解雇撤回・外注化粉砕・ダイ改阻止へ 動労総連合の建設へ全力 東京国鉄集会での主な発言

週刊『前進』08頁(2670号02面01)(2015/02/23)


解雇撤回・外注化粉砕・ダイ改阻止へ
 動労総連合の建設へ全力
 東京国鉄集会での主な発言

(写真 3月ダイヤ改定でJR大再編・全面外注化に踏み込むJRに対し、「動労総連合を全国に」の大方針のもと総力で反撃する決意を固めた東京の2・15労働者集会)

 国鉄分割・民営化による不当解雇から28年目の2月15、16日、東京を始め全国10カ所で国鉄集会が開かれた。15日に東京・すみだ産業会館で行われた「国鉄分割・民営化で不当解雇から28年2・15労働者集会」(主催・国鉄闘争全国運動)には630人が結集した。速報版2015年第2号での報道に続き、東京の集会の主な発言の要旨を紹介します。(編集局)

国鉄闘争の発展へ

10万の仲間と新たな運動を
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人 伊藤晃さん

 2010年の政治和解に対してわれわれが国鉄闘争全国運動をつくってから5年になろうとしています。よくぞこの運動をつくったと実感します。新自由主義の攻撃に対決し反撃する運動を、全国にただ一つつくることができました。新自由主義は世界的に破綻しています。しかし、破綻せしめる力がないと破綻しない。私たちの運動は新自由主義に受動的に対応する運動ではありません。一つひとつに反撃し、新しい労働運動を再生させる運動です。この運動の正しさは、動労千葉の鉄建公団訴訟での署名運動の大成功が示しています。最高裁は一向に判決を出せません。すごい力が実現されている。この力へのわれわれの確信をつくったことが、5年間の最大の成果です。
 「新自由主義の現実は必然」という論理では対抗できる力は出てきません。新自由主義は社会と人間を壊しています。896自治体が破綻すると言われるが、これも宿命ではありません。破綻させる力に対し、破綻させない力、人間の生活を守る運動を私たちは対置しています。千葉のローカル線切り捨て反対の闘争はひとつの象徴です。全国に同じ条件がある。自治体、教育、医療、郵政で、自分の職場を守る運動と社会を守る運動とが結びつく。ここに労働運動再生の契機がある。
 署名運動を通じて仲間が10万人増えた。10万の人びとは、自分の置かれた状況の中で、自分たちの問題で闘いたいと思っています。全国運動はその声を発揮する場にならないといけない。新しい努力、新しい考え方が必要です。それが、全国の労働者が新しい労働運動に立ち上がる出発点になると思います。

開会あいさつ

労働運動こそ侵略戦争阻む
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人 鈴木達夫弁護士

 杉並区で総選挙を闘い、1万7千人の人民の決起を闘いとってから2カ月。安倍と倒すか倒されるかの真剣勝負が続いています。
 帝国主義間・大国間の領土・資源・勢力圏のぶんどりあいが軍事化し、ついに安倍は中東侵略戦争参戦に踏み切った。
 労働者の闘いに敵対するイスラム武装勢力の思想、行動、路線では帝国主義を打倒できない。労働者階級の解放はかちとれない。
 戦争がすでに始まった時代に、私たちは全世界の労働者人民に、「階級的労働運動の力と国際連帯で帝国主義の侵略戦争を阻止しよう」「大恐慌と戦争を革命に転化しよう」と呼びかけて、圧倒的な支持をかちとっています。われわれは口舌の徒としてではなく、動労千葉、動労水戸を先頭とする階級的労働運動を実践し、新自由主義と真っ向から闘い抜いてきた物質力をもって、この呼びかけを発しました。
 中東の労働者階級の闘いは、イスラム武装勢力の敵対をはね返して一気に革命に向かって進んでいます。
 韓国・民主労総は4―6月、ゼネストに入ろうとしています。パククネ大統領を労働者人民の力で倒す時期が来ています。日本の運動が決定的に問われている。この時に、われわれは最高の武器を手にしています。階級的労働運動と国際連帯、そして「動労総連合を全国に」の方針です。
 全国の国鉄労働者の中に動労総連合を一挙に建設することが鍵をなしています。国鉄労働運動の革命的伝統を引き継ぎ、一挙に動労総連合を建設しよう。われわれの一挙手一投足が世界の労働者を激励することに確信を持とう。

