前進社国賠控訴審開始 弁護団が控訴理由書 原告から怒りの意見陳述
前進社国賠控訴審開始
弁護団が控訴理由書
原告から怒りの意見陳述
2月24日、前進社国賠の控訴審第1回口頭弁論が東京高裁第2民事部(柴田寛之裁判長)で行われた。前進社国賠は、世界大恐慌のもと日帝・安倍政権の中東侵略戦争参戦という情勢の中で闘われている。日帝・安倍政権は参戦下の治安弾圧をエスカレートする以外に、戦争を貫徹することはできないのだ。
前進社国賠は、日帝国家権力の暴力装置である警視庁の公安警察と真正面から対決する闘いであり、反戦闘争・改憲阻止闘争そのものである。警視庁による違憲・違法な捜索差し押さえを徹底して弾劾する裁判闘争として闘われている。
デッチあげと違法性を追及
一審東京地裁の判決は、警視庁が押収した電磁的記録媒体1223点を含む1418点の押収について、わずかに9点を除いて国賠上の違法はないとして原告の請求を棄却した。原告側は、公安条例違反容疑の逮捕がデッチあげであること、前進社に対する捜索差押許可状の請求が違法であること(実際にも全押収物は容疑と関連性ある証拠物は一つもなかったとして還付された)、捜索差押許可状の令状発付も違法であること、そして押収物が別件の捜査に使われるなどの押収物の取り扱いに違法があったことなど、請求が認められなかった全部について控訴した。一方、被告都(警視庁)は、差し押さえが違法とされた前記9点について控訴した。
原告弁護団の控訴理由書は、原判決の重大な事実誤認を明らかにしながら、原判決の取り消しと原告らの請求を全部認めるよう高裁に突き付けた。警視庁公安の星隆夫警視や川島勇二警部らは、本件捜索で前進社内にある記録媒体を無差別に網羅的に違法に押収するために、従来に倍する機動隊を前進社内に配置し、抗議する立会人を次々と機動隊の暴力で十数人も排除して、違法・無法な捜索差し押さえを強行したのである。これが真実の一切である。
星ら警視庁の公安警察はこれらの実態が暴かれることに恐怖して、嘘(うそ)に嘘を重ねてボロボロになった。だが、原判決は、警視庁公安警察の嘘と破綻に動揺しながらも、その嘘にしがみついて反動判決を強行したのである。絶対に許すことはできない。
星・川島らのうそをあばく
これらの嘘から来る矛盾について、一つひとつ明らかにして原判決の誤りを弾劾した。
さらに、原判決が「押収は違法である」とした9点に関する被告東京都の主張は、荒唐無稽(こうとうむけい)な内容である。「全学連」と記載された旗、「文化連盟」と記載された幟(のぼり)は、単に団体名が記載されたものに過ぎず、原判決は押収を違法とした。それを、「全学連の旗や文化連盟の幟自体が、主義、主張を記載したもの」だから文書類に準じる物件であるから、原判決は間違っているというのである。
また、SDカード用アダプターは単なるケースに過ぎず記録媒体ではないから、原判決は押収を違法とした。これについては、立会人の抗議が激しかったから間違ったというのである。許し難い開き直りだ。このことが示しているものは、容疑と関連性のないものをことごとく押収する方針をとっていることである。
被告東京都(警視庁)は、原告弁護団の控訴理由書に対する答弁書を第1回口頭弁論期日以前に提出しておかなければならない。にもかかわらず、答弁書を提出することができなかった。被告東京都は、裁判長に「いつ提出できるのか」と詰問されても、「あと2カ月」としどろもどろのていたらくであった。
出廷した原告の同志たちは、それぞれ警視庁公安の星隆夫や川島勇二らの嘘の供述に依拠した一審反動判決を徹底的に弾劾して意見を陳述した。
次回期日は、4月28日(火)午後3時。4月杉並区議選の勝利をかちとり、822号法廷へ。
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▼前進社国賠 2009年10月16日の法大解放闘争に対して、警視庁公安部は東京都公安条例違反をデッチあげて学生を逮捕した。これを口実に23日には前進社に家宅捜索に入り、メディア類(パソコンなどに使う電磁的記録媒体)1223点を含む1418点もの大量の物品を中身の確認もせず無差別に押収した。この前代未聞の権力犯罪に対して、国家賠償請求という形で徹底的に追及・弾劾する闘いがこの訴訟だ。