知る・考える 用語解説 日米安保体制/内部被曝
週刊『前進』06頁(2671号05面06)(2015/03/02)
知る・考える 用語解説
日米安保体制/内部被曝
日米安保体制―戦争への帝国主義軍事同盟
日米安保体制とは、日米安全保障条約(1951年締結)に基づく日米帝国主義間の軍事同盟である。同条約により、米軍は日本中のどの地域も基地として使用することを認められ、核兵器を含むあらゆる兵器の持ち込みが可能となっている。中でも在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄は日米安保の最大の実体であり、その矛盾の集中点である。帝国主義の言う「安全保障」とは、戦争とその準備のための恒常的な軍事体制の構築にほかならない。米帝が第2次大戦後に行ったあらゆる戦争、特に朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などの大規模な侵略戦争は、日本全土を兵站(へいたん)・出撃基地とする日米安保に支えられて初めて可能となった。他方で日帝は、憲法9条で「戦争放棄」を規定したにもかかわらず、日米安保のもとで自衛隊の増強と軍事大国化を進めてきた。そして今日、安倍政権は集団的自衛権の行使をもって、自衛隊が米軍と肩を並べて戦争を担う「血の同盟」(安倍)へと日米安保を転換しようとしている。
戦後の日本において、安保粉砕の闘いは戦争に反対する闘いとして、労働運動や学生運動にとって常に最大の闘争課題であった。それは日帝打倒までやむことのない闘いとして今日まで闘い抜かれ、今やその最大の決戦の時を迎えている。
内部被曝―核・原発と命の非和解示す
放射線による被曝には、体外から放射線を浴びる外部被曝と、鼻・口・皮膚から体内に入った放射性物質が発する放射線による内部被曝がある。体内に取り込まれた放射性物質は臓器・器官に蓄積され、長期にわたって細胞を傷つける。影響は甲状腺だけでなく全身に及ぶ。高線量放射線の瞬間放射よりも低線量放射線の長時間照射の方が細胞をより一層破壊することが証明されている。放射線は人間の五感では感じられないが、1発でも人体を傷つけるのだ。しかし、核の登場以来、内部被曝は帝国主義によって隠されつづけてきた。ABCC(原爆傷害調査委員会、現在の放射線影響研究所)は広島・長崎で内部被曝を調査しようとしたがすぐにやめ、その経緯をもみ消した。日本政府も、被爆者が起こした原爆症認定訴訟で、内部被曝を頑として認めない。日本共産党=スターリン主義者も核・原発を率先推進し、内部被曝の真実を抹殺してきた。
内部被曝は命の問題である。これを抜きにフクシマの苦悩と怒りを共有することはできない。内部被曝を見すえてこそ、住民への帰還強制の犯罪性も、被曝労働拒否の正当性も明らかになる。内部被曝から命を守る闘いは、反原発闘争の最重要課題であり、帝国主義との非和解の対決を不可避とする。