「テロと戦う」と繰り返し侵略戦争に参戦する安倍 日本共産党は政府を翼賛
週刊『前進』06頁(2667号03面02)(2015/02/02)
「テロと戦う」と繰り返し侵略戦争に参戦する安倍
日本共産党は政府を翼賛
安倍に人質を救う気はない
1・20人質事件に関して、安倍は基本的に人質を救出する気はまったくない。初めから全世界に向けて「卑劣きわまる行為」「テロと断固戦う」とのみ繰り返し、「イスラム国」を逆に挑発している。そして、事件をもっぱら中東侵略戦争参戦、戦争体制づくりのてこにしようとしている。1月25日、安倍はNHK「日曜討論」で、「今回のような人質事件が発生した時に自衛隊を派遣できるようにしたい」と公言した。そのための立法を今国会で狙っている。安倍は、〝日本を、血を流して戦争をやれる国家にしなければ生き延びられない〟という帝国主義者としての危機感に駆られ、自衛隊の海外派兵、中東侵略戦争参戦に突き進んでいるのだ。
そもそも今回の人質事件の背景には何があるのか、はっきりさせよう。
米英仏など帝国主義は「イスラム国壊滅作戦」と称して昨年8月以来、1700回以上もイラク・シリア空爆を繰り返している。これにより6千人以上(米軍発表)の人民が虐殺された。この戦争の本質は、帝国主義による中東の石油・天然ガス資源と市場・領土・勢力圏の争奪戦である。町や村、油田が爆撃され、共同体が破壊され、女性や子どもたちが無差別に殺されているのだ。
この空爆作戦を安倍は昨年9月23日、ニューヨークで「イスラム国が弱体化し、壊滅につながることを期待する」と支持し、壊滅作戦に2550万㌦(約30億円)を拠出した。安倍と外相・岸田はこのとき記者団から、「イスラム国に拘束された湯川さんに空爆で危険が及ぶのでは」と指摘されても、かまわず資金拠出を強行した。
さらに安倍は昨年から日本人2人が人質となっている事実を承知しながら1月、中東4カ国を歴訪し、エジプトで「イスラム国と戦う周辺国に総額2億㌦(約236億円)を支援する」と宣言した。その直後に1・20人質事件が引き起こされたのである。
こうした事実経過と「イスラム国」の声明に明らかなように、人質事件は空爆作戦への安倍の積極支持と資金拠出、そしてエジプト、イスラエルなどへの安倍の歴訪が引き起こしたものである。これへの怒りが、非常に反動的にゆがめられた形で爆発したのである。安倍は「積極的平和主義」や「人道支援」の名のもとに、血みどろの戦争をやろうとしているのだ。
この間、テレビや新聞、野党、体制内労働運動の勢力はこぞって、「テロ弾劾」と「安倍政権がんばれ」の反動的な大合唱に加わり、戦争体制づくりに協力している。日本共産党はその先頭に立っている。
政府を「批判」させない志位
日本共産党は「残虐非道な蛮行」と、安倍首相と同じ言葉で人質事件を非難し、その一方で有志連合の空爆を免罪している。そして共産党の池内さおり衆院議員がツイッターで「国の内外で命を軽んじ続ける安倍政権」と批判したところ、志位委員長は「政府が全力を挙げて取り組んでいる最中に、あの発信は不適切だ」と非難し、安倍批判を削除させたのである。かつてソ連スターリン主義は第2次世界大戦を「ファシズムと民主主義の戦い」と美化し、帝国主義戦争に積極的に参戦していったが、日共スターリン主義は同じ道を進んでいる。
もとより、本紙前号1面の革共同声明が鮮明にしているように、イスラム武装勢力の思想・路線・行動は反革命的であり、帝国主義の打倒と労働者階級人民の解放への敵対である。求められているものは、マルクス主義であり、労働者階級自己解放の思想、理論、路線だ。世界の労働者階級がいま直面しているのは、世界革命勝利に向けた大イデオロギー闘争、大党派闘争でもある。
階級的労働運動と国際連帯で、第3次世界戦争への道を絶対に阻止しよう。集団的自衛権行使の7・1閣議決定粉砕、安保関連法案・日米ガイドライン粉砕の15年安保闘争を大爆発させよう。