知る・考える 用語解説 プロレタリアート/社会保障制度
週刊『前進』06頁(2672号05面04)(2015/03/09)
知る・考える 用語解説
プロレタリアート/社会保障制度
プロレタリアート―階級社会を廃止できる階級
プロレタリアートとは、資本主義の発生とともに生み出された賃金労働者の階級のこと。これに対して資本家階級のことをブルジョアジーと言う。労働者階級は、生産の担い手であり現在の社会を成り立たせている真の主役でありながら、資本主義のもとでは一切の生産手段・生活手段を奪われて、自分の労働力を商品として資本家に日々切り売りする以外に生きることができない。労働の生産物は労働者のものではなく、すべて資本家のものとなり、資本は労働者が働けば働くほど、ますます肥え太っていく。両者の関係は絶対非和解だ。
資本の搾取から解放されるためには労働者階級は、社会の部分的な改良ではなく、資本主義の生産関係をその土台から全面的に転覆・解体して、その上にまったく新たな人間の共同社会(共産主義社会)を打ち立てる以外にない。プロレタリアートは、自己の解放をとおして、人間の人間に対するあらゆる搾取や抑圧の根源を絶ち切り、階級社会そのものを終わらせることのできる革命的階級として歴史に登場した。資本主義社会自身がそうした階級を自らの「墓掘り人」として生み出したのである。
労働者階級は、その階級的に団結した闘いをとおして、全社会を変革する力を自ら獲得していくのである。
社会保障制度―新自由主義との攻防の焦点
社会保障制度とは「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(憲法25条)を国の責任で保障するとされるもの。医療、介護、年金、生活保護、保育・児童福祉、障害者福祉、雇用保険、労災保険、住宅、教育など、その実態は名ばかりのきわめて限定的で分断的なものでしかない。本来、労働者の労働がすべてを生み出し社会を成り立たせているのであり、労働者とその家族が必要とするものはすべて保障されなければならない。ロシア革命後の帝国主義は、労働者階級の怒りを抑え、国家への幻想をあおる手段として、社会保障政策を進めてきた。しかし大恐慌と戦争の危機が爆発し、労働者を食わせることもできなくなった。社会保障制度を解体し、戦後かちとってきた生きる権利のすべてを奪うむき出しの新自由主義攻撃に出てきている。現に福祉削減で多くの人が殺されている。資本主義を前提に、制度・政策の改良を求める運動は成り立たなくなった。労働者が、命と尊厳をかけて「生きるための闘い」に総決起する時が来た。
資本主義を倒して生産力と全生産物を資本家とその国家から奪い返し、社会の共同性を取り戻すことで、生まれたばかりの子どもも、年をとっても、病気になっても、すべての人が人間らしく生きていける社会をつくりだすことができる。