いま問われているのは、実際の核戦争と日帝の核武装を阻止することだ。それは、特に自国帝国主義・日帝との非和解の対決となる。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」「反戦反核」にかけた労働者人民の思いを継承し、日帝打倒の闘いに飛躍させよう。その鍵をなすのは、動労水戸の被曝労働拒否の闘いを切っ先に、階級的労働運動と国際連帯で資本・国家と非和解に闘い、労組拠点をつくり出すことだ。ゼネストで、核戦争阻止・全原発廃炉へ突き進もう。
 日本共産党は、戦争の問題と原発の問題を切り離し、「自衛戦争に賛成」の上で「核の平和利用」論で被曝強制の先兵となっている。日本共産党の敵対を粉砕し、原発再稼働を阻止し、8・6広島―8・9長崎闘争に総決起していこう。
(島崎光晴)

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戦術核 相手国や大都市を総破壊するICBMなどが戦略核。戦場で戦術的に使用する核砲弾・核爆弾・核地雷などが戦術核。巡航ミサイル搭載では、広島型原爆の10倍規模のもある。

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