国労組合員資格訴訟 控訴棄却を徹底弾劾 〝負けた気がしない〟 4原告が上告審へ決意

週刊『前進』06頁(2675号02面03)(2015/03/30)


国労組合員資格訴訟
 控訴棄却を徹底弾劾
 〝負けた気がしない〟 4原告が上告審へ決意

(写真 東京高裁の超反動判決粉砕へ決意を新たにする4原告。左から成田さん、石﨑さん、小玉さん、羽廣さん【3月26日 東京】)


 国労組合員資格確認訴訟の控訴審判決が3月26日、東京高裁第21民事部(斎藤隆裁判長)で出された。原告の控訴を全面的に棄却する反動判決だ。この日の裁判は、早朝と昼の裁判所前での宣伝行動を含め、動労神奈川のストライキと固く連帯して闘い抜かれた。
 この裁判は、2010年4・9政治和解を拒否して解雇撤回闘争を闘い続け、11年7月に国労本部によって組合員資格を奪われた旭川闘争団の成田昭雄さん、秋田闘争団の小玉忠憲さん、小倉闘争団の羽廣憲さん、鳥栖闘争団の石﨑義徳さんの4原告が、国労本部を相手に起こした裁判だ。
 一審の東京地裁は昨年9月、「組合員資格は企業に在籍することが前提」と言い放って、組合員資格の剥奪(はくだつ)を有効とする反動判決を出した。4原告はこれに控訴し闘ってきたが、2月19日の前回裁判で斎藤裁判長は結審を宣告し、それからわずか5週間後のこの日に判決日を指定した。
 裁判が始まる前から東京高裁は異様な対応をとった。原告席に入ろうとする原告に、書記官が「身分証明書を見せろ」と言ってきた。直ちに弾劾の声が巻き起こったが、かつてない事態だ。
 反動判決を出す場合、主文を言い捨てて裁判官はさっさと姿を消すのが通例だ。しかしこの日に限って、裁判長が控訴棄却の判決主文を言い渡した後も、裁判官は傍聴席を見下ろしたまま立ち去ろうとしない。反動判決が怒りに迎え撃たれることに、彼らは徹底的に身構えてきたのだ。
 判決内容も一審判決の反動性をさらにエスカレートさせた極悪のものだ。控訴審で原告は、〝不当解雇処分が法的に確定しても、本人が希望すれば組合員資格は継続される〟という規定が国労規約の中にあることを特に強調して主張した。これに対して判決は、〝組合員資格が継続されるのは国労が処分を不当と認定した場合に限られる〟と断定した。4・9和解で国労本部が「1047名解雇は不当」という認識を捨て去った以上、組合員資格剥奪も有効というのだ。国労本部の転向を使って、解雇と闘うべき労働組合の本質さえ否定した判決だ。
 この判決を引き出した国労本部と国労弁護団の階級的大罪は絶対にぬぐえない。国労本部の濱中保彦元書記長は、一審で「4・9和解以降、解雇は不当とは認識しない」とあからさまに証言した。そこまで腐敗と変質を深めた国労本部の裏切りを利用して、今回の判決は下された。国家権力は、国労本部を自分の忠実な番犬として使い尽くそうとしているのだ。
 4原告は、解雇撤回闘争を貫き、この裁判を闘いつつ、動労総連合建設を軸とした階級的労働運動の復権に全力を挙げている。それに追い詰められているからこそ、国家権力は労組自体を全面否定する形でしか今回の判決を出せなかったのだ。
 裁判後の総括集会で4原告はそれぞれに、「原告団の団結がある限り負けた気がしない」「国労本部のボロボロの姿を暴き、その中から新しい労働組合をつくり出すのがわれわれの闘いだ」「判決がどうあろうと闘い続ける」ときっぱりと決意を示し、最高裁に上告して闘い抜くと宣言した。

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