中東参戦―社会保障解体と対決し階級的労働運動の拠点建設を! 革共同医療福祉労働者委員会
週刊『前進』06頁(2671号03面01)(2015/03/02)
中東参戦―社会保障解体と対決し階級的労働運動の拠点建設を!
革共同医療福祉労働者委員会
日帝・安倍は大恐慌下、階級的労働運動をつぶせないまま戦争に突入した。30年にわたる国鉄闘争は、「労働組合をつぶして改憲・戦争へ」を粉砕し、国家的不当労働行為を認定させ、日帝・安倍と正面から対峙(たいじ)している。労働組合が屈服し協力しない限り戦争などできない。追いつめられ危機にのたうっているのは日帝ブルジョアジーと安倍の側だ。橋下打倒闘争の教訓を生かして拠点建設に進もう。絶対反対で闘う労働者が一人でも存在し「これが労働組合の闘いだ。闘う労働組合に変えよう」と闘うことが現場労働者の怒りと結びつき、結集軸となり、敵の攻撃を打ち破る。破綻した資本主義の延命のために労働者階級の生活と命の一切を奪う資本家階級に対して、労働組合を軸に労働者階級がすべてを奪い返す時が来た。動労千葉・動労水戸の3月ダイヤ改定粉砕スト、3・15動労水戸支援共闘結成をかちとり、動労総連合を全国につくろう。国鉄決戦で安倍を打倒し、2010年代中期階級決戦勝利―日本革命を切り開こう。
「予防反革命」を本質とする戦後の社会保障制度
安倍政権は今、侵略戦争遂行に向けた総翼賛体制構築とともに、社会保障制度の大改悪を強行しようとしている。昨年6月の医療介護総合確保推進法成立は、皆保険制度と医療介護提供体制の両側面から解体を促進するものだ。
戦後社会保障制度、医療・福祉は、労働者階級の革命を予防する反革命政策として行われてきた。今ブルジョアジーがそこに手をかけてきたことは、革命の圧殺と引き換えに労働者階級に一定の譲歩をしてきた余裕も力も完全に失っていることの表れであり、それを支えているのが既成の労働運動勢力の総屈服だ。新自由主義による医療・福祉破壊、社会保障制度解体をめぐる一切は、革命の問題、労働運動の問題に絞り上げられた。
2月12日、安倍は施政方針演説で、安保法制・改憲とともに雇用・医療・農業の「岩盤」破壊の「改革断行」を宣言。戦争への突進と一体で「地域包括ケア」を掲げて医療と介護の解体、統廃合と全面民営化・営利産業化に出てきている。それは国鉄決戦解体を突破口とする大量解雇と超過重労働・総非正規職化であり、それと真っ向から闘う時だ。
10割非正規職化と医療の営利化狙う新型法人構想
2月9日、厚労省の有識者検討会は複数の病院・介護施設を一体運営する新型法人「地域医療連携推進法人(仮称)」創設案を出した。医療介護総合確保推進法に基づき、改正医療法案として3月中に閣議決定し、今国会への提出を目指している。▽2025年までに医療・介護費を計5兆円抑制する▽全体の病床を43万床抑制する▽都道府県に病床規制や医療費削減の権限を持たせる▽都道府県ごとに一つか二つの大規模事業体をつくり、「持ち株会社」のもとに地域で独占的に医療・介護サービスを供給していく――などと描いている。昨年、産業競争力会議で「岡山大学メディカルセンター構想」として出されたものを全国化することをぶち上げた。
新型法人構想とは、都道府県内の基幹的な医療機関の統廃合と介護事業所を含めた再編統合、そして労働者の10割非正規化を強行し、医療・福祉、介護の切り捨てと営利産業化していくための計画だ。成り立ちもそこで働く医療労働者の労働条件もまったく違う大学、国立、日赤、済生会などを本気で統合するために、国鉄分割・民営化型のいったん全員解雇・選別再雇用という手法を用いて労働者を分断し、従わせようとしている。
