2・15国鉄集会に結集を 安倍の中東参戦・改憲攻撃を労働者国際連帯で打ち砕こう 3・14ダイ改粉砕・動労総連合建設へ

週刊『前進』06頁(2668号01面01)(2015/02/09)


2・15国鉄集会に結集を
 安倍の中東参戦・改憲攻撃を労働者国際連帯で打ち砕こう
 3・14ダイ改粉砕・動労総連合建設へ


 2月1日、イスラム武装組織=「イスラム国」は、拘束していたジャーナリスト・後藤健二氏の殺害を強行した。これに対し安倍は「テロには断じて屈しない」「その罪を償わせるために国際社会と連携する」と、「イスラム国」壊滅への2億㌦の戦費拠出に続き、中東侵略戦争への参戦を宣言した。1・20人質事件発生以来、日帝・安倍は「卑劣なテロと断固戦う」と叫んで2人の人質を見殺しにし、米帝を軸とした「有志連合」の一角で、中東支配と石油強奪をかけ米英仏に伍(ご)してイラク・シリア侵略戦争を戦う道に踏み込んだ。この安倍を打倒し、中東侵略戦争参戦と改憲の野望を粉砕する闘いこそ国鉄決戦であり、階級的労働運動と国際連帯だ。2・15国鉄集会の大成功から2〜3月国鉄決戦の爆発へ攻め上ろう。

中東歴訪が人質事件を誘発

 「イスラム国」に拘束されていた2人の日本人人質が殺害された今回の事件の、直接の最大の責任は、安倍の1月中東歴訪とイラク・シリア侵略戦争への参戦にある。
 第一に、そもそも日帝・安倍政権は、2人の日本人が昨年の8月と10月末以来、「イスラム国」に拘束されていることを完全に把握していた。しかしその解放の努力は何もしてこなかった。
 そればかりか今年1月中旬、安倍は商社、ゼネコンなど侵略的大企業46社の幹部を引き連れ、エジプト、イスラエルなど中東4カ国を歴訪し、「イスラム国」と戦うための2億㌦など総額25億㌦の供与を表明し、事実上の「参戦」を宣言したのだ。
 今回のような事件を想定し、政権内には歴訪取りやめ論もあったという。だが安倍は「テロには屈しない」と取り合わなかった。昨年末からは「対イスラム国極秘プロジェクト」が進行し、自衛隊派兵の可能性も検討され、もし事件が起きたら中山外務副大臣が現地対策本部長となり、ヨルダンで指揮をとることもあらかじめ決定されていた(『選択』2月号)。
 そして実際に、安倍の中東歴訪と対「イスラム国」参戦宣言を狙いすまして、1・20人質事件が起きた。安倍は傲慢(ごうまん)にも、今回の中東歴訪について「フランスのテロ事件でイスラム国がクローズアップされている時に訪問できる俺はついている」「世界が安倍を頼りにしている」などとうそぶいていたという。だが2人の人質を見殺しにした中東侵略外交は、安倍の没落の始まりだ。
 第二に、安倍のいう「人道支援」など大うそで、それは限りなく軍事支援そのものである。安倍は2億㌦を、米帝が率いる「有志連合」のイラク・シリア大空爆への実質的な「後方支援」として供与したのだ。安倍はエジプトで「ISIL(イラク・レバント・イスラム国=イスラム国の前身の呼称)と戦う周辺各国に総額2億㌦程度、支援をお約束する」と、公言しているのだ。
 米帝を軸として、空爆に参加する英、仏、カナダ、オーストラリアなどを先頭に約60カ国が「有志連合」を形成し、「イスラム国壊滅」を叫んで、昨年8月以来、イラク・シリアへの大空爆が強行されている。米国防総省は、これまで「有志連合」による空爆は2千回近くに達し、6千人以上を殺害したと発表しているが、その実態は無差別爆撃でビルや油田や住居を破壊し、「イスラム国」とは関係のない無辜(むこ)の民を多数殺害し、膨大な難民が生み出されているのだ。2億㌦の「人道援助」とはこの汚い戦争の「戦費」なのだ。
 第三に、日帝・安倍の中東侵略戦争参戦は、中東地域での日帝ブルジョアジーの石油利権・通商利権の拡大と一体だということである。安倍に侵略的大企業46社が随行(ずいこう)し、総額25億㌦にのぼる資金援助が表明されたことはその象徴だ。しかもそれは米欧帝国主義との激しい争闘戦、争奪戦であり、この激動情勢を突いて日帝が中東支配に参入するという意図がむき出しになっているのだ。
 紅海からスエズ運河に通じる要衝・ジブチの自衛隊基地を恒久化し強化する策動は、日帝・安倍の中東侵略戦争参戦=軍事と石油・通商利権の一体性を指し示している。

