紹介 序局 第8号 戦後70年―新たな戦争と改憲
紹介
序局 第8号
戦後70年―新たな戦争と改憲
安倍の戦争攻撃に対し労働者の進む道照らす
今号は戦後70年という節目の年の冒頭に、「戦後70年談話」をたくらむ安倍政権の戦争と改憲の攻撃に対して、真っ向から切り結んでいます。
巻頭に、鈴木達夫弁護士が衆院選闘争の意義を熱く語っています。「全人民の手に政治を取りもどす。そこを(選挙戦で)一番いいたかった」と総括しています。
本誌の新たな挑戦として、「集団的自衛権」と「朝日新聞バッシング」という二つのテーマを切り口に戦争の問題に真っ向から取り組んだ論文を載せ、世に問うています。黒島善輝論文は7・1閣議決定に鋭く切り込み、逐条的批判を展開しています。安倍の論理に対する胸のすく反駁(はんばく)が次々と繰り出され、迫力十分です。十亀弘史論文は、朝日新聞の歴史的屈服をついて、労働者の立場から、これと対決する道を指し示しています。2論文は読み応えがあります。
第一線で闘う労働組合指導者の声が5人続いているのも、本号の圧倒的魅力となっています。動労千葉の田中康宏委員長は、今日の労働者を取り巻く状況を的確にとらえ、国鉄闘争の意義を明らかにしています。
3労組共闘の一翼として労働運動を牽引(けんいん)してきた港合同の中村吉政委員長の話は面白いし、役に立ちます。闘いの歴史と教訓には興味が尽きません。
精研労組の諸永政廣委員長は、日本共産党の指導下にあった医療産別の労働組合をどのような闘いで変革したかを説き明かしています。鈴コン分会の吉本伸幸書記長は、解雇撤回させ元気に就労を開始した、闘いの新たな出発を意気高く語っています。
米UTLA(ロサンゼルス統一教組)のセシリー・マイアトクルス副委員長の大阪での講演は、闘う労働組合をつくるという共通のテーマで学ぶところ大です。海を越えて闘いが相互に高めあって進んでいることは素晴らしいことです。
5人の労組指導者の共通のキーワードは「団結」です。階級的団結の意味を実践的に明らかにして、勝利の自信と確信を与えてくれます。国鉄闘争が軸となって階級的労働運動が前進してきたことがよく分かります。
4年目の3・11に向かう福島の声は3人の女性から発せられていて、胸を打ちます。佐藤幸子さんは福祉の現場が3・11以後どれほど深刻な状況なのかを明らかにし、椎名千恵子さんは今年の3・11を国鉄労働者が柱になって準備していることの階級的意義を誇り高く語り、江原和子さんは国を鋭く弾劾しつつ、ふくしま共同診療所と動労水戸の闘いに希望を見いだすと述べます。
星野再審闘争について本誌上では初めて全面的に論じられています。主任弁護人の岩井信弁護士は、再審闘争の現段階と、主要な争点を分かりやすく説いています。全国再審連絡会議共同代表の戸村裕実さんは三里塚闘争などの体験から星野闘争にかける特別の思いを語っていて感動的です。宮本弘典さんは国家権力の非道を具体的に暴きます。全証拠開示100万人署名運動の大きな武器となるでしょう。
労働者の進む道を照らす豊富で充実した内容です。ぜひ購読してください。
(破防法研究会『序局』編集委員会)