労組の力とり戻す勝負の時
 動労千葉 田中康宏委員長

 28年前、7600人が首を切られ、戦後最大の労組破壊が強行されました。86年2月、動労千葉は燃え上がる怒りでストに立った。団結さえ崩さなければ必ずこれに続く闘いが起きると確信して立ち上がりました。
 1047名解雇撤回闘争は戦後最大の労働争議です。100万人規模の労働者が1047名解雇撤回の旗印に結集して連合と対抗し続けました。
 しかし、解雇された現場の怒りは幹部たちに無視された。2010年4・9で分割・民営化も国鉄改革法も「JRに法的責任なし」も認める決着がつけられた。われわれは強い危機感を持って国鉄闘争全国運動を立ち上げた。それから5年、ここまでの闘いをつくったのは皆さんの力です。
 時代は大きく動き、政府は戦争に踏み込んでいます。安倍は46社を連れて中東を歴訪し、「イスラム国」に対する戦争に2億㌦を拠出すると言った。すべては企業のため。労働組合が力をもっていたら、こんなことは許さなかったはずです。
 非正規職は2千万人を超え、社会は総崩壊し、896自治体が破綻する。すべては分割・民営化から始まった。労働組合が力を取り戻さなければなりません。
 JRは文字通りの第2の分割・民営化を画策しています。ここ8〜9年でJR労働者の半分が退職する。JRはそれをチャンスとして全面外注化に踏み出しています。動労千葉は外注化と非妥協的に闘い、労働者が非正規職に突き落とされる過程に対して労組が有効に闘えることを示してきました。
 動労水戸の被曝労働拒否のストは普遍的な意味を持っています。全労働者が同じ現実に置かれているが、ストで闘ったのは動労水戸だけです。
 分割・民営化との闘いが新しい地平を切り開き、情勢とかみ合って本当の力を持ち始めた。その力で1047名解雇撤回闘争をついに復権させた。そこに戦争を止め、労働者の力を取り戻す展望があると思います。

東労組の崩壊ついに始まる
 動労水戸 石井真一委員長

 分割・民営化の破産が完全に始まっています。JR北海道の問題が典型です。北陸新幹線の金沢延伸で在来線は四つの県の第三セクターになり、250人規模の労働者が出向になる。全部、地方切り捨ての攻撃です。
 ダイヤ改定で東北線、宇都宮線、高崎線、常磐線が品川に乗り入れる。常磐線の特急は自由席を全廃して値上げする。車掌も3人から2人に減らす。勝田運輸区の人は、今でも上野までの乗務でへとへとなのに、品川まで行かされる。
 JRは竜田―原ノ町間のバス代行運転を開始した。1・2㍃シーベルト被曝する。何のために走らせるのかと住民は怒っています。福島切り捨てをJRと安倍は狙っている。原発事故は収まっていないのに帰還を強制する。これに対して2・8いわきデモを断固やりました。
 被曝労働の強制を許せないと動労水戸はストで闘いました。分割・民営化と闘ってきたからこの闘いができた。被曝労働反対の闘いは全産別、全国の労働者の課題です。
 會澤君が動労水戸に入って、ライフサイクル発令にストップをかけました。「闘ってもだめ」という東労組の論理は完全に崩壊した。彼らは青年を引き止められない。東労組の崩壊が完全に始まった。ドミノ式に青年を獲得したい。動労水戸の組合員はその気になって活動を始めています。
 外注化で、ついに勝田車両センターで先日、脱線事故が起きました。誘導は以前は2人だったが、外注化で1人に減らされた。外注化するととんでもない事故が起きる。運転保安闘争で外注化を粉砕します。

JRの現場から

●動労千葉幕張支部
 山田護支部長
 先週、幕張支部の配転差別事件の裁判がありました。副支部長、書記長、執行委員5人が立て続けに強制配転されたことは動労千葉の弱体化を狙う不当労働行為です。絶対に許せません。
 幕張車両センターの車輪転削業務では外注化後ミスが多発しています。しかし下請け会社のCTSは対策を何もしていません。すべての仕事と仲間をJRに戻すために闘います。そのためには組織拡大です。去年CTSの仲間が3人、動労千葉に加入しました。CTSの仲間とJRが連帯して外注化をつぶしたい。

●動労千葉銚子支部
 関根一美支部長
 3月のダイ改で成田線では特急列車全廃、総武本線では2本の列車が削減されます。1月の終わりに佐倉支部と支援の仲間とビラ行動を、銚子駅を始め8駅でやり、銚子の商店街ではかなり反対の声が上がっています。
 自治労とか各労組にも話をして回っています。2・26銚子集会への皆さんの結集を訴えます。