日帝ブルジョアジーは2025年までに総人口の5人に1人が75歳以上に達すると脅し、全医療・介護労働者を敵に回してでも医療・福祉、介護を全面的に再編し、解雇、民営化、外注化、非正規職化を推進しようとしている。日帝はその延命の成否を団結解体・労組破壊の絶望的攻撃にかけてくる以外にない。国鉄闘争を基軸に、絶対反対を貫き団結を総括軸に闘う階級的労働運動とわが医療福祉労働運動の存在と闘いが決定的だ。
昨年、医療介護総合推進法の成立にあたり、同法が「自治労の考えとおおむね一致している」とと断言した自治労や、「大企業は内部留保を吐き出せ」と資本主義の枠内での解決策を示し、一切を選挙に流し込む日本共産党の影響下にある医労連など、厚労省に屈服する体制内労働運動の闘争破壊を許してはならない。国鉄闘争を闘うわれわれこそが医療福祉労働運動の主流派に躍り出る情勢が到来している。
介護報酬を2・27%削減
2月6日、厚労省は4月から介護報酬を2・27%削減するとした。介護報酬引き下げで事業者の撤退による失職や労働条件の悪化がさらに進む。その一方で、他産業労働者の賃金より月平均9万円も低い介護労働者に「月1万2千円アップを目指す」とする「処遇改善加算報酬」を打ち出した。介護離職者の急増に歯止めをかけなければ介護保険制度が崩壊する危機に直面した国の窮余の策だ。現場は、安全崩壊するJR北海道と同じ状況だ。われわれの要求は、「処遇改善」ではなく、「安全確立! 大幅賃上げ! 非正規職撤廃!」だ。
要支援の介護保険はずし(やらずぼったくり)、介護付有料老人ホームの中には何千万円もの入居一時金を払って数年で追い出されたり、経営破綻し一時金が戻らないケースもある。保険料負担の限界など、大恐慌の中で民営化した介護保険制度はすでに破綻している。
介護職場で働く労働者が合同労組の分会を結成し、1人夜勤絶対反対、パワハラ弾劾、休憩・有休取得など労働者として当たり前の権利の行使へ、経営と非和解で各地で闘いを開始した。
続発する医療事故・労災・解雇・退職強要に反撃を
精神科A病院では、2009年に救急急性期病院に転換して以来、病棟火災、薬の飲みすぎによる患者死亡事故など医療事故や労災事故が続発している。昨年12月、具体的な人員配置や異動についてまったくふれない「病棟大再編計画」を新たに出してきた。診療報酬が最も高額になる救急医療への全面シフトを宣言したものだ。病棟大再編で解雇・退職強要、強制配転が最大の問題になる。さらに夜勤手当などの削減による賃下げ、人員不足による労働強化、業務の外注化・非正規職化により安全崩壊が引き起こされる。ビラで計画の本質を暴露した組合に、職員たちは計画への怒りや不安の声を寄せてきている。B病院では、「地域医療」を掲げてきた経営が、生き残りをかけて新自由主義コンサルタント会社に経営をゆだねる中、「再建計画」に協力しない者を切り捨てる選別攻撃、労働者への団結破壊と解雇攻撃との攻防が激化している。一時金不支給、昇給ストップ、手当カットや管理職によるパワハラ、安全も無視した配置転換など「経営の再建」を優先する法人に対する怒りがすべての職場で高まっている。
大恐慌下では、赤字を抱えた病院のいかなる「経営再建」もありえない。経営は労働者を分断し競争にかりたて、激しい賃下げ、労働強化に向かってくる。闘う労組、労働者をたたきつぶす以外に生き残る道はないところに追いつめられている。攻撃の一切は団結解体・労組破壊の絶望的攻撃だ。むき出しの不当労働行為の連発、労組への支配介入に対する決戦の真っただ中に入った。
すべての医療機関・介護施設で同様の攻防に入っている。青年労働者が非正規職撤廃を掲げ、怒りをたぎらせ根底から決起している。地区党、産別一体で階級的労働運動をすべての医療・福祉職場でよみがえらせよう。
闘う医療福祉労働者は、動労千葉・動労水戸の3・14ダイ改ストをともにかちとり、15春闘を階級的労働運動復権の春闘として、全国の拠点職場・拠点労組での組合権力の奪還・確立をかけて闘う。