決起する中東の労働者階級

 以上の確認の上で、今回の1・20人質事件と2・1の事態が示しているのは、「イスラム国」やアルカイダなどのイスラム武装勢力の思想、行動、路線は、中東のエジプト、イラク、トルコを始め全世界で決起する労働者階級の新自由主義・帝国主義への怒りと闘いに敵対し、団結を分断し、破壊するものでしかないということだ。
 アルカイダや「イスラム国」は、帝国主義とスターリン主義への怒りと絶望をゆがんだ形で表現した存在だ。彼らはソ連スターリン主義のアフガニスタン侵攻(侵略戦争)と、米帝のアフガニスタン・イラク侵略戦争という過酷な歴史の中から、最初は米CIAやサウジアラビア反動王政に育成されて登場し、帝国主義の先兵として利用され翻弄(ほんろう)された歴史をも経て、今日に至っている。
 彼らの階級的本質は、労働者自己解放と労働組合の圧殺であり、マルクス主義への敵対である。だから「イスラム国」は今日、イラクやシリアの労働者と労働組合にとっては、直接的・現実的に完全な武装反革命として立ち現れている。
 『国際労働運動』2月号が特集しているように、中東における労働者階級の新自由主義との闘いは、今や一大転機を迎えている。
 大恐慌が「恐慌の中の恐慌」に突入し、帝国主義間・大国間争闘戦が戦争へと転化する情勢下で、中東諸国の経済危機と失業・貧困は一層激化し、労働者は生きるための闘いに陸続と決起し始めている。それは、2011年のエジプト革命を先端とする中東・北アフリカでの歴史的な決起を引き継ぎ、のりこえる闘いであり、階級的労働運動と国際連帯で帝国主義の侵略戦争を阻止し、帝国主義を打倒するプロレタリア革命・世界革命のうねりの本格的な始まりである。
 例えばイラクでは、03年の米帝によるイラク侵略戦争の後、連合国占領当局(CPA)によって国営企業が次々と民営化された。だが最大の民営化対象だった石油産業部門では、石油労働者のストライキと激しい抵抗闘争が闘われ、国営企業の全面的民営化は核心的な部分で阻止された。昨年の「イスラム国」のイラク侵攻後は、政府軍とイラク政府が崩壊状態に陥る中で、石油労働者の闘いを軸にした生きるための新たな団結が生まれている。
 「イスラム国」は、このイラク労働者の闘いに襲いかかり、公共部門の労働者のストを禁圧し、教育労働者の組合による自治的活動を一切認めず、石油労働者の組合活動をも破壊する武装反革命として登場している。
 ここで求められているのは、大恐慌と新自由主義に立ち向かうマルクス主義と階級的労働運動と国際連帯の復権、党と労働組合の一体的な力強い前進である。決起する中東の労働者、労働組合と連帯して闘おう。

国鉄決戦の爆発こそが回答

 だからこそ今、日本の国鉄決戦がいよいよその真価を全面的に発揮し前進する時である。今や日本共産党を始め一切の体制内勢力、既存の議会内政党・政派が、安倍やマスコミの「テロ弾劾」「国の存立を守れ」の大合唱の前に沈黙し、屈服し、翼賛している。この現状を根底的に打ち破り、国鉄決戦を基軸に、階級的労働運動派=動労千葉派は職場・地域と学園から総決起しよう。
 鉄道は、資本主義の生成と発展、その帝国主義段階への推転の歴史を通して、一貫して資本主義・帝国主義による労働者階級人民への搾取・収奪、抑圧・支配の道具であった。そして最末期帝国主義の絶望的延命策としての新自由主義は、その鉄道の果たしてきた役割を極限的に推し進めている。鉄道は国内階級支配だけでなく、他国への侵略・勢力圏化の道具として、大恐慌が戦争に転化しつつある現在、争闘戦の最大の焦点になっている。鉄道をめぐる階級的攻防は、革命と反革命の激突の最先端である。
 それを鮮烈に示すものこそ、日本における国鉄分割・民営化との闘いの歴史だ。
 動労千葉、動労水戸は、30年を超える1047名解雇撤回の不屈の闘いを最先頭で担い、その成果と教訓を受け継ぎながら、それを不動の勝利の路線へと高め、前進させ、絶対反対を貫き階級的団結を維持・強化してきた。この動労千葉、動労水戸に代表される国鉄労働運動、国鉄労働者の存在と闘いの歴史こそ、世界のプロレタリアートがともに団結し、勝利の反転攻勢を開始する一大出撃拠点だ。「動労総連合を全国に」の闘いに今こそ果敢に挑戦しよう。
 国鉄分割・民営化から28年、2・15国鉄集会は全国10カ所で開かれる。最高裁は動労千葉鉄建公団訴訟で昨年末に反動判決を出せなかった。国鉄10万筆署名を達成し、解雇撤回・JR復帰をかちとろう。2・15国鉄集会に結集しよう。3・14ダイヤ改定・JR大再編・全面外注化をストで粉砕しよう。15春闘、3・11反原発福島行動(郡山市)を始め、3、4、5月の大闘争へ進もう。

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