●動労千葉木更津支部
 山中茂男支部長
 3月のダイ改で内房線の君津から館山は定期の特急は全廃です。館山は観光地です。特急の廃止は死活問題です。観光協会とか旅館組合の人もみんなJRに裏切られたと言います。久留里線のワンマン化の撤回と館山への特急列車復活に向けてがんばります。

●動労連帯高崎
 漆原芳郎副委員長
 「エルダー職場の確保」と言って外注化が進められてきましたが、高崎では来年度140名の退職者がいる中で、エルダー職場が確保されているのは四十何名分だけです。外注先のパートの賃金は年収160〜170万円。春闘では動労総連合として賃上げ要求を掲げ、清掃労働者を獲得し組織拡大していきたい。

●動労千葉
 木科雄作さん
 組織拡大、非正規撤廃、外注化完全粉砕へオルグしてがんばります。

●動労水戸
 照沼靖功さん
 「動労総連合を全国に」と打ち出されていますが、先輩方にすべてを任せず、青年がしっかり責任をとって、全力で闘っていきます。

●動労水戸
 會澤憲一さん
 昨年12月25日に動労水戸に加入しました。その時、東労組から「(動労水戸は)ほかの労働組合と一緒にやるから危険だ」と言われました。でも、11月の集会や今日の集会に、業種・職種を越えてこうして連帯しているのはすごいと思います。先輩たちや照沼君、羽部君と話をしながら活動をがんばりたい。

最高裁勝利判決を

JRへの復帰は当然のこと
 動労千葉顧問弁護団長 葉山岳夫弁護士

 最高裁裁判闘争は、6次にわたる8万3千筆の署名提出行動と、その都度の最高裁前集会、毎年の国鉄闘争全国運動集会の大成功が、反動判決を阻止しています。
 国鉄分割・民営化は、新自由主義による労働運動破壊の戦略的な攻撃でした。これに対する闘いは、新自由主義との決戦的な闘いです。
 反動的な2010年4・9政治和解を断固拒否して、動労千葉を中心に国鉄闘争全国運動の皆さんが決起しました。
 2012年6月の東京地裁・白石判決は、名簿不記載基準、すなわち不採用基準は動労千葉組合員を差別する不当労働行為であり、これを適用して清算事業団送りにしたことも不当労働行為であると認定しました。2013年9月の東京高裁・難波判決もこれを支持しました。しかし、不当労働行為を認めながらJR復帰を認めないことは、明らかに反動判決です。
 最高裁への上告理由の中で、国鉄改革法23条が葛西敬之職員局次長と最高裁調査官で国鉄に出向した江見弘武が共謀して策定したことを暴露しました。また、葛西と井手正敬総裁室長が、87年2月2日ごろ、JR設立委員会委員長で経団連会長の斎藤英四郎と共謀して、名簿不記載基準を策定したことを暴露しました。設立委員の不当労働行為は、もろにJRに及びます。動労千葉組合員をJR復帰させることは当然中の当然です。

みなで歩んだ30年こそ宝だ
 動労千葉争議団 中村仁さん

 国鉄闘争全国運動の闘いで解雇撤回・JR復帰へ必ず勝利しましょう。
 私が青年部だったころから約30年たって、この闘いを動労千葉が続けていられるのは、首をかけたストライキを闘ったからです。動労千葉12名をJRに採用しとけばよかったと当局に言わせる闘いをぶつけたい。
 私たちは採用されなかったことで、全国の多くの闘う仲間とつながり、団結を拡大して闘ってきました。解雇撤回をかちとることが一番の目標ですが、みんなで歩んできた30年が私たちの宝です。闘う労働者の組織拡大へ闘いましょう。

闘い続けることが俺の任務
 国労旭川闘争団 成田昭雄さん

 分割・民営化との闘いの時、家族会が乳飲み子抱いて雪に座った。極寒の中で分割・民営は間違ってると、ずっと座ってる。このことを忘れてはならんと思うんだ。二百数人が自ら命を絶った。だから俺は闘い続ける。我慢できないから。生活のある者をなんでいじめるんだよ。2月16日が来ると、俺は胸がはちきれるんです。
 すべての労働者の問題も抱え、背負って国鉄闘争を軸に闘うことが、俺の任務だと思う。

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