星野再審闘争 新証拠を高裁に提出 鉄パイプに殴打の痕跡はない
週刊『前進』08頁(2674号06面01)(2015/03/23)
星野再審闘争
新証拠を高裁に提出
鉄パイプに殴打の痕跡はない
星野文昭同志と再審弁護団は3月13日、東京高裁第12刑事部に星野同志無実の新証拠(三宅「鑑定意見書」)と「意見書」を提出した。再審闘争は全証拠開示・再審開始を切り開く決定的な段階に突入した。
沖縄闘争当日の1971年11月14日、星野同志の率いるデモ隊が警察官「殴打現場」を通過した後に撮影された写真の中に、白い紙で巻かれた鉄パイプを持つ星野同志の写真があった。警察官・一郎丸角治が撮影した写真で、第2次再審請求審で証拠開示させたものだ。その鉄パイプは汚れも破損もなく真っ白で、殴打の痕跡などない。
ところがこの写真を新証拠として突きつけられた東京高裁第11刑事部・若原正樹裁判長は、写真の解析もせずに「鉄パイプの表面には不鮮明ながら損傷らしき痕跡が確認される」と、予断に基づく認定で第2次再審請求を棄却した。許せない。
三宅名誉教授が写真鑑定し証明
弁護団は直ちに異議を申し立て、解析を行うため写真ネガの開示を要求。そして昨年7月、ネガの高精度スキャニングデータの交付をかちとり、このデータに基づく写真鑑定を、画像解析の専門家である三宅洋一千葉大学名誉教授に依頼した。星野同志が手に持つ鉄パイプには1本の環状の影が写っている。三宅名誉教授は、これは「一定幅の環状の線」であり、その線の幅に変化はなく、規則性を有するものであって、殴打によって生じる「損傷らしき痕跡」というような不規則性がないことを明らかにした。そして「環状の線は、鉄パイプを梱包(こんぽう)していた紙のズレ、あるいは紙の剥(は)がれにより生じたと考えることもできる」と述べている。
三宅「鑑定意見書」によって、「一郎丸写真」は星野同志が機動隊員を殴打していないことを示す決定的証拠であることが明らかになった。東京高裁は直ちに再審を開始せよ。
現場目撃証人の調書開示を要求
弁護団「意見書」は、三宅「鑑定意見書」で確定判決をグラグラにさせた上で、現場目撃者11人の供述調書の開示を強く求めている。検察は、第三者の目撃者は「わずかの時間目撃しただけ」「異常な現場での目撃」だったから「観察対象事項に関する記銘度等において相当限定的にならざるを得ない」という屁(へ)理屈で、11人の供述調書の開示を拒否している。
11人の現場目撃者は機動隊とデモ隊との激突現場を近くで見聞し、当日あるいは事件から日を置かずに語っていることが明らかになっている。記憶の鮮明な時期に捜査官の誘導もない状態で客観的に供述しているのだ。この第三者の目撃供述が開示されれば、星野同志が殴打現場にいなかった事実が必ず明らかになる。
検察は11人の現場目撃者の供述調書を直ちに開示せよ。さらに検察庁の倉庫にある全証拠を開示せよ。
検察・警察の「捜査」記録などによって、星野同志をデッチあげた国家犯罪の全貌(ぜんぼう)が明らかになることは間違いない。全証拠開示100万人署名の大運動を闘おう。全国各地での連鎖集会と絵画展で広範な労働者民衆と結合し、9・6徳島刑務所デモへ攻め上ろう。