闘いは進む 青年の職場から 自治体 有期雇用撤廃へ職場から 組織拡大で勝ち抜こう 東北 尾玉波緒

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週刊『前進』06頁(2675号03面04)(2015/03/30)


闘いは進む 青年の職場から
 自治体 有期雇用撤廃へ職場から
 組織拡大で勝ち抜こう 東北 尾玉波緒


 私は市の外郭団体で働いています。職場は、市から指定管理を受けた障害者デイサービスの施設です。雇用形態は「契約職員」で1年更新、最長4回までの更新とされています。「5年で雇い止め」になるということです。この「契約」を指導する立場の「嘱託職員」も1年更新の非正規で、職員の3分の2が非正規職員となっています。
 私は労働組合に入っていますが、毎年のように組合員の雇い止めをどうするかが課題となります。組合の要求は「有期雇用制度の撤廃」ですが、当局は財源を理由に拒否し続けてきました。
 交渉が進展しないために、当該組合員は涙をのんで採用試験を受け、なんとか再雇用されてとどまる。こういうあり方を昨年度まで繰り返してきました。今年度も、有期雇用制度撤廃の要求を出し、交渉中です。
 交渉で焦点になったのは、「違う雇用身分で同じ仕事」をしている現状です。私の職場でも、雇用形態は違っても同じ仕事を割り振っています。そうしないと現場が回らないし、利用者支援の立場から考えてもその方が良いからです。こういう現状から私の職場について、「同じ身分で雇うべき」と当局に要求したところ、当局は「契約」の業務の一部を正規職員や「嘱託」に回すという、業務内容に少し差をつける対応をしてきました。
 これについて、身分に応じた是正がされたから前進と見るべきかどうか、組合で議論したところ、「結果として正規や『嘱託』の労働強化になる。組合はあくまで有期雇用制度自体の問題としてとらえるべきだ」という結論になりました。これを受けて、職場の会議でも業務変更に反論し「そもそも同じ身分で雇うべきだ」と発言したところ、非組合員からも支持をもらいました。
 要求実現に向けて、当局との力関係を変えないといけないと強く感じています。有期雇用制度の問題点は現場にもっとも表れます。身の回りの問題を水路にしながら組織拡大を実現し、職場支配権を握っていく。その力で要求も通す。そういう組合運動を展開していく突破口として、自分の職場の問題を位置づけたいと思います。
●雇い止めの責任は誰もとらない
 最後に訴えます。「予算権は市、人事権は外郭」という構図のもと、当局は財源を理由に雇い止めを正当化し、市も人事権がないことを理由に交渉を拒否します。これはまさに民営化・外注化の核心です。労働者を非正規化し、雇い止めの責任は誰もとらない。
 市職員への攻撃であり、何より組合つぶしであることをはっきりさせましょう。市の職員労働組合と一緒に闘えば、民営化・外注化は止めることができます。
 「イスラム国」人質事件を契機に戦争情勢が激化している今、自治体労働組合が協力を拒否すれば、戦争体制を敷くことはできません。自治体民営化・外注化反対の闘いが、戦争を止める最先頭の攻防になる。そういう誇りを持って闘いたい。

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