新やぐら裁判 NAAの買収は無効 〝農地守る〟北原事務局長が陳述
週刊『前進』08頁(2670号05面02)(2015/02/23)
新やぐら裁判
NAAの買収は無効
〝農地守る〟北原事務局長が陳述
(写真 左から、陳述を終え自信の表情の北原事務局長、葉山岳夫弁護士、西村正治弁護士【2月16日】)
2月16日、千葉地裁民事第2部(岸日出夫裁判長)で「新やぐら裁判」の第1回弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、成田空港会社(NAA)の新たな提訴に、猛反撃の決意で臨んだ。
この裁判は、東京高裁で闘われている天神峰・市東孝雄さんの農地裁判控訴審と密接不可分の関係だ。市東さんの天神峰の耕作地には、看板、やぐらなど反対同盟所有の四つの工作物が建っているが、NAAは反対同盟に対し、これらを収去し土地を明け渡せという裁判を起こしたのだ。
午後1時30分に開廷すると、弁護団はNAA側の起訴状に対する答弁書を陳述し、「断じて認められない。原告NAAは、土地所有権を取得していない」と一喝し、請求の棄却を求めた。NAAの前身である空港公団は1988年、耕作者である市東東市さん(孝雄さんの父・故人)に秘密で旧地主から土地を買収した。NAAはこれを「転用目的の取得」と言うが、当時は工事のめどなど立たず、市東家は17年間も買収の事実を知らされずに旧地主に地代を払って耕作していた。
これはNAAの悪質な脱法行為であり、買収は無効だ! NAAが「地主」の顔で、「農地を明け渡せ」「やぐら・看板を撤去しろ」という資格はみじんもない。
続いて、北原鉱治事務局長が反対同盟を代表して意見陳述書を読み上げた。「看板は反対運動を広く伝え、やぐらは排気ガス調査などを行う反対同盟の重要な工作物」「農地裁判控訴審では、四つの所有物は市東さん個人の所有物に含まれたままだ。明らかに矛盾している」「市東さんへの農地強奪攻撃を許さず、廃港の日まで闘う」
さらに弁護団は、数々の三里塚裁判で反動判決を下した元千葉地裁裁判官の上野至が、NAAの代理人として今現に原告席にいる事実を指摘し、「こんなことは許されない。岸裁判長は予断なく公平な裁判を行う気があるか」と迫った。裁判長は、「円滑・公正に、法に照らして審理を進める」と言葉をにごした。
次回期日を5月11日として閉廷した。
近くの会場で報告集会が開かれた。伊藤信晴さんが司会を務め、冒頭に北原事務局長が「政治が変わるまで闘い続けよう」とあいさつした。
続いて葉山岳夫弁護士が、「農地裁判控訴審では看板・やぐらを市東さんの所有と言い続け、きょうの裁判では反対同盟を所有者として提訴。こんな言い分は通用しない」と断じた。さらに弁護団全員が発言し、NAAが農地裁判一審・多見谷判決に不安を覚え、動揺・混乱に陥っていることを指摘した。
質疑応答後、動労千葉の滝口誠さんが、前日の国鉄集会の成功と、JRダイ改=地方切り捨てに対し千葉県下各市町村で激しく怒りが渦巻いている状況を報告した。
最後に東峰の萩原富夫さんが、3・4農地裁判控訴審と成田市栗山公園での3・29全国集会への大結集を熱く呼びかけ、集会を締めくくった。