知る・考える 用語解説 「国家の自衛権」/革命的選挙闘争
週刊『前進』08頁(2676号05面04)(2015/04/06)
知る・考える 用語解説
「国家の自衛権」/革命的選挙闘争
「国家の自衛権」-侵略戦争を正当化する口実
今、安倍政権は「自衛の措置」と称して戦争へ踏み出そうとしている。戦争を行う国の政府は必ず、「国家の自衛権」なる概念をあたかも「すべての独立国に認められた固有の権利」であるかのように持ち出し、自らの戦争を正当化しようと狙う。戦前の日本やナチス・ドイツが行った侵略戦争、アメリカによるベトナムやイラクへの侵略戦争など、あらゆる戦争は「自衛権の発動」と称して行われた。「国家の自衛権」とは、自衛の名で戦争を正当化・合法化するために意図的につくられた概念にすぎない。そもそも国家とは「一階級が他の階級を抑圧するための機関」(レーニン『国家と革命』)であり、それは現実には「経済的に支配する階級の国家」(同)である。資本主義・帝国主義のもとで政府や支配階級が掲げる「国家の自衛権」も、その正体は、1%にも満たない資本家階級が99%の労働者人民を搾取し支配するための国家が、その支配の維持のために戦争をする「権利」にほかならない。それは各国の人民を互いに殺し合わせる「外への侵略戦争」であると同時に、国内で労働者階級の革命を暴力的に鎮圧する「内への階級戦争」である。
これに対する労働者階級の回答は、戦争で延命を図るブルジョア国家そのものをプロレタリア革命で打倒することだ。
革命的選挙闘争-革命の宣伝と党派闘争の場
労働者党が階級的労働運動の前進とプロレタリア革命の勝利のために、選挙闘争と議員活動を積極的に活用する闘い。資本主義のもとでの議会制民主主義と普通選挙は本来、「支配階級のどの成員が議会で人民を抑圧し、踏みにじるべきかを数年に一度決めるもの」(マルクス)でしかない。議会は人民を欺く「おしゃべり小屋」である。日本共産党のように、階級的労働運動とプロレタリア革命を否定した上で、あたかも選挙と議会を通じて社会を変革できるかのように言うのは、労働者階級を欺くものである。
しかし、労働者党は選挙と議会という合法的領域を敵階級に明け渡すのでは断じてなく、こうした場をも大いに活用して闘う。とりわけ今日の大恐慌・大失業と戦争の時代には、人民の中に現体制への怒りと不満が渦巻いており、選挙闘争は職場・街頭・地域で党の綱領と時代認識、路線を訴え、党派選択を迫る絶好の機会となる。革共同は昨年の都知事選、衆院選などを一大政治決戦として飛躍をかけて挑戦し、自民党や日本共産党と激しい党派闘争を展開し、労働者階級の怒りを大きく解き放った。
レーニンは「選挙における党と、議会内での将来の社会民主党議員団の主要な任務は、社会主義的・階級的宣伝と労働者階級の組織化である」と語っている。