動労水戸支援共闘結成へ 全労組が被曝労働と闘おう 小玉忠憲さん(国労秋田闘争団)のアピール
週刊『前進』06頁(2671号02面01)(2015/03/02)
動労水戸支援共闘結成へ
全労組が被曝労働と闘おう
小玉忠憲さん(国労秋田闘争団)のアピール
「被曝労働拒否を闘う動労水戸支援共闘結成集会」が3月15日、東京・台東区の「オーラム」で開かれる。この集会への結集と支援共闘会員の拡大を訴える国労秋田闘争団の小玉忠憲さんのアピールを掲載します。(編集局)
これが本当の労働組合だ
動労水戸支援共闘の結成集会への参加と、支援共闘の会員になっていただくことを訴えたいと思います。私が動労水戸支援共闘結成を呼びかけたのは、動労水戸の被曝労働拒否の闘いに感動し、動労水戸をもう一度見つめ直したからです。直接には、昨年9・11の郡山総合車両センター外注化阻止の闘いに、動労水戸がストライキに決起して19人が集会に結集したことに、「これが本当の労働組合だ」という思いを深くしました。労働者階級全体や住民のために闘う動労水戸の姿に深い感銘を受けました。それは、自分たちが1047名闘争にかけてきたものとつながっています。
被曝労働と無関係な人はいません。これは全労働組合、全労働者、全人民の課題です。しかし、労働組合がストレートに被曝の問題を取り上げて闘争しているのは動労水戸以外にありません。動労水戸の闘いは、国際的にも画期的なことです。
誰も被曝してもいいとは思っていません。一人ひとりがものすごく悩んでいます。時給数百円の郵政労働者がたった1通の郵便を持って高線量地域に配達に行く。「何のためにそれをしなきゃいけないんだ」「でも俺が行かなきゃ誰も行かない」と自問自答し、なかなか声を上げられない。あらゆる労働者がそういう状況に置かれ、苦闘していると思います。被曝労働反対の声は労働組合として当然出るべきなのに、そうなっていません。
JRは常磐線の竜田延伸で乗務員に被曝労働を強い、高放射能地域に放置されていたK544車両を検査・修理させることで検修労働者を被曝させ、ポケモントレインで子どもたちまで被曝させました。これに対し、動労水戸は断固として被曝労働拒否の闘いに立ち上がりました。こうした闘いは、本来どんな労働組合でも闘わなければならない課題です。
労働者の心とらえる闘い
非正規職や派遣労働の問題と被曝の問題は、別のことではありません。原発労働者は6次、7次にもなる下請け構造の中で働かされています。ピンはねされているだけではなく、激しく被曝するところほど下請けに押し付けられています。被曝の問題を闘争にしていくとき、現実に立ちはだかるのは正規と非正規の分断です。そこを徹底的に突き詰めて、構え直すことが必要です。
仮設住宅に住む人たちが動労水戸の闘いに強く支持を表明し、動労水戸の演説を聞いた原発労働者が感動して「そのとおりだ。君たちの言うことは正しい」と言ってくるのは、動労水戸の闘いが間違いなく全労働者をとらえているからです。
先日の全国労組交流センター総会での原発労働者の発言を聞き、私も感動しました。彼らは、収束作業をしている自分たちの仕事にものすごい誇りと責任感、使命感を持っています。そして、「原発労働者の中に闘う労働組合をつくる」と提起しました。〝日本の労働者は俺たちのことをどう考えているんだ〟と突きつけられたと感じました。
3・11が起きた2011年に、電力総連は原発再稼働を求める決議を大会で上げました。その後も毎年、同じことを確認している。原発再稼働を労働組合が推進しているんです。こういう状態を見据えずに、一般的に原発反対と言っても空論になってしまう。労働組合の立場でこの現実と真剣に格闘しなければいけないと思います。
今回、動労水戸支援共闘の呼びかけをしたときに、すぐに賛同していただいたのは青森の南部バス労働組合です。青森は六ケ所村の核燃サイクル施設の問題とか大間原発の問題があって、いろんな機会に反核燃・反原発闘争を闘っています。それがあるから、動労水戸の闘いは自分たちの闘いだとストレートにとらえたんです。
支援共闘の結成を通して、全国の労働者、原発立地の労働者と議論を進めていただきたいと思います。動労水戸の闘いはもう始まっているし、原発労働者がそれに呼応して労働組合を組織する闘いも始まっていると訴えて、一緒に闘っていこうと呼びかけてほしい。
支援共闘は、動労水戸を精神的にも財政的にも支援し、JR資本から守り抜くと同時に、被曝の問題を自分たちの課題とし、自分の持ち場で闘っていくものにしたいと思います。
福島圧殺のJR資本撃ち
JRは、労働者が「放射能に対して防護措置をとれ」と要求しても、「国が大丈夫と言っているから大丈夫だ。対策はしない」と堂々と言う資本です。国労郡山工場支部のK544に対する闘争も、何も対策をとらないJRに対して「青年労働者は仕事から外せ。作業にかかわる者には防護服を準備しろ」と現場から迫り、そういう措置をとらせる闘いでした。常磐線が竜田まで延伸されたとき、女性車掌が「乗務させないでほしい」と泣いて訴えたけれど、JRは「わがままを言うな。業務命令だ」と乗務を強制しました。そういう形で、乗客が誰も乗らない電車に毎日乗務させ、被曝させている。こういう現実を東労組はまったく問題にしない。動労水戸がストライキで被曝労働強制と闘っていることは、確実に乗務員の心をとらえています。
JR資本は、安倍政権の帰還強制、福島圧殺の攻撃の先頭に立っています。政府は避難準備区域、避難区域を次々に解除しているけれど、圧倒的多数の住民は〝こんな危ないところに帰れるか〟と拒否しています。
そうした中で、JR東日本は1月31日から竜田―原ノ町間のバス代行運転を始めました。「1回乗ったら1・2㍃シーベルト被曝します」と、乗客への通知の中に堂々と書いています。そして、常磐線の全面開通に向けて、設計作業や古い駅舎の解体作業を始めると宣言しています。
国道6号線が開通し、3月には常磐道も開通させ、常磐線も全線開通させて帰還を強制しようとしているのです。そして、避難している人びとへの慰謝料支払いも打ち切ろうとしています。これに対して労働者、労働組合はどう立ち向かうのかが問われています。
12年10月の「グループ経営構想Ⅴ」でJR東日本は、「3・11を第二の出発点に位置づける」と打ち出しました。国鉄分割・民営化を第一の出発点とした上で、膨大な労働者を犠牲にした分割・民営化をもう一回やるということです。
JRが強行しようとしている第2の分割・民営化=全面外注化・非正規職化と被曝の強制・帰還の強制は一体です。こうした攻撃の全部をひっくり返して安倍を打倒し、原発再稼働を止めていく闘いの展望は、ひとえに職場生産点の闘い、特にJR職場の労働者の闘いにかかっています。動労千葉の外注化阻止闘争と並び、動労水戸の被曝労働拒否闘争はその最先端の攻防です。
被曝の問題とそれぞれの持ち場で具体的に闘うとともに、支援共闘としての具体的な行動を提起していけるようにしたいと思います。結成集会への圧倒的な結集を呼びかけます。