第2の分割・民営化粉砕し破産したJR体制打倒へ 6・7国鉄集会に大結集しよう
週刊『前進』06頁(2679号02面02)(2015/04/27)
第2の分割・民営化粉砕し破産したJR体制打倒へ
6・7国鉄集会に大結集しよう
JRは動労千葉・動労水戸の闘いを反革命的に押しつぶすため、3月ダイヤ改定をもって第2の分割・民営化攻撃に踏み切った。それは国家の存亡をかけた攻撃として仕掛けられている。だが国鉄分割・民営化自身が大破産した。動労総連合を全国に建設し、韓国民主労総のゼネストに連帯して、JR体制打倒へ総決起しよう。最大の焦点は国鉄闘争全国運動の6・7全国集会だ。
事故続発し経営も破綻
国鉄分割・民営化はついに破綻した。分割・民営化破綻の第一は、JR北海道、JR四国、JR九州、JR貨物の危機だ。JR北海道は大事故を続発させ、もはやそれは止めようがない。2人の社長の自殺にもJR北海道の破綻が示されている。JR四国の泉雅文社長は「JR四国は上下分離しかない」と、自ら民営化の破綻を明らかにした。
その第二は、「896自治体消滅」情勢の中で、「選択と集中」をキーワードに市町村の全面的切り捨てと地方線の切り捨て=第三セクター化や上下分離が進んでいることだ。JR東日本の清野智会長は、社内報のインタビューで「昨年は、都市消滅や人口減少問題で国民的議論ができるようになった画期的な年だった」と言った。これは、地方中核都市以外では地方線をすべて切り捨てていいというお墨付きをもらったという意味だ。冨田哲郎社長も同じインタビューで、核となる駅として東京、新宿、渋谷、品川、千葉、横浜、新潟、秋田、仙台などを挙げた。それ以外は切り捨てるということだ。3・14ダイ改を機に、地方線の切り捨てが全面的に始まった。房総半島での特急の全面的な廃止・削減もそうだ。
それは安全の崩壊を促進する。ダイ改以降の連続する事故はJR東日本のJR北海道化であり、第2、第3の尼崎事故に必ず行き着く。4月12日の山手線・神田―秋葉原間の支柱倒壊事故はそれを示している。反合・運転保安闘争に決起する動労総連合を全国につくり出すことが本当に求められている。
第三に、動労千葉・動労水戸―動労総連合の30年にわたる国鉄分割・民営化絶対反対の闘いが、JR体制に決定的な破産を強いている。
一つに、国鉄1047名解雇撤回闘争は、「4・9和解反動」をのりこえ、東京地裁・東京高裁に国家的不当労働行為を認定させる画期的な地平を切り開き、解雇撤回10万筆署名は9万筆を超えて広がっている。
二つに、動労千葉・動労水戸―動労総連合が外注化絶対反対を15年に及び闘いぬいてきた。そしてついに民営化・外注化阻止、非正規職撤廃という路線を確立した。正規職と非正規職が団結する新しい闘いをつくり出している。大量退職を逆手にとった組織破壊と全面外注化は一体であり、これと闘いぬくことが求められている。
三つに、動労水戸が職場から被曝労働拒否のストライキに決起したことだ。これは日本労働運動の歴史になかった闘いだ。安倍政権は原発事故などなかったかのように帰還を強制し、JRはそれに呼応し常磐線を竜田まで延長、さらに原発直下でのバス代行運転を強行した。子どもに甲状腺がんが広がっている恐るべき状況の中で、福島圧殺を打ち破る動労水戸の闘いは、内部被曝との闘いを労働運動としてやりぬく画期的地平を押し開いた。これは、国鉄分割・民営化絶対反対闘争の新たな発展である。
全面外注化との決戦へ
JRが強行する第2の分割・民営化攻撃の第一は、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体だ。国鉄分割・民営化反対闘争の継続としての1047名解雇撤回闘争は、100万支援陣形をつくり出して連合の完成=改憲勢力化を阻み続けてきた。国鉄闘争全国運動は昨年内判決、昨年度内判決を粉砕し、安倍政権と最高裁を追い詰めている。国鉄闘争全国運動が切り開いているこの地平に確信を持とう。反動判決は火に油を注ぐだけだ。6・7国鉄集会までに10万筆を達成しよう。
第二に、大量退職攻撃を逆手にとった全面外注化の攻撃だ。動労千葉・動労水戸の闘いによりJR東日本は保守3部門(電力、保線、検修・構内)の外注化に15年かかった。検修・構内の外注化は、現場での闘いが巻き起こっているため完成にはほど遠い。その中でJRは、営業―駅の外注化を強行し、車掌も外注化しようとしている。それは運転士の外注化に行き着く全面的攻撃だ。
JR資本は、大量退職時代に突入する中で、60歳退職後65歳までは年金ゼロのため、働かなければ生きていけない現実を利用して悪らつな組織破壊攻撃をかけている。動労千葉を脱退しなければ再雇用しないという攻撃だ。国労もJR東労組も、執行部の協会、日共―革同、カクマル自身がまっ先に自らの再雇用を資本にお願いして屈服的姿をさらけ出している。全面外注化絶対阻止を掲げ全力で闘いぬくことこそ、第2の分割・民営化粉砕の軸である。
第三は、鉄道の輸出による海外侵略だ。安倍―葛西体制は鉄道輸出を成長戦略の柱に据えた。日帝にとって鉄道は国際争闘戦と戦争に勝ちぬくための基軸中の基軸だ。中国スターリン主義はアジアインフラ投資銀行(AIIB)で独自の経済圏構築を狙っている。激化する争闘戦の2本柱が原発と新幹線だ。
第四は、人口減と「896自治体消滅」情勢の中で、JR全社が輸送体系の全面的再編―地方と地方線の切り捨てに踏み切ったことだ。都市間輸送(新幹線に特化し特急は全廃)と都市圏輸送に集中するとともに都市再開発に着手し、他方で地方中核都市のエリア外にある地方線は切り捨てるのだ。これと一体で自治体、教育、医療など社会丸ごと民営化が強行されようとしている。
第五は、この攻撃の核心は国鉄労働運動の解体、動労千葉・動労水戸―動労総連合の解体にあるということだ。大量退職、外注化、海外輸出、地方線切り捨てのすべては組織破壊―団結破壊として襲いかかってくる。
団結うみ出す国際連帯
これと対決し勝利するためには団結の強化が必要だ。青年を中心とする組織拡大闘争は決戦中の決戦に突入した。第2の分割・民営化との闘いは組織拡大に集約される。どうすれば強固な団結をつくり出すことができるのか。動労千葉は「団結を積み重ねることが強さを現す」という。職場的団結に加えて地域的団結を積み重ね、あらゆる闘いを団結に結びつけることが求められている。
国際連帯は団結形成にとって決定的だ。韓国民主労総はパククネ政権打倒のゼネストに突入する。これに呼応し、日帝の基軸的資本であるJRの内部から火の手を上げ、日本でのゼネストをこじ開けよう。全国に動労総連合をつくり出し安倍の戦争と改憲攻撃を阻止しよう。
(佐原義亮)