国鉄解雇撤回!2・15集会へ 最高裁追い詰め勝利判決を 国鉄10万筆署名を集めきろう
国鉄解雇撤回!2・15集会へ
最高裁追い詰め勝利判決を 国鉄10万筆署名を集めきろう
国鉄分割・民営化から28年の2・15集会は決定的に重要だ。国鉄1047名解雇をめぐる動労千葉鉄建公団訴訟は最高裁を追い詰めている。昨年末にも反動判決が出されておかしくない情勢だったが、闘いの力はそれを阻んだ。さらに攻勢をかけ、2・15までに10万筆署名を達成し、全国の2・15集会を大成功させて、何としても解雇撤回・JR復帰の判決をかちとろう。
当初の採用候補者名簿には名前が載っていた
動労千葉組合員12人のJR不採用が国家を挙げた不当労働行為だった事実は、最高裁にも否定できない。
2009年12月16日、国鉄分割・民営化当時、国鉄職員局職員課補佐でJR採用候補者名簿の作成に深くかかわっていた伊藤嘉道は、動労千葉鉄建公団訴訟一審の法廷で決定的な事実を明らかにした。彼は1987年1月中旬ころに作成された最初のJR採用候補者名簿に、動労千葉組合員12人を含む本州での不採用者117人の名前が載っていたと明確に認めたのだ。さらに、動労千葉組合員らの名前が名簿から外されたのは「1月末か2月冒頭」で、「停職6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者」という基準に該当する者を外すよう指示したのは葛西敬之職員局次長(現JR東海名誉会長)だったことも証言した。
国鉄改革法は国鉄がJR採用候補者名簿を作成し、JR設立委員会が名簿に載せられた者の中からJR採用者を決定すると定めていた。動労千葉12人を含む本州不採用者117人は、名簿に名前がなかったという理由でJR不採用とされた。だが、最初に作成された名簿に名前が載っていたのなら、本来、全員が採用されていたはずだ。
ではなぜ、動労千葉組合員らの名前が名簿から削られたのか。
その背景にあったのは、東日本、東海、西日本のJR3社への採用を希望する者が定員を下回るという想定外の事態だった。200人もの自殺者を出した強権的労務支配、労組つぶしと労組脱退強要、退職強要の攻撃が吹き荒れる中で、多くの労働者が自ら職場を去っていった。その数は当局の予想を超えていた。
国鉄当局は86年12月24日から、採用を希望するJR会社名を書かせる「意思確認書」を各個人に配布した。これ自体が組合脱退強要の攻撃だった。提出期限は87年1月7日とされた。回収された意思確認書は1月14日に国鉄本社に送られ、1月下旬には本州JR3社が定員割れとなることは確実になった。
これを受け、国鉄当局は「本州3社は全員採用」という方針をとった。JR各社の定員は閣議決定されており、それを下回ることはできないという判断だった。
鉄道労連の突き上げで一転して名簿から削除
この事態に驚き、慌てふためいたのが国鉄改革労組協議会だ。改革労協は動労本部や鉄労、国鉄当局によって育成された社員労など、分割・民営化の手先となった労組が集まってつくった組織だ。中でも、首切りの手先となり、組合員に強制出向や広域異動、退職を強いてきた動労カクマルにとって、定員割れによる全員採用は、自分の存立基盤を揺るがしかねない事態だった。
改革労協は1月22日、「国鉄改革に敵対している者までも新事業体に移行させざるを得ない状況が生み出されている。......要員枠そのものの是非も含めて、正直者が馬鹿(ママ)を見ない対処方を要求して、緊急に中央・地方で国鉄当局に申し入れる」という方針を決定した。
この動きを受け、国鉄当局は各鉄道管理局などに再度、正確な名簿記載数を報告するとともに、名簿登載者の組合所属を明記するよう指示を出した。1月29日には改革労協と国鉄本社の協議が行われたが、「妨害者の首を切れ」と迫る改革労協の要求は受け入れられなかった。国鉄当局は全員採用した上で、分割・民営化反対の組合は配属で差別するという方針をとっていたからだ。
2月2日、改革労協傘下の各組合はそれぞれ解散した上で鉄道労連(現JR総連)結成大会を開いた。大会には杉浦喬也国鉄総裁が出席し祝辞を述べる予定だったが、採用問題で対立が深まる中で、それは中止された。杉浦総裁は同日の記者会見で「本州・四国では全員採用」との意向を示した。だが、その直後に事態は急転した。
同日夕方の鉄道労連結成レセプションに出席した杉浦は、「皆さんの希望に添えるようになった」と発言した。
動労千葉組合員の名簿からの削除は、JR設立委員会に名簿が提出された2月7日のわずか5日前の2月2日に決定されたのだ。それは、国鉄分割・民営化に反対する労組をつぶすために、国鉄当局が鉄道労連と手を結んで強行した不当労働行為そのものだった。
井手・葛西・斎藤の謀議で不採用
動労千葉鉄建公団訴訟では、さらに決定的な証拠が明らかになっている。「名簿不記載基準」は、葛西や井手正敬(後にJR西日本社長)ら国鉄官僚と、JR設立委員長の斎藤英四郎(当時、経団連会長)が密議し共謀して作ったものだった。その真相を井手自身が『国鉄改革前後の労務政策の内幕』と題するパンフレットの中であけすけに語っている。「国鉄とJRは別法人」どころではなく、両者は一体となって採用差別を強行したのだ。
12年6月29日の東京地裁・白石判決も13年9月25日の東京高裁・難波判決も、不採用基準の策定とその適用は不当労働行為と認定せざるを得なかった。
JR復帰がストレートに通る状況きり開いた
動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士は、1月8日に行われた国鉄闘争全国運動呼びかけ人会議で、最高裁闘争の現局面について次のように語っている。
「昨年暮れに最高裁判決が来るのではと構えていましたが、そうはならなかった。最高裁も簡単に切れない状況にあると思います。一審・二審で、名簿不記載は動労千葉の組合員であることを理由とした不当差別であり、その適用自体も不当労働行為であると認定された。これは事実認定になるわけです。最高裁は事実認定をひっくり返すことはできない」
「1987年のおそらく2月2日午後、葛西と井手の2人が設立委員長の斎藤英四郎に会い『労働処分を度々受けた人間についてこのまま採用するのはいかがかと思う』と説得。斎藤は『その通りだ』となって、葛西が不採用基準を作ることになった。その基準が白石判決でも難波判決でも不当労働行為と断定された。国鉄改革法23条4項に『設立委員会が行った行為は新会社が行った行為とする』という条文がある。つまり設立委員会が行った不当労働行為は新会社が行った不当労働行為になる。......そうならストレートにJRに復帰するのが当たり前だ。『不当労働行為だから解雇撤回』という路線がストレートに通る状況になっている。本来の筋からすればこちらが当然に勝利する。それをどうするのか、最高裁はかなり苦慮している」
28年の闘いがついに暴き出した真実は、最高裁を徹底的に追い詰めている。判決待ちの姿勢に陥ることなく、さらに攻勢に立ち、解雇撤回・JR復帰の判決をもぎりとろう。10万筆署名を達成し、2・15国鉄集会への今までにない結集を実現しよう。
国鉄解雇の不当労働行為で成立したJRは、3月ダイ改を機に大量退職を逆手に取った全面的な外注化と労組破壊にのめりこもうとしている。2・15集会でこの攻撃との大決戦に入ろう。
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2月国鉄集会
【東京】国鉄分割・民営化で不当解雇から28年 2・15労働者集会
2月15日(日)午後6時
すみだ産業会館8階サンライズホール
(東京都墨田区江東橋3―9―10)
呼びかけ 国鉄闘争全国運動
【北海道】戦争と生活破壊に立ち向かう2・15国鉄集会
2月15日(日)午後1時30分
かでる2・7、1010会議室
(札幌市中央区北2条西7丁目)
主催 国鉄闘争全国運動・北海道
【福岡】国鉄解雇から28年! 2・15福岡集会
2月15日(日)午後1時30分
ももちパレス第2研修室
(福岡市早良区百道2―3―15)
主催 国鉄闘争全国運動・九州
【大阪】国鉄分割・民営化で不当解雇から28年 2・16関西労働者集会
2月16日(月)午後6時30分
大阪市・港区民センター
(大阪市港区弁天2―1―5)
主催 国鉄闘争全国運動・関西
【岡山】国鉄分割・民営化で不当解雇から28年 中四国国鉄闘争集会
2月15日(日)午後2時30分
さん太ホール・岡山
(岡山市北区柳町2―1―1)
主催 2・15中四国国鉄闘争集会実行委
【福島】戦争と首切り許すな! 労働組合の力で安倍を倒そう! 国鉄集会in郡山
2月15日(日)午後1時
郡山市ビッグアイ大会議室
(郡山市駅前2―11―1)
主催 2・15国鉄集会実行委
【新潟】国鉄1047名解雇撤回! 民営化・外注化阻止・非正規職撤廃! 動労総連合をつくろう! 2・15国鉄集会
2月15日(日)午後1時30分
新潟市万代市民会館4階403・404
(新潟市中央区東万代町9―1)
主催 国鉄闘争全国運動・新潟
新潟地域一般労働組合
【愛知】国鉄分割・民営化から28年 2・15労働者集会in名古屋
2月15日(日)午後1時15分
イーブルなごや(女性会館)第4集会室
(名古屋市中区大井町7―25)
主催 東海合同労働組合
動労千葉を支援する会・東海
【北陸】国鉄分割・民営化で不当解雇から28年 北陸労働者集会
2月15日(日)午後1時30分
金沢勤労者プラザ103号室
(金沢市北安江3―2―20)
主催 2・15北陸労働者集会実行委