ビキニデー杉並集会 〝労働組合で被曝労働拒否を〟 動労水戸・石井委員長が訴え

週刊『前進』06頁(2672号01面02)(2015/03/09)


ビキニデー杉並集会
 〝労働組合で被曝労働拒否を〟
 動労水戸・石井委員長が訴え

(写真 250人が結集し、石井委員長の熱い講演を真剣に聞き入った【3月1日 杉並区】)


 3月1日、杉並産業商工会館でNAZEN東京が呼びかけるビキニデーの杉並集会が開催され、会場からあふれる250人が結集した。
 ビキニ事件から61周年の集会では、安倍政権が中東侵略戦争に参戦するという緊迫した情勢の中で、歴史的にも現在的にも日本帝国主義が労働者人民へ被曝を強制し続けていること、原発廃炉・戦争絶対阻止の具体的力は労働組合の絶対反対の闘いと階級的団結にあることが明確にされた。
 集会は東京西部ユニオン青年部の司会で始まった。「労働組合には原発を止める力がある」と題した動労水戸の石井真一委員長のメーン講演が参加者をぐいぐいと引きつけていった。
 石井委員長の講演からは、「復興」・原発輸出・オリンピックありきのデタラメな国策のもとで、内部被曝を隠蔽(いんぺい)し「安全=帰還キャンペーン」を破綻しながらも強行するJRのやり方に、被災地は心の底から怒っている、ということがビンビン伝わってきた。そして、こうした根底からの怒りを集めて、土地に根ざし、闘う結集軸となり得るのは労働組合だけだということが、動労水戸の被曝労働拒否の闘いをとおして身をもって示された。
 石井委員長は、国鉄分割・民営化で約20年間、組合員の多くが売店などに強制配転されても絶対反対で団結を貫き闘ってきた歴史を語った。
 この分割・民営化絶対反対の闘いが、被曝労働拒否の実力闘争を闘うまでに動労水戸をきたえ上げた。さらに動労水戸の闘いは、内部被曝の焦点化とその強制を許さないという点においても、帝国主義とスターリン主義が全精力をかけて隠滅したヒロシマ・ナガサキの核と内部被曝の深刻性を正面から突き出したビキニ闘争とひとつのものとして結実している。
 4年目の3・11と3・14ダイ改をめぐって動労水戸の闘いが、安倍政権・JR資本を追いつめ、原発労働者を始め全労働者、福島の怒りと結びつき始めている。この地平に立って、石井委員長は「誰もが被曝したくないと思っている。労働組合として闘うことが大切だ。全労働組合が被曝労働拒否で闘おう」と高らかに呼びかけた。
 動労水戸では2011年以降の被曝労働拒否闘争で青年が新たに結集し、昨年末にも結集した。青年は闘いと団結を求めているし、その呼びかけに必ず応える。闘う青年指導部を生み出すことはまったく可能だ。
 石井委員長の講演は分割・民営化と「3・11」に立ち向かい闘ってきた自信と確信、明るさに満ちていた。
 質疑応答の後、集会の後半では、NAZENの織田陽介事務局長が反原発闘争の路線の全体像とその核心を明快に提起した。これを受け、元杉並区議で東京西部ユニオン副委員長の北島邦彦さんと弁護士の鈴木達夫さんが発言に立ち、ビキニ事件の歴史的意味と杉並の労働運動・市民運動の歴史と現在にふれた。
 各提起では、安倍の参戦が情勢を一変させていること、国鉄決戦の前進が福島、全国、全世界の階級的団結をつくりだし、戦争を止め、再稼働阻止・全原発廃炉の展望を切り開くのだということが強調された。
 集会の最後に、国鉄労働者が「全国に動労総連合をつくる」と決意表明し、満場の拍手がこれに応えた。動労総連合建設が音を立てて始まった。全原発廃炉・戦争阻止へともに闘おう! 4月杉並区議選に勝利しよう!
(東京西部ユニオン青年部・M)

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ビキニデー 1954年3月1日、アメリカがビキニ環礁で水素爆弾の実験を実施し、マーシャル諸島の島民や多くの漁船・貨物船が被爆。ビキニ環礁から150㌔離れた地点で操業中のマグロ漁船「第五福竜丸」にも放射能を帯びた「死の灰」が降り注ぎ、全乗組員23人が急性放射能症になった。同年9月、無線長の久保山愛吉さんが死亡。杉並区の労働者・女性たちは原水爆禁止署名を募り、原水爆禁止運動の出発点となった